【想定発行価格の印象】
:北米売上大きく日本食関連であるが、業績は安定しているため妥当な水準
【法人概要】
設立:1947年9月
本社所在地:兵庫県神戸市中央区磯辺通四丁目
事業内容:
海外における日本食、アジア食品・食材の輸入及び卸売
日本における青果物全般等の輸入卸売販売
業種分類:卸売業
決算:12月
上場市場:市場1部 or 市場2部
監査人:トーマツ
主幹事証券:野村證券
社長:金井孝行、昭和34年うまれ、あおぞら銀行出身、H29.3月に社長就任
会長:洲崎良朗、昭和33年うまれ、モルガン銀行出身、H29.3月に社長から会長へ
【実施する事業】
明治45年に神戸で貿易商社として創業。
大正10年に海外向けプライベート・ブランドの「Shirakiku」を商標登録。
①アジア食グローバル事業
(直近H29.6期2Q 売上64,951百万円、営業利益3,104百万円/前期 売上115,585百万円、営業利益6,062百万円)
日本食を中心としたアジア食品・食材などを米国内、日本、中国、東南アジアなどから輸入、また米穀などを米国内で調達し、米国及びカナダを中心に欧州、豪州及びアジア等の日本食を中心としたレストラン、グローサリーに販売。
日本食ブランド「Shirakiku」の知名度が高い。
②農水産商社事業
(直近H29.6期2Q 売上27,173百万円、営業利益159百万円/前期 売上48,366百万円、営業利益1,081百万円)
生鮮青果、冷凍加工青果、水産物等を国内の卸売市場、量販店、外食・中食産業、食品メーカー等に対して輸入卸販売している。
【損益(過去2期+直近Q)】
(売上、売上総利益)
売上:直近通年期前期比0%増、直近四半期単純年換算前期比9%増
H28.12期の売上158十億円のうち日本向けが56十億円(35%)、北米向けが93十億円(59%)を占める。
北米向けの割合が圧倒的に多い。
粗利率:前々期17.7%、前期17.6%、直近四半期17.0%と約17%で推移している。
売上総利益:直近通年期前期比0%増、直近四半期単純年換算前期比5%増
H29.6期2Qは売上進捗が前期比で良いため、粗利額も改善している。
(販管費、営業損益)
販管費:直近通年期前期比3%増、直近四半期単純年換算前期比11%増とH29.6期の販管費が増加傾向にあるが、給与の増加が原因であると考えられる。
H28.12期の販管費総額20,608百万円のうち、給与が7,973百万円、運賃が1,954百万円、賃借料が1,345百万円を占める。
H29.6期2Qの販管費総額11,436百万円のうち、給与が4,487百万円、運賃が1,049百万円、賃借料が713百万円を占めている。
営業利益:直近通年期前期比8%減、直近四半期単純年換算前期比11%減
粗利額は増加傾向にあるが、販管費の増加の方が大きいため、営業利益段階では減益となっている。
(最終利益)
「最終利益÷営業利益」:前々期56.4%、前期38.8%、直近四半期44.4%で推移している。
前期と直近四半期の割合が低いのは以下を原因とする。
H28.12期に減損損失として1,475百万円を計上。EU離脱に伴う不透明さから英国サリー州にあるHarro社ののれん1,039百万円、無形資産435百万円を減損処理した。
H29.6期2Qにおいても減損損失517百万円を計上。日本食品有限公司の事業用資産について、一部の顧客関連資産の使途を見直したことに伴い、回収可能価額をゼロと見積った。
【財政状態】
(財務諸表の特徴)
純有利子負債(ipo資金受入後)▲18,111百万円、自己資本比率52%、有利子負債比率48%と財務内容は安定しており、資金も多く保有している。
繰延税金資産についてはH28.12時点で一時差異総額(税額ベース)1,630百万円のうち1,391百万円を資産計上している。
(資本政策)
IPOに伴う売出は筆頭株主の多津巳産業(役員の関連会社)の1,850千株のみである。
(ROAとROE)
直近決算期であるH29.6期の純資産と想定発行価格による増資と直近Q決算期の年度換算利益を前提としたROA、ROEはそれぞれ3.3%、5.7%と低めである。
(IPO調達資金が自己資本へ与える影響)
想定発行価格と公募株式数に基づく調達資金は11,616百万円であり、直近純資産に対して30%の自己資本増加となる。
【株価】
(将来見込み)
北米向け売上割合が高く日本食をテーマとしているが、近年の業績はほぼ横ばいであるが、比較的キャッシュリッチでありM&Aの成功による業務拡大も期待できるのではないか。
(PER指標)
直近決算期であるH29.6期2Qの利益を単純年換算した利益と想定発行価格を前提としたPER(希薄化株式考慮済)は27倍である。
(PBR指標)
直近決算期であるH29.6期の純資産と想定発行価格による増資を前提としたPBR(希薄化株式考慮済)は1.5倍である。
(その他)
想定発行価格による増資とH29.6期の単純年間換算営業利益に基づいたEBIT倍率は9.2倍であり、EBITDA倍率は7.9倍とやや低い印象である。
キャッシュリッチであり、株価に占めるキャッシュ割合が大きいことが要因と考えられる。
(類似上場会社の指標 H29.8.25現在)
ホウスイ(1352) PER 24.2倍 PBR 1.8倍
木徳神糧(2700) PER 6.52倍 PBR 0.66倍
久世(2708) PER 7.0倍 PBR 0.62倍
神戸物産(3038) PER 18.0倍 PBR 7.88倍
:北米売上大きく日本食関連であるが、業績は安定しているため妥当な水準
【法人概要】
設立:1947年9月
本社所在地:兵庫県神戸市中央区磯辺通四丁目
事業内容:
海外における日本食、アジア食品・食材の輸入及び卸売
日本における青果物全般等の輸入卸売販売
業種分類:卸売業
決算:12月
上場市場:市場1部 or 市場2部
監査人:トーマツ
主幹事証券:野村證券
社長:金井孝行、昭和34年うまれ、あおぞら銀行出身、H29.3月に社長就任
会長:洲崎良朗、昭和33年うまれ、モルガン銀行出身、H29.3月に社長から会長へ
【実施する事業】
明治45年に神戸で貿易商社として創業。
大正10年に海外向けプライベート・ブランドの「Shirakiku」を商標登録。
①アジア食グローバル事業
(直近H29.6期2Q 売上64,951百万円、営業利益3,104百万円/前期 売上115,585百万円、営業利益6,062百万円)
日本食を中心としたアジア食品・食材などを米国内、日本、中国、東南アジアなどから輸入、また米穀などを米国内で調達し、米国及びカナダを中心に欧州、豪州及びアジア等の日本食を中心としたレストラン、グローサリーに販売。
日本食ブランド「Shirakiku」の知名度が高い。
②農水産商社事業
(直近H29.6期2Q 売上27,173百万円、営業利益159百万円/前期 売上48,366百万円、営業利益1,081百万円)
生鮮青果、冷凍加工青果、水産物等を国内の卸売市場、量販店、外食・中食産業、食品メーカー等に対して輸入卸販売している。
【損益(過去2期+直近Q)】
(売上、売上総利益)
売上:直近通年期前期比0%増、直近四半期単純年換算前期比9%増
H28.12期の売上158十億円のうち日本向けが56十億円(35%)、北米向けが93十億円(59%)を占める。
北米向けの割合が圧倒的に多い。
粗利率:前々期17.7%、前期17.6%、直近四半期17.0%と約17%で推移している。
売上総利益:直近通年期前期比0%増、直近四半期単純年換算前期比5%増
H29.6期2Qは売上進捗が前期比で良いため、粗利額も改善している。
(販管費、営業損益)
販管費:直近通年期前期比3%増、直近四半期単純年換算前期比11%増とH29.6期の販管費が増加傾向にあるが、給与の増加が原因であると考えられる。
H28.12期の販管費総額20,608百万円のうち、給与が7,973百万円、運賃が1,954百万円、賃借料が1,345百万円を占める。
H29.6期2Qの販管費総額11,436百万円のうち、給与が4,487百万円、運賃が1,049百万円、賃借料が713百万円を占めている。
営業利益:直近通年期前期比8%減、直近四半期単純年換算前期比11%減
粗利額は増加傾向にあるが、販管費の増加の方が大きいため、営業利益段階では減益となっている。
(最終利益)
「最終利益÷営業利益」:前々期56.4%、前期38.8%、直近四半期44.4%で推移している。
前期と直近四半期の割合が低いのは以下を原因とする。
H28.12期に減損損失として1,475百万円を計上。EU離脱に伴う不透明さから英国サリー州にあるHarro社ののれん1,039百万円、無形資産435百万円を減損処理した。
H29.6期2Qにおいても減損損失517百万円を計上。日本食品有限公司の事業用資産について、一部の顧客関連資産の使途を見直したことに伴い、回収可能価額をゼロと見積った。
【財政状態】
(財務諸表の特徴)
純有利子負債(ipo資金受入後)▲18,111百万円、自己資本比率52%、有利子負債比率48%と財務内容は安定しており、資金も多く保有している。
繰延税金資産についてはH28.12時点で一時差異総額(税額ベース)1,630百万円のうち1,391百万円を資産計上している。
(資本政策)
IPOに伴う売出は筆頭株主の多津巳産業(役員の関連会社)の1,850千株のみである。
(ROAとROE)
直近決算期であるH29.6期の純資産と想定発行価格による増資と直近Q決算期の年度換算利益を前提としたROA、ROEはそれぞれ3.3%、5.7%と低めである。
(IPO調達資金が自己資本へ与える影響)
想定発行価格と公募株式数に基づく調達資金は11,616百万円であり、直近純資産に対して30%の自己資本増加となる。
【株価】
(将来見込み)
北米向け売上割合が高く日本食をテーマとしているが、近年の業績はほぼ横ばいであるが、比較的キャッシュリッチでありM&Aの成功による業務拡大も期待できるのではないか。
(PER指標)
直近決算期であるH29.6期2Qの利益を単純年換算した利益と想定発行価格を前提としたPER(希薄化株式考慮済)は27倍である。
(PBR指標)
直近決算期であるH29.6期の純資産と想定発行価格による増資を前提としたPBR(希薄化株式考慮済)は1.5倍である。
(その他)
想定発行価格による増資とH29.6期の単純年間換算営業利益に基づいたEBIT倍率は9.2倍であり、EBITDA倍率は7.9倍とやや低い印象である。
キャッシュリッチであり、株価に占めるキャッシュ割合が大きいことが要因と考えられる。
(類似上場会社の指標 H29.8.25現在)
ホウスイ(1352) PER 24.2倍 PBR 1.8倍
木徳神糧(2700) PER 6.52倍 PBR 0.66倍
久世(2708) PER 7.0倍 PBR 0.62倍
神戸物産(3038) PER 18.0倍 PBR 7.88倍
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西本Wismettacホールディングス(9260) | |||||
(単位:百万円) | H27.12 | H28.12 | 増減 | H29.6 | 進捗/増減 |
売上高 | 158,254 | 158,338 | 84 | 86,646 | 55% |
年間予想 | 173,292 | 50% | |||
売上総利益 | 27,941 | 27,938 | △3 | 14,696 | 53% |
販管費 | 19,942 | 20,608 | 666 | 11,436 | 55% |
営業利益 | 7,999 | 7,330 | △669 | 3,260 | 44% |
年間予想 | 6,520 | 50% | |||
減価償却費 | 627 | 849 | 222 | 557 | 66% |
EBITDA | 8,626 | 8,179 | △447 | 3,817 | 47% |
支配株主帰属利益 | 4,509 | 2,847 | △1,662 | 1,448 | 51% |
年間予想 | 2,896 | 50% | |||
簡易営業キャッシュフロー | 5,136 | 3,696 | △1,440 | 2,005 | |
年間予想 | 4,010 | ||||
※年間予想はQ数値を年次に単純換算した金額 | |||||
H27.12 | H28.12 | H29.6 | 予想 | ||
売上総利益率 | 17.7% | 17.6% | 17.0% | ||
営業利益率 | 5.1% | 4.6% | 3.8% | 3.8% | |
支配株主帰属利益率 | 2.8% | 1.8% | 1.7% | 1.7% | |
最終利益÷営業利益 | 56.4% | 38.8% | 44.4% | 44.4% | |
西本Wismettacホールディングス(9260)の財政状態 | |||||
H29.6 | |||||
現預金等 | 25,196 | ||||
流動資産 | 67,454 | ||||
流動負債 | 21,834 | ||||
流動資産ー流動負債 | 45,620 | ||||
うち現金短借以外 | 26,586 | ||||
有利子負債(流動) | 6,162 | ||||
有利子負債(固定) | 12,539 | ||||
有利子負債計 | 18,701 | ||||
ネット有利子負債 | △6,495 | ||||
固定資産 | 8,475 | ||||
固定負債 | 14,835 | ||||
純資産 | 39,260 | ||||
非支配株主持分 | 0 | ||||
親会社所有者持分 | 39,260 | ||||
流動比率 | 309% | ||||
固定長期適合率 | 16% | ||||
自己資本比率 | 52% | ||||
有利子負債比率 | 48% | ||||
西本Wismettacホールディングス(9260)の利益指標 | |||||
H28.12 | H29.6 | 予想 | |||
ROE | 5.6% | 5.7% | 5.7% | ||
ROA | 3.3% | 3.3% | 3.3% | ||
西本Wismettacホールディングス(9260)の株式数,時価総額の見込み | |||||
上場前発行済株式 | 12,493,240 | 自己株式除く | |||
うち売出株数 | 1,850,000 | 当選枚数 | |||
上場時発行株式 | 2,405,000 | オーバーアロットメント含 | 42,550 | ||
引受価額 | 4,830.0 | 円 | |||
上場時調達見込額 | 11,616 | 百万円 | |||
調達後親会社所有者持分 | 50,876 | ||||
上場時増資額/直近純資産 | 30% | ||||
直近株価 | 5,250 | 想定発行価格 | |||
時価総額 | 78,216 | 百万円 | |||
非支配株主持分 | 0 | ||||
純有利子負債(ipo資金受入後) | △18,111 | ||||
事業価値 | 60,105 | ||||
潜在株 | 0 | 潜在株割合 | 0.0% | ||
西本Wismettacホールディングス(9260)の株価指標 | |||||
指標 | H28.12 | H29.6 | 予想 | ||
EBIT倍率 | 8.2 | 9.2 | 9.2 | ||
EBITDA倍率 | 7.3 | 7.9 | |||
営業利益PER | 10.7 | 12.0 | 12.0 | ||
PER | 27.5 | 27.0 | 27.0 | ||
PBR | 1.5 | ||||
西本Wismettacホールディングス(9260)における従業員の状況 | |||||
H29.7 | |||||
連結人員 | 1,611 | 人 | |||
親会社単体人員 | 68 | 人 | |||
親会社単体平均年齢 | 40.6 | 才 | |||
親会社単体平均年収 | 5,572 | 千円 | |||
一人あたり年間粗利(連結) | 18 | 千円 | |||
一人あたり年間販管費(連結) | 14 | 千円 | |||
西本Wismettacホールディングス(9260)IPOまでの資本政策 | |||||
発行日 | 株数 | 割当先 | |||
~直近 | 2,642,648 | 過年度 | |||
H29/6 | 10,570,592 | 5分割 | |||
IPO直前計 | 12,493,240 | ⇒自己株除く | |||
IPO時 | 2,405,000 | 5,250 | ⇒想定発行価格 | ||
IPO後計 | 14,898,240 | 時価総額 | 78,216 | 百万円 |