芙蓉総合リース(8424)がアクリーティブ(8423)をTOBへ

2016/12/14

企業分析


芙蓉総合リース(8424)がアクリーティブ(8423)の株式を公開買付けにより取得することが公表された。



芙蓉総合リースはアクリーティブの株式を51%保有し連結子会社とすることを目的としているため、買付予定株式数は21,859千株である。

売り付け数が51%に満たない場合にはすべての株式の買い付けは行われず、51%を超えた場合には按分方式により決済されることになる。

アクリーティブは引き続き上場を維持する。

なお、アクリーティブの親会社である社ドンキホーテホールディングスは49.17%の株を保有しているが、そのうち38%を芙蓉総合リースへ売り渡すことを合意している。



公開買付者である芙蓉総合リースは情報機器、事務機器、産業・工作機械、航空機、商業・サービス機器、建物などのリース・割賦販売に加え、ファイナンス、投資商品の組成・募集、太陽光発電、設備処分など幅広い業務を実施。

対象者であるアクリーティブは、金融サービスとアウトソーシングを融合させた売掛金先払いサービスを提供することにより、中小企業の資金繰りを改善するサービスを展開してきた。

平成20年9月のリーマンショック時に債権が不良債権化した際に、ドンキホーテへ第三者割当を実施しドンキホーテの子会社となった経緯がある。

最近では売掛債権の早期買取や融資等の金融サービスを主としたアセットビジネス事業だけでなく、支払い業務やレジオペレーション業務等のアウトソーシングを主としたソリューション事業も実施していた。



公開買い付け後のシナジーとして以下の3つが挙げられている。


①「フレックスペイメントサービス(FPS)」をはじめとする利便性の高いファイナンス・プラットフォームを公開買付者グループの顧客(小売流通分野や医療・介護分野など)へ提供することが可能となる。
②「給料前払いサービス(SUGUIRU)」などの新規サービスの開発や顧客への提供をサポートすることで、公開買付者グループにはない FinTech 分野への取組み強化に繋がる。

③対象者の有するタイ王国などの海外拠点における事業展開で連携することにより、お互いの顧客基盤やサービスの相互補完が可能。


公開買付期間

平成28年12月15日~平成29年1月19日
ただし、30日の延長の余地あり。



買付価格:

520円
適時開示日のアクリーティブ終値が401円であるためプレミアムは約30%

なお、芙蓉総合リースの買付株式数は21,859千株であるため、買付総額は21,859千株×520円=11,366百万円に上る。



芙蓉総合リースの決算への影響:

対象者の直近2Qにおける純資産は8,100百万円であり買付者の取得割合51%を乗じると4,131百万円であるため、のれんの額は11,366-4,131=7,235百万円となる。

一方、アクリーティブのスタンドアロンでの決算予想は平成29年3月期で営業利益1,900百万円、最終利益が1,790百万円であるため、のれんの消化は十分可能な水準であると考えられる。