IPO予定のウェーブロックホールディングス(7940)の財務分析と初値予想

2017/03/06

IPO

【事業】

設立:1964年6月
本社所在地:東京都中央区明石町
事業内容:各種合成樹脂製品の製造・加工・販売およびそれに付帯または関連する事業
業種分類:科学
決算:3月
上場市場:市場2部
監査人:トーマツ
主幹事証券:みずほ証券
社長:木根渕純、昭和34年うまれ、ソード、リーマンブラザーズ、オーエスキャピタル等を経て平成15年に当社社長就任

※エムシーピースリー投資事業有限責任組合により設立されたウェーブロックインベストメントによる公開買付け(TOB)が平成21年3月に成立した結果、平成21年7月に東京証券取引所市場第二部の上場を廃止しており再上場案件である。現在、エムシーピースリー投資事業有限責任組合の保有比率は54%。

※エムシーピースリー投資事業有限責任組合はみずほキャピタルパートナーズ(株)が関与する、経営陣によるマネジメント・バイアウト支援目的で設立。


【過去の業績推移】

直近5年の推移において売上高は25十億円程度で推移している。

営業利益は200~1,000百万円で推移。

最終利益は100百万円~700百万円程度で推移。


総資産は5年間で25十億円から30十億円で推移している。


【実施する事業】

(インテリア事業)185人、H28.12期3Qで売上56億、利益3億、受注残50億
 壁紙製品および壁紙ベースの製造・販売、ならびに住宅関連商品の販売。


(編織事業)272人、H28.12期3Qで売上52億、利益5億
 合成繊維製網製品を製造し、一般住宅用防虫網、張替用防虫網、農業用資材網(遮光、防虫、防風等)、土木資材(植生網等)、建設仮設資材(フェンスネット等)を販売。


(産業資材・包材事業)175人、H28.12期3Qで売上66億、利益2億、受注残60億
 産業資材分野として、ポリエステル等の基布の両面(または片面)に、塩化ビニル樹脂等をコーティング加工したターポリンシートや、網状に織ったポリエステル基布に塩化ビニル樹脂、可塑剤、安定剤、顔料等を塗布したメッシュシート、その他各種プラスチックシートやフィルム等の合成繊維製フィルム・シートを、建築仮設資材、業務用衣料、農業資材、工場用カーテン等の用途向けに製造し、仮設リース会社や代理店、商社等に販売。


(アドバンストテクノロジー事業)78人、H28.12期3Qで売上24億、利益2億、受注残16億
 当事業は、金属調加飾フィルム分野として、特殊金属を蒸着したフィルムを使用した金属調テープを自動車外装用に、同じく特殊金属蒸着フィルムを使用した金属調加飾フィルムを自動車・自動二輪向け、家電、雑貨向け部品外装用に製造・販売。


※主な売上先は「サンゲツ」で売上の22%を占める。なおサンゲツは当社の株を22.2%保有している。



【損益(直近)】


(売上、売上総利益)

H28.3期、H28.12期ともに売上高、粗利ともに前期比増加している。

特にH28.12期の前期比進捗率が良好である。


(販管費、営業損益)

粗利額の増加に応じて販管費も増加しているが、H28.3期の増加率は粗利率の増加2%よりも大きく営業利益率は悪化した。
しかし、H28.12期3Qは販管費は増加しているものの粗利の増加率よりも小さいため営業利益額は大幅に増加し、営業利益率も大幅改善している。


販管費の主なものとしてH28.3期4,759百万円のうち、給与手当1,064百万円、荷造運賃962百万円が主なものである。

H28.3期の研究開発費は388百万円、H28.12期は268百万円であった。


(最終利益)


「最終利益÷営業利益」比率は各期変動が非常に大きい。

営業外収益として負ののれん償却額がH27.3期、H28.3期で388百万円、H28.12期で291百万円計上されている。

負ののれんはMBO実施したH22.3期に計上されているが10年の均等償却で毎期388百万円を営業外収益として計上している。


【財政状態】
 

(財務諸表の特徴)

資産に占める土地建物が9,616百万円と大きく、ネット有利子負債も9,208百万円と多額であるため自己資本比率は30%、有利子負債比率は132%と比較的有利子負債への依存度が高い。


(ROAとROE)

直近決算期であるH28.12期の純資産と想定発行価格による増資と直近決算期の利益を前提としたROA、ROEはそれぞれ4.3%、13.5%である。



(IPO調達資金が自己資本へ与える影響)

想定発行価格と公募株式数に基づく調達資金は602百万円であり、直近純資産に対して7%の自己資本増加となる。
IPO資金がBSに与える影響は大きくない。



【株価】


(将来見込み)

現状のPER指標では、毎期負ののれん償却益が388百万円計上されている点、割安に算出されている点は留意すべきである。

しかし、直近決算では増収増益を継続しており、営業利益PER、EBITDA指標においても割安感は多少あると言えるのではないか。


(PER指標)

直近決算期であるH28.12期の利益を単純年換算した利益と想定発行価格を前提としたPER(希薄化株式考慮済)は7.9倍である。

負ののれんが291百万円計上されている点留意しなければならない。

(PBR指標)

直近決算期であるH28.12期の純資産と想定発行価格による増資を前提としたPBRは1.1倍である。


(その他)

想定発行価格による増資とH28.12期の単純年間換算営業利益に基づいたEBIT倍率は13.0倍であり、EBITDA倍率は7.8倍である。



市場別、業種別PER、PBRの一覧はこちら。

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ウェーブロックホルディングス(7940)
(単位:千円) H27.3 H28.3 増減 H28.12 進捗/増減
売上高 24,656,086 25,055,954 399,868 19,993,871 80%
年間予想 26,658,495 75%
売上総利益 5,412,744 5,500,140 87,396 4,662,071 85%
販管費 4,498,917 4,759,467 260,550 3,648,984 77%
営業利益 913,827 740,673 △173,154 1,013,087 137%
年間予想 1,350,783 75%
減価償却費 812,862 760,848 △52,014 671,713 88%
 EBITDA 1,726,689 1,501,521 △225,168 1,684,800 112%
支配株主帰属利益 1,031,438 365,764 △665,674 934,038 255%
年間予想 1,245,384 75%
簡易営業キャッシュフロー 1,844,300 1,126,612 △717,688 1,605,751
年間予想 2,141,001
※年間予想はQ数値を年次に単純換算した金額
H27.3 H28.3 H28.12 予想
売上総利益率 22.0% 22.0% 23.3%
営業利益率 3.7% 3.0% 5.1% 5.1%
支配株主帰属利益率 4.2% 1.5% 4.7% 4.7%
最終利益÷営業利益 112.9% 49.4% 92.2% 92.2%
ウェーブロックホルディングス(7940)の財政状態
H28.12
現預金等 2,278,071
流動資産 15,211,982
流動負債 12,062,628
 流動資産ー流動負債 3,149,354
 うち現金短借以外 7,577,850
有利子負債(流動) 6,706,567
有利子負債(固定) 4,779,810
 有利子負債計 11,486,377
ネット有利子負債 9,208,306
固定資産 13,576,089
固定負債 8,029,731
純資産 8,695,712
非支配株主持分 47,221
親会社所有者持分 8,648,491
流動比率 126%
固定長期適合率 81%
自己資本比率 30%
有利子負債比率 132%
ウェーブロックホルディングス(7940)の利益指標
H28.12 予想
ROE 13.5% 13.5%
ROA 4.2% 4.2%
ウェーブロックホルディングス(7940)の株式数,時価総額の見込み
上場前発行済株式 9,743,938 自己株式除く
上場時発行済株式 780,000 オーバーアロットメント含
引受価額 772.8
上場時調達見込額 602,784 千円
調達後親会社所有者持分 9,251,275
上場時増資額/直近純資産 7%
直近株価 840 想定発行価格
時価総額 8,840,108 千円
非支配株主持分 47,221
純有利子負債 8,605,522
事業価値 17,492,851
潜在株 1,180,000 潜在株割合 11.2%
ウェーブロックホルディングス(7940)の株価指標
指標 H28.12 予想
EBIT倍率 13.0 13.0
EBITDA倍率 7.8
営業利益PER 7.3 7.3
PER 7.9 7.9
PBR 1.1
ウェーブロックホルディングス(7940)における従業員の状況
H29.1
連結人員 747
親会社単体人員 37
親会社単体平均年齢 43
親会社単体平均年収 5,348 千円
一人あたり年間粗利(連結) 8,321 千円
一人あたり年間販管費(連結) 6,513 千円