想定発行価格の印象 | |||||
収益性が低いため高めのPERとなっている。規模拡大と固定費管理を進めて収益性をいかに確保するかがポイントとなりそうである。 | |||||
一家ダイニングプロジェクト(9266)の概要 | |||||
項目 | 内容 | ||||
事業内容 | 居酒屋「屋台屋博多劇場」「こだわりもん一家」等の運営、ブライダル事業 | ||||
業種別分類 | 小売業 | ||||
本店所在地 | 千葉県市川市八幡 | ||||
監査法人 | 新日本監査法人 | ||||
主幹事 | SMBC日興証券 | ||||
決算月 | 3月 | ||||
BB期間 | H29.11.27 | ~ | H29.12.1 | ||
上場日 | H29.12.12 | ||||
上場市場 | マザーズ | ||||
大株主① | 武長 太郎 | 716,000株 | うち売出 | 93,000株 | |
大株主② | TKコーポレーション | 400,000株 | うち売出 | 0株 | |
社長 | 武長 太郎、昭和52年うまれ、平成9年に当社設立 | ||||
一家ダイニングプロジェクト(9266)の沿革 | |||||
時期 | 内容 | ||||
H9/10 | 千葉県市川市に有限会社ロイスカンパニー(資本金3,000千円)を設立 | ||||
H12/8 | 株式会社へ組織変更し現社名へ | ||||
H22/2 | 屋台屋博多劇場1号店を千葉県成田市でオープン | ||||
H24/8 | ブライダル施設「The Place of Tokyo」を東京都にオープンしブライダル事業開始 | ||||
一家ダイニングプロジェクト(9266)が実施する事業内容 | |||||
項目 | 内容 | ||||
飲食事業 | 「こだわりもん一家」13店舗、「屋台屋博多劇場」29店舗等を運営、就業員数は150名 | ||||
(販売実績) | H29.3⇒ | 3,081百万円 | H29.9⇒ | 1,761百万円 | |
ブライダル事業 | ブライダル施設「The Place of Tokyo」を運営、就業員数は46名 | ||||
(販売実績) | H29.3⇒ | 2,337百万円 | H29.9⇒ | 1,162百万円 | |
一家ダイニングプロジェクト(9266)過去5年間の指標(単体)推移 | |||||
項目 | 5年前 | ⇒ | 直近H29.3期 | ||
売上高 | 2,129百万円 | ⇒ | 5,418百万円 | ||
当期利益 | -6百万円 | ⇒ | 76百万円 | ||
総資産 | 1,516百万円 | ⇒ | 2,957百万円 | ||
純資産 | 187百万円 | ⇒ | 474百万円 | ||
従業員数 | 49人 | ⇒ | 184人 |
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【損益(過去2期+直近Q)の分析】
(売上、売上総利益)
売上:直近通年期前期比125%、直近四半期単純年換算前期比108%である。
増収傾向は継続中である。
粗利率:前々期64%、前期65%、直近期Q66%で推移している。
概ね原価率は35%程度である。原価は全て原材料である。
売上総利益:直近通年期前期比127%、直近四半期単純年換算前期比109%である。
売上増加傾向にあり、粗利率に大きな変動がないため売上に連動して粗利額も増加している。
(販管費、営業損益)
販管費:直近通年期前期比126%、直近四半期単純年換算前期比111%である。
H29.3期の販管費3382百万円のうち、給与が1,209百万円、地代家賃が524百万円、減価償却費が141百万円を占めている。H29.9期2Qの給与は693百万円であり増加傾向にある。
営業利益:直近通年期前期比143%、直近四半期単純年換算前期比60%である。
直近Qは販管費の増加割合が粗利額の増加よりも大きく結果として営業利益が伸び悩んでいる。
(最終利益)
「最終利益÷営業利益」:前々期32%、前期48%、直近期Q60%で推移している。
特別損失としてH28.3期に減損損失15百万円、関係会社評価損30百万円、H29.3期に減損損失32百万円経常していることが要因である。
【財政状態の分析】
(財務諸表の特徴)
直近決算における純有利子負債(マイナスは純キャッシュ)は762百万円(IPO資金調達後は355百万円)、自己資本比率は17%、有利子負債比率は318%である。
借入負担が大きく自己資本比率が低めである。
繰延税金資産についてH29.3期の一時差異(税額見合額)78百万円のうち資産除去債務が55百万円を占めている。評価性引当額は9百万円であり大きくない。
(資本政策)
上場に当たっての当選枚数は2898枚である。
(ROAとROE)
直近決算期であるH29.9期の純資産と想定発行価格による増資と直近Q決算期の年度換算利益を前提としたROA、ROEはそれぞれ2%、6%である
また、上記純資産を基準として直近通期決算期の年度換算利益を前提としたROA、ROEはそれぞれ2%、8%である
(IPO調達資金が自己資本へ与える影響)
想定発行価格と公募株式数に基づく調達資金は0百万円であり、直近純資産に対しての自己資本増加となる。
【株価の分析】
(将来見込み)
売上増加、粗利額増加は継続しているものの、人件費負担が重くなってきつつあり季節的変動はあるものの直近Q単純年額では営業利益は伸び悩んでいる。
(PER指標)
直近Q決算期であるH29.9期の利益の年換算額と想定発行価格を前提としたPER(希薄化株式考慮済)は63.3倍である
また、直近通年決算期であるH29.3期の利益と想定発行価格を前提としたPER(希薄化株式考慮済)は47.7倍である
(PBR指標)
直近Q決算期であるH29.9期の純資産額と想定発行価格を前提としたIPO増資を前提としたPBR(希薄化株式考慮済)は3.8倍である
(類似会社比較)
ビジネスモデルが近い上場会社のPERは14.6~115.14倍、PBRは1.43~16.9倍である。
また類似会社のROEは2~22%、ROAは1.2~7.9%である。
同業他社と比べて売上高に対する収益性が高くないためROE、ROAが低めである。
一家ダイニングプロジェクト(9266)の業績推移分析 | |||||
(単位:百万円) | H28.3 | H29.3 | 増減 | H29.9 | Q進捗 |
売上高 | 4,335 | 5,419 | 1,083 | 2,924 | 54% |
年間予想 | 5,848 | 50% | |||
売上総利益 | 2,794 | 3,539 | 745 | 1,931 | 55% |
販管費 | 2,684 | 3,382 | 698 | 1,884 | 56% |
営業利益 | 110 | 157 | 47 | 48 | 30% |
年間予想 | 95 | 50% | |||
減価償却費 | 117 | 142 | 25 | 81 | 57% |
EBITDA | 227 | 299 | 72 | 128 | 43% |
支配株主帰属利益 | 35 | 76 | 41 | 29 | 38% |
年間予想 | 57 | 50% | |||
簡易営業キャッシュフロー | 151 | 218 | 67 | 110 | |
年間予想 | 219 | ||||
※年間予想はQ数値を年次に単純換算した金額 | |||||
H28.3 | H29.3 | H29.9 | 予想 | ||
売上総利益率 | 64.4% | 65.3% | 66.1% | ||
営業利益率 | 2.5% | 2.9% | 1.6% | 1.6% | |
支配株主帰属利益率 | 0.8% | 1.4% | 1.0% | 1.0% | |
最終利益÷営業利益 | 31.5% | 48.4% | 60.4% | 60.4% | |
一家ダイニングプロジェクト(9266)の財政状態 | |||||
BS項目 | H29.9 | ||||
現預金等 | 978 | ||||
流動資産 | 1,192 | ||||
流動負債 | 1,235 | ||||
流動資産ー流動負債 | △43 | ||||
うち現金短借以外 | △425 | ||||
有利子負債(流動) | 596 | ||||
有利子負債(固定) | 1,144 | ||||
有利子負債計 | 1,740 | ||||
ネット有利子負債 | 762 | ||||
固定資産 | 1,990 | ||||
固定負債 | 1,400 | ||||
純資産 | 547 | ||||
非支配株主持分 | 0 | ||||
親会社所有者持分 | 547 | ||||
流動比率 | 96% | ||||
固定長期適合率 | 102% | ||||
自己資本比率 | 17% | ||||
有利子負債比率 | 318% | ||||
一家ダイニングプロジェクト(9266)の利益指標 | |||||
H29.3 | H29.9 | 予想 | |||
ROE | 8.0% | 6.0% | 6.0% | ||
ROA | 2.1% | 1.6% | 1.6% | ||
一家ダイニングプロジェクト(9266)の株式数,時価総額の見込み | |||||
上場前発行済株式 | 1,338,000 | 自己株除く | |||
うち売出株数 | 93,000 | 当選枚数 | |||
上場時発行株式 | 196,800 | OA含む | 2,898 | ||
引受価額 | 2,070.0 | 円 | |||
上場時調達見込額 | 407,376 | 千円 | |||
調達後親会社所有者持分 | 953,880 | ||||
上場時増資額/直近純資産 | 75% | ||||
直近株価 | 2,250 | 想定発行価格 | |||
時価総額 | 3,453,300 | 千円 | |||
非支配株主持分 | 0 | ||||
純有利子負債(ipo資金受入後) | 354,696 | ||||
事業価値 | 3,807,996 | ||||
潜在株 | 81,000 | 5.3% | ←潜在株割合 | ||
一家ダイニングプロジェクト(9266)の株価指標 | |||||
指標 | H29.3 | H29.9 | 予想 | ||
EBIT倍率 | 24.2 | 40.1 | 40.1 | ||
EBITDA倍率 | 12.7 | 14.8 | |||
営業利益PER | 23.1 | 38.2 | 38.2 | ||
PER | 47.7 | 63.3 | 63.3 | ||
PBR | 3.8 | ||||
一家ダイニングプロジェクト(9266)における従業員の状況 | |||||
H29.9 | |||||
連結人員 | 209 | 人 | |||
親会社単体人員 | 209 | 人 | |||
親会社単体平均年齢 | 27.6 | 才 | |||
親会社単体平均年収 | 3,967 | 千円 | |||
一人あたり年間粗利(連結) | 18,483 | 千円 | |||
一人あたり年間販管費(連結) | 18,028 | 千円 | |||
一家ダイニングプロジェクト(9266)上場までの資本政策 | |||||
発行日 | 株数 | 発行価格 | 分割考慮 | 割当先 | |
~H2711 | 580 | 設立時~ | |||
H27/11 | 57,420 | 100分割 | |||
H28/3 | 6,000 | 24,500 | 1,225 | DDホールディングス | |
H29/3 | 1,900 | 26,000 | 1,300 | ベクトル | |
H29/5 | 1,000 | 38,000 | 1,900 | サントリー酒販 | |
H29/10 | 1,271,100 | 20分割 | |||
IPO直前計 | 1,338,000 | ||||
IPO時 | 196,800 | 2,250 | ⇒想定発行価格 | ||
IPO後計 | 1,534,800 | 時価総額 | 3,453 | 百万円 | |
分割日 | 分割数 | ||||
H29/10 | 20 | ||||
類似上場会社指標(H29.11.7時点) | |||||
銘柄 | 銘柄コード | PER | PBR | ROE | ROA |
串カツ田中 | 3547 | 104.7 | 16.9 | 22.0 | 7.4 |
鳥貴族 | 3193 | 27.3 | 5.8 | 19.4 | 7.9 |
松屋フーズ | 9887 | 36.2 | 2.1 | 7.9 | 5.0 |
マルシェ | 7524 | 115.1 | 2.1 | 2.0 | 1.2 |
チムニー | 3178 | 14.6 | 1.4 | 10.9 | 6.2 |
銘柄 | 売上(百万) | 営業利益(百万) | 特徴 | ||
串カツ田中 | 3,972 | 316 | 「串カツ田中」単一ブランド | ||
鳥貴族 | 24,509 | 1,595 | 焼き鳥屋「鳥貴族」の単一ブランドを東名阪を中心に展開。 | ||
松屋フーズ | 89,039 | 4,831 | 「牛めし」中心の定食店、全国規模 | ||
マルシェ | 8,813 | 69 | 居酒屋「酔虎伝」「八剣伝」「居心伝」を関西、東海を中心に展開。チムニーが筆頭株主。 | ||
チムニー | 47,786 | 3,629 | 居酒屋「はなの舞」「さかなや道場」を展開、酒販やまやの傘下。 | ||
一家ダイニングプロジェクト(9266) | 5,419 | 157 |