日本水産(1332)、マルハニチロ(1333)、極洋(1301)、ホウスイ(1352)の財務内容及び株価の比較

2016/08/23

企業分析

 水産大手4社の財務内容及び株価を比較した。

 会計処理は4社ともに日本基準であり、アメリカ基準、IFRS基準はない。
 
 また、4社ともに3月決算であり、本日時点で1Q決算発表が終了している。


項目
日本水産(1332)
マルハニチロ(1333)
極洋(1301)
ホウスイ(1352)
経常利益・継続事業税引前利益(年実績)

21十億円
17十億円
2.8十億円
0.6十億円
経常利益・継続事業税引前利益(年予想)

20十億円
(1Q進捗率20)
18十億円
(1 Q進捗率39)
3.3十億円
(1 Q進捗率12)

0.5十億円
(1 Q進捗率43)

支配株主帰属株主資本(直近Q)

85十億円
84十億円
23十億円
5十億円
株主資本/純資産比率

83%
81
100
93
有利子負債

229十億円
281十億円
45十億円
16十億円
自己資本比率

19.4%
17.2%
22.2%
17.2%
時価総額(8/22現在)

127十億円
128十億円
29十億円
9十億円
時価総額/株主資本

1.49
1.52
1.26
1.8
時価総額/経常利益(予想)

6.35
7.11
8.78
18.0
海外依存度

売上31%
売上18
利益47%

売上10%未満
売上10%未満
その他

三菱食品向け12%
増資見込発表



イオンリテール向け売上の23

































【セグメント特徴】

 日本水産:

食品事業(冷凍食品、常温食品、その他加工品の製造及び販売)が売上の48%、利益の49%を占める。

 マルハニチロ:

商事(水産物、畜産品の調達・販売)が売上の51%、海外が利益の47%を占める。

 極洋:

水産商事(水産物の買付及び販売)が売上の50%、利益の56%を占める。

 ホウスイ:

水産食品事業(水産物及びその加工製品の販売、リテールサポート)が売上の93%を占めるのに対し、冷凍倉庫事業(水産物等の冷蔵保管)が利益の71%を占める。水産食品事業は売先がイオン等であり利幅が非常に小さく倉庫事業で利益を稼いでいる。


【分析結果】

 全体として有利子負債が重く自己資本比率が20%程度と低い業種である。

 8/19に日水が増資発表を行ったため9月に17億円程度株主資本が増加する見込みである。

 これにより、日本水産はマルハよりもさらに自己資本の改善が図られ財務安定性も上がる見通しである。
 自己資本比率の低さはマルハも日水と同様であるためマルハは日本水産の増資への動きに対して何らかの反応があるかもしれない。

【株価水準】
 日本水産とマルハニチロはPBRも時価総額/経常利益もほぼ同水準であり株価としては収益性の観点からも自己資本水準からも同程度に評価されている。
 この点マルハニチロは1Qの利益進捗率が39%と日本水産よりも良好であるため若干の割安感がある。

 ホウスイは他の3社と比べるとPBR、時価総額/経常利益の指標からは株価としては高めに評価されていると言えるのではないか。