エンプラス(6961)の財務内容及び株価分析

2016/08/26

企業分析

 エンプラス(6961)は適時開示情報として7/14に埼玉土地の売却により14億円の特別利益を計上すること、8/25には特許訴訟引当金の戻入として特別利益8.3億円を計上することを公表した。

 また、7/20には第1Q決算を発表している。売上高は前年比21%マイナスの7.6十億円、経常利益は前年比71%マイナスの0.8十億円であり減収減益となっている。エンプラ事業、半導体機器事業、オプト事業の全ての事業で円高の影響、生産調整の影響等により減益となった。

 一方、貸借対照表項目に関して純資産額は45十億円であり自己資本比率も89%と非常に高く、また、現預金23十億円、有利子負債もほとんどなく財務安定性は高い。1Qで計上されていた訴訟損失引当金1.2十億円も上記の通り取り崩し見込である。

 年間損益予想は、経常利益5十億円(前年比▲49%)、親会社帰属利益は3.4十億円(前年比▲39%)である。

エンプラスが実施している事業の内容は以下である。

エンプラ事業:OA・情報通信・音響映像機器、計器、住宅機器、自動車機器、バイオ関連製品
半導体機器事業:各種ICテスト用ソケット、バーンインソケット
オプト事業:光通信デバイス、LED用拡散レンズ

 上記3事業のうち「オプト事業」が最も利益を捻出しており、営業利益の75%を占める。

オプト事業の主要な売り先は藤光樹脂株式会社であり、オプト事業売上の8割を占める。

海外売上依存度は84%と非常に高く、特に韓国向けが39%と高い。



 平成24年3月期~平成26年3月期までは増収増益が継続していたものの、平成27年3月期、平成28年3月期では売上横ばいだが利益は減少傾向にある。また、平成29年3月期の見込みでは経常利益は28年3月期の半分程度に落ち込む見込みであり、1Q進捗率も16%程度と苦戦している。

 足元の収益性は悪化しているが、訴訟リスクも確定し戻入利益も計上され財務内容は安定しているため安心感は出てきた。
 

 時価総額51十億円(8/25現在)であり、PBRは1.1、時価総額/経常利益(予想)は10.2である。