太陽誘電(6976)の財務内容と株価分析

2016/08/27

企業分析

 Bluetooth、Iot銘柄として知られる太陽誘電(6976)の財務内容と株価を分析した。


【事業の内容】

 コンデンサ、フェライト及び応用製品、複合デバイス等の電子部品を製造販売する電子部品事業を実施。

 国内外の製造関係会社へ材料半税品を供給し、国内外のセットメーカー及び販売関係会社へ販売及び供給している。

 海外向け売上は90%あり、特に中国、香港向けが全体の57%と高い。
 一方、有形固定資産保有について海外が37%であり、特に中国、マレーシアの割合が高い。

 また、売上の10%を占める先はなく売上先は分散していると考えられる。

 従業員数はグループ全体で18,810人、平均年齢は42.5歳、平均年収は7.1百万円である。

 研究開発費は9十億円(平成28年3月期)であり電子部品の「スマート商品」(高品質で環境負荷の低減を実現)の開発を行っている。

 143千株のストックオプション未行使残(権利行使1円)あるが、発行済株式が117,817千株であり0.1%程度の割合である。


【損益分析】

 決算期は3月期であり直近決算期である平成28年3月期は前年比で増収、増益の決算となった。
28/3期の売上高は240十億円、経常利益は22十億円である。

 28/6の1Q決算では、売上高▲5.4%、経常利益▲84%と前年比マイナスとなった。
 29/3期の年間予想も売上225十億円、経常利益9十億円、親会社帰属利益は4十億円とマイナス予想である。


【貸借対照表分析】

 転換社債型新株予約権付社債が20十億円(転換価格は2,066円)あり。ちなみに現在の株価は1,000円程度である。

 繰延税金資産における評価性引当金が17十億円(大部分は繰越欠損金見合と考えられる)と多額である。税金資産計上は0.9十億円である。(平成28年3月時点)

 28/6時点では総資産254十億円(うち有形固定資産105十億円、現預金41十億円、売上債権45十億円、在庫48十億円)、総負債112十億円(うち有利子負債53十億円)、純資産143十億円(ほぼ支配株主持分)である。


【株価分析】

 8/26(10:30)時点での時価総額は112十億円であり、PBRは0.78、PERは29年3月期予想で28倍、28年3月期実績で7.5倍となっている。

 本年度の減益を一時的なものと考えるか否かで割安感、割高感も変わってくる。