さが美(8201)公開買付に対し賛同意見表明

2016/08/17

企業分析

 8/17のさが美(8201)の適時開示書類において投資会社からのTOBに賛同する旨が公表された。

 投資会社はノンコア事業からの撤退の観点からユニー(8270)が保有する株式21,994千株(55.49%)のすべてを取得することを目的として公開買付を実施するとのこと。
当該買付後も上場は維持される見込みである。

 さが美はきもの事業を展開しているもののここ5年間で売上は25十億円から20十億円程度まで下落し、経常損失も3~5億円程度継続して計上されていたが、直近の平成28年2月期は55百万円の損失まで縮小した。

 今期(平成29年2月期)においては299百万円の経常利益を計上する見込みであるが、第1Qでは342百万円の経常赤字となっていた。

 直近Qにおける貸借対照表に関して、純資産4,243百万円(自己資本比率34%)、有利子負債(短期借入金)が3,800百万円であった。
時価総額(80円/株前提)は3,267百万円であり、PBRは0.77の水準である。

 公開買付価格は56円で、本日終値80円と比較すると30%のディスカウントである。

 さらに、ユニーがさが美に対して保有している債権34億円のうち16億円を債権放棄する条件つきである。

 直近純資産額が42億円であるとすると、法人税の負担はあるものの債務免除益16億円の計上により大幅な財務内容の改善につながる見込である。

 投資会社は債権放棄後の18億円も取得する予定なので、株式取得額21,994千×56円+債権分18億円=30億円の資金が必要となる。

 なお、買付予定以上の応募が合った場合には按分計算により買付株数が決定し、按分によりユニー保有株が残存した場合には市場で売却される。
 
一方ユニー(8270)では連結損益計算書上に9億円の関係会社株式売却損と16億円の債権放棄損が計上される。