年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用と厚生年金収支結果

2016/08/07

経済

年度の外部環境はポートフォリオ対象としている運用先のうち、国内債券、国内株式が期首(平成27年4月1日)を100とした場合に102程度であったが、外国債券は98程度、外国株式が96程度であった。

GPIFの資産ポートフォリオは国内株式22%、外国株式が25%、外国債券が13%、国内債券が38%であり国内国際の保有割合が大きいことから平成27年度における外部環境としての市況は悪くはなかったと判断できる。国内株式ではトヨタ株を最も保有しており、外国株式ではapple株を最も保有している。

27年度の運用結果は△3.81%、金額にすると△5.3兆円であった。日経平均株価の平成26年3月末が19,206円で平成27年3月末が16,758円と大幅に下落していること、円高が進んでいることを考慮すると△3.81%という運用成績は悪くはないのではないだろうか。
一方、過去15年累計では+2.7%、金額にすると+45.4兆円であった。財政計算上の前提が0.2%程度なので過去実績を長期的に見ると積極運用による実績は十分に出ていると言える。年金の運用の性格上、単年度の業績により成否を判断することはふさわしくない。

一方、8/5に厚生労働省から平成27年度の「厚生年金・国民年金の平成 27 年度収支決算の概要」が公表された。
歳入が45.1兆円、歳出が42.9兆円と2.3兆円の歳入超過となった。ただし、歳出額は前年と比べて3.3兆円増加(基礎年金への繰入820十億円や年金受給者の増加が要因123十億円)しており今後も増加することが見込める。
なお、上記歳入超過分は積立金へ組み入れられていた。