【損益】
H27.3期は売上総利益、営業利益は直近決算と比較すると好調であったものの、固定資産関連の費用が多額となり結果支配株主帰属利益は大幅なマイナスとなり赤字となった。
H28.3期は平均ドル円レートが120.14円と円安で推移したものの、売上総利益、営業利益段階では前年に及ばなかった。しかし、減損等の固定資産関連損失が前年ほどなかったために支配株主利益は黒転している。
H29.3期は現在1Q決算が公表された段階であるが売上総利益、営業利益、EBITDAともに進捗率は21~22%と順調ではない。支配株主帰属利益の年間予測が130,000百万円と前期比大幅増加を見込んでいるため2~4Qでの急速な回復が必要不可欠である。予想に対して1Q時点での進捗率は17%にとどまる。
【キャッシュフロー】
過去2期+当期において安定して営業CFを捻出している。
H27.3期は投資キャッシュフローが△399十億円であり営業CFを超えた投資を実施した。その結果フリー伽主フローはマイナスとなった。H28.3期は比較的投資を抑えたためフリーCFは大幅なプラスとなった。
また、H28.3期は営業利益では前期比マイナスとなったが、営業CFでは前期比大幅なプラスとなっている。理由は棚卸資産の減少が148十億円、営業債権の減少が174十億円となったこと等である。ただし、円高によりドル建て債権、在庫の円建て債権、在庫金額が目減りしたことも要因としては考えられる。
【財務】
ネット流動資産(流動資産-流動負債)、有利子負債、固定資産、固定負債ともに、H28.3期、H28.6期にかけて大幅な減少傾向にある。もっとも大きな要因は円高による円建財務数値の目減りである。H27.3のドル円レートは120.38円、H28.3は113.03円、H28.6は105.72円とそれぞれ7円程度の下落幅となった。
この円高により資産負債へインパクトを与える為替換算額はH28.3期は△170十億、H28.6期は△163十億円である。
これは親会社所有者持分へ与えるインパクトとしては大きく、H28.3期は7.5%、H28.6期は7.9%にも上る。つまり、ドル円1円の動きに対して親会社所有者持分が1%程度変動する計算になる。
もちろん、為替変動が損益に与える影響もそれ以上にある点留意すべきである。
【株価】
9/3現在で時価総額は1,406十億円である。
予想PERは10.8倍、実績PERは18.8倍であるが、1Qの進捗率を見ると予想PERの前提は厳しいと見ることができるかもしれない。
企業価値の前提として時価総額1,406十億円+ネット有利子負債2,665十億円+非支配株主持分135十億円=4,206十億円とすると、EV/EBITDA(実績)、EV/EBIT(予想)はそれぞれ16.4倍、32.1倍となる。
H27.3期は売上総利益、営業利益は直近決算と比較すると好調であったものの、固定資産関連の費用が多額となり結果支配株主帰属利益は大幅なマイナスとなり赤字となった。
H28.3期は平均ドル円レートが120.14円と円安で推移したものの、売上総利益、営業利益段階では前年に及ばなかった。しかし、減損等の固定資産関連損失が前年ほどなかったために支配株主利益は黒転している。
H29.3期は現在1Q決算が公表された段階であるが売上総利益、営業利益、EBITDAともに進捗率は21~22%と順調ではない。支配株主帰属利益の年間予測が130,000百万円と前期比大幅増加を見込んでいるため2~4Qでの急速な回復が必要不可欠である。予想に対して1Q時点での進捗率は17%にとどまる。
【キャッシュフロー】
過去2期+当期において安定して営業CFを捻出している。
H27.3期は投資キャッシュフローが△399十億円であり営業CFを超えた投資を実施した。その結果フリー伽主フローはマイナスとなった。H28.3期は比較的投資を抑えたためフリーCFは大幅なプラスとなった。
また、H28.3期は営業利益では前期比マイナスとなったが、営業CFでは前期比大幅なプラスとなっている。理由は棚卸資産の減少が148十億円、営業債権の減少が174十億円となったこと等である。ただし、円高によりドル建て債権、在庫の円建て債権、在庫金額が目減りしたことも要因としては考えられる。
【財務】
ネット流動資産(流動資産-流動負債)、有利子負債、固定資産、固定負債ともに、H28.3期、H28.6期にかけて大幅な減少傾向にある。もっとも大きな要因は円高による円建財務数値の目減りである。H27.3のドル円レートは120.38円、H28.3は113.03円、H28.6は105.72円とそれぞれ7円程度の下落幅となった。
この円高により資産負債へインパクトを与える為替換算額はH28.3期は△170十億、H28.6期は△163十億円である。
これは親会社所有者持分へ与えるインパクトとしては大きく、H28.3期は7.5%、H28.6期は7.9%にも上る。つまり、ドル円1円の動きに対して親会社所有者持分が1%程度変動する計算になる。
もちろん、為替変動が損益に与える影響もそれ以上にある点留意すべきである。
【株価】
9/3現在で時価総額は1,406十億円である。
予想PERは10.8倍、実績PERは18.8倍であるが、1Qの進捗率を見ると予想PERの前提は厳しいと見ることができるかもしれない。
企業価値の前提として時価総額1,406十億円+ネット有利子負債2,665十億円+非支配株主持分135十億円=4,206十億円とすると、EV/EBITDA(実績)、EV/EBIT(予想)はそれぞれ16.4倍、32.1倍となる。
(単位:百万円) | H27.3 | H28.3 | 増減 | H28.6 | 進捗/増減 |
売上総利益 | 952,941 | 894,057 | △58,884 | 197,345 | 22% |
販管費 | 755,190 | 762,724 | 7,534 | 170,894 | 22% |
営業利益 | 197,751 | 131,333 | △66,418 | 26,451 | 20% |
減価償却費 | 117,687 | 125,076 | 7,389 | 28,491 | 23% |
EBITDA | 315,438 | 256,409 | △59,029 | 54,942 | 21% |
支配株主帰属利益 | △73,170 | 74,546 | 147,716 | 22,660 | 30% |
年予想 | 130,000 | 17% | |||
営業CF | 243,695 | 599,708 | 356,013 | 119,631 | 20% |
投資CF | △399,586 | △85,448 | 314,138 | △48,977 | 57% |
フリーCF | △155,891 | 514,260 | 670,151 | 70,654 | 14% |
現預金 | 895,875 | 868,755 | △27,120 | 817,206 | △51,549 |
定期預金 | 7,866 | 11,930 | 4,064 | 11,509 | △421 |
有価証券(流動) | 9,622 | 4,748 | △4,874 | 4,167 | △581 |
現金同等物 | 913,363 | 885,433 | △27,930 | 832,882 | △52,551 |
流動資産ー流動負債 | 1,469,064 | 1,266,953 | △202,111 | 1,161,527 | △105,426 |
有利子負債(流動) | 947,997 | 737,457 | △210,540 | 737,361 | △96 |
有利子負債(固定) | 3,473,280 | 2,913,486 | △559,794 | 2,760,668 | △152,818 |
有利子負債計 | 4,421,277 | 3,650,943 | △770,334 | 3,498,029 | △152,914 |
ネット有利子負債 | 3,507,914 | 2,765,510 | △742,404 | 2,665,147 | △100,363 |
固定資産 | 5,072,686 | 4,430,746 | △641,940 | 4,176,086 | △254,660 |
固定負債 | 3,924,500 | 3,305,754 | △618,746 | 3,136,751 | △169,003 |
純資産 | 2,617,250 | 2,391,945 | △225,305 | 2,200,862 | △191,083 |
非支配株主持分 | 135,818 | 140,436 | 4,618 | 135,445 | △4,991 |
親会社所有者持分 | 2,481,432 | 2,251,509 | △229,923 | 2,065,417 | △186,092 |
為替換算差額(包括利益計算書) | 163,746 | △170,348 | △334,094 | △163,248 | |
ドル/円年平均 | 120.14 | 108.25 | |||
ドル/円決算月平均 | 120.38 | 113.03 | 105.72 |