【損益】
H28.3期は売上総利益、営業利益はそれぞれ270十億円、132十億円増加したものの支配株主帰属利益は194十億円減少した。
有利子負債増加による財務費用が増加し366十億円から440十億円となったこと、前年度に計上した持分変動利益599十億円(アリババがニューヨーク証券取引所に上場したことにより時価で新株発行されたため)が14十億円へ減少したためである。
なお、H28.3 期に計上された持分法投資損益375十億円の大部分はアリババに関するものであるためH29.3期は大幅に減少する見込みとなる。なお、H28.3時点でのアリババ持分簿価は1,201十億円に対し、市場価格は7,103十億円であり含み益は6兆円近くに上る。
H28.6期は売上総利益の進捗率は前年比で24%、営業利益の進捗率は33%、支配株主帰属利益の進捗率は54%と順調に推移している。
支配株主帰属利益が良好であった理由としてアリババ株の一部売却による関係会社株式売却益204十億円の計上がある。
また、H28.6期は非継続事業からの純利益が60百万円あった。ガンホー、スーパーセル関連の損益である。
【キャッシュフロー】
H27.3期、H28.3期ともに営業CFを超える投資を行ったためフリーキャッシュフローのマイナスはそれぞれ512十億円、711十億円に膨らんだ。当該フリーキャッシュフローのマイナスはH27.3期は有利子負債の増加で対応し、H28.3期は有利子負債の増加は少額であるが現預金の支出で対応した。
H28.6期は第1Qでもあることから投資は大きく実施されていない。しかし、ARM社買収(3.3兆円)があれば今年度も大規模な投資により投資CFは大幅なマイナスとなることが予想される。
財務CFは継続してプラスとなっており有利子負債は増加傾向にある。しかし、H28.6期は純投資額が少なかった(アリババ株一部の売却収入あり)ため調達分をキャッシュで保有しておりネット有利子負債は下落した。
【財政状態】
ネット有利子負債はH28.3期は前期比で1,004十億円の増加であったが、H28.6期は直近期比で212十億円の削減となった。
純資産の親会社所有者持分はH28.3期、H28.6期においてそれぞれ232十億円、199十億円の減少が続いている。支配株主帰属利益がプラスであるにも関わらず円高進行により円建てで算出される持分が毀損して見えるためである。
決算月平均ドル円レートと比較すると、H27.3期120.38円/ドル⇒H28.3期 113.03円/ドル⇒H28.6期 105.72 円/ドルとそれぞれ7.3円程度の円高進行となっているが、包括利益計算書における為替換算差額はそれぞれ▲289十億円、▲356十億円であり1円レートが上がるごとに40~50十億円の純資産へのマイナスインパクトが生じていると見ることができる。
また、ソフトバンクは為替レートおよび金利の変動によるリスクをヘッジするため、先物為替予約および通貨スワップなどのデリバティブ取引を利用しておりヘッジ対象となったデリバティブの評価損益も包括利益計算書に「キャッシュフローヘッジ」として反映されている。H28.3期、H28.6期ともにそれぞれ▲31十億円、▲18十億円の純資産へのインパクトとなった。
【株価】
9/2時点での時価総額は8,247,334百万円である。
現時点では業績予想を行っていないため直近期実績の指標でみるとPERは17.4倍、EBIT倍率は16.9倍、EBITDA倍率は7.4倍である。
ソフトバンクの財務指標の特徴はROEが20%近くと非常に高い点である。一方、ROAは2~3%と上場他社と比べて高いわけではない。これは直近Qにおける有利子負債が12,372十億円に対して純資産が3,271十億円と少額であり負債レバレッジが効いていることが要因である。
減価償却を超える積極的な投資を継続して行っているものの、本業以外の株式投資による売却、損益に依存している割合が高い。本業の指標としての営業利益の伸びをARM社買収により実現できればさらなる規模拡大、株価の上昇が見込めるのではないか。
H28.3期は売上総利益、営業利益はそれぞれ270十億円、132十億円増加したものの支配株主帰属利益は194十億円減少した。
有利子負債増加による財務費用が増加し366十億円から440十億円となったこと、前年度に計上した持分変動利益599十億円(アリババがニューヨーク証券取引所に上場したことにより時価で新株発行されたため)が14十億円へ減少したためである。
なお、H28.3 期に計上された持分法投資損益375十億円の大部分はアリババに関するものであるためH29.3期は大幅に減少する見込みとなる。なお、H28.3時点でのアリババ持分簿価は1,201十億円に対し、市場価格は7,103十億円であり含み益は6兆円近くに上る。
H28.6期は売上総利益の進捗率は前年比で24%、営業利益の進捗率は33%、支配株主帰属利益の進捗率は54%と順調に推移している。
支配株主帰属利益が良好であった理由としてアリババ株の一部売却による関係会社株式売却益204十億円の計上がある。
また、H28.6期は非継続事業からの純利益が60百万円あった。ガンホー、スーパーセル関連の損益である。
【キャッシュフロー】
H27.3期、H28.3期ともに営業CFを超える投資を行ったためフリーキャッシュフローのマイナスはそれぞれ512十億円、711十億円に膨らんだ。当該フリーキャッシュフローのマイナスはH27.3期は有利子負債の増加で対応し、H28.3期は有利子負債の増加は少額であるが現預金の支出で対応した。
H28.6期は第1Qでもあることから投資は大きく実施されていない。しかし、ARM社買収(3.3兆円)があれば今年度も大規模な投資により投資CFは大幅なマイナスとなることが予想される。
財務CFは継続してプラスとなっており有利子負債は増加傾向にある。しかし、H28.6期は純投資額が少なかった(アリババ株一部の売却収入あり)ため調達分をキャッシュで保有しておりネット有利子負債は下落した。
【財政状態】
ネット有利子負債はH28.3期は前期比で1,004十億円の増加であったが、H28.6期は直近期比で212十億円の削減となった。
純資産の親会社所有者持分はH28.3期、H28.6期においてそれぞれ232十億円、199十億円の減少が続いている。支配株主帰属利益がプラスであるにも関わらず円高進行により円建てで算出される持分が毀損して見えるためである。
決算月平均ドル円レートと比較すると、H27.3期120.38円/ドル⇒H28.3期 113.03円/ドル⇒H28.6期 105.72 円/ドルとそれぞれ7.3円程度の円高進行となっているが、包括利益計算書における為替換算差額はそれぞれ▲289十億円、▲356十億円であり1円レートが上がるごとに40~50十億円の純資産へのマイナスインパクトが生じていると見ることができる。
また、ソフトバンクは為替レートおよび金利の変動によるリスクをヘッジするため、先物為替予約および通貨スワップなどのデリバティブ取引を利用しておりヘッジ対象となったデリバティブの評価損益も包括利益計算書に「キャッシュフローヘッジ」として反映されている。H28.3期、H28.6期ともにそれぞれ▲31十億円、▲18十億円の純資産へのインパクトとなった。
【株価】
9/2時点での時価総額は8,247,334百万円である。
現時点では業績予想を行っていないため直近期実績の指標でみるとPERは17.4倍、EBIT倍率は16.9倍、EBITDA倍率は7.4倍である。
ソフトバンクの財務指標の特徴はROEが20%近くと非常に高い点である。一方、ROAは2~3%と上場他社と比べて高いわけではない。これは直近Qにおける有利子負債が12,372十億円に対して純資産が3,271十億円と少額であり負債レバレッジが効いていることが要因である。
減価償却を超える積極的な投資を継続して行っているものの、本業以外の株式投資による売却、損益に依存している割合が高い。本業の指標としての営業利益の伸びをARM社買収により実現できればさらなる規模拡大、株価の上昇が見込めるのではないか。
(単位:百万円) | H27.3 | H28.3 | 増減 | H28.6 | 進捗/増減 |
売上総利益 | 3,256,158 | 3,526,897 | 270,739 | 859,248 | 24% |
販管費 | 2,309,770 | 2,447,598 | 137,828 | 507,841 | 21% |
営業利益 | 946,388 | 1,079,299 | 132,911 | 351,407 | 33% |
年予想 | NA | #VALUE! | |||
減価償却費 | 1,122,531 | 1,401,329 | 278,798 | 345,392 | 25% |
EBITDA | 2,068,919 | 2,480,628 | 411,709 | 696,799 | 28% |
支配株主帰属利益 | 668,361 | 474,172 | △194,189 | 254,157 | 54% |
年予想 | NA | #VALUE! | |||
営業CF | 1,155,174 | 940,186 | △214,988 | 252,734 | 27% |
投資CF | △1,667,271 | △1,651,682 | 15,589 | △154,840 | 9% |
フリーCF | △512,097 | △711,496 | △199,399 | 97,894 | -14% |
財財務CF | 1,719,923 | 43,270 | △1,676,653 | 679,598 | 1571% |
現預金 | 3,258,653 | 2,569,607 | △689,046 | 3,231,299 | 661,692 |
定期預金(流動) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
有価証券(流動) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
現金同等物 | 3,258,653 | 2,569,607 | △689,046 | 3,231,299 | 661,692 |
流動資産 | 5,957,920 | 5,550,269 | △407,651 | 6,567,728 | 1,017,459 |
流動負債 | 4,672,486 | 5,165,771 | 493,285 | 4,805,882 | △359,889 |
流動資産ー流動負債 | 1,285,434 | 384,498 | △900,936 | 1,761,846 | 1,377,348 |
うち現金短借以外 | △155,804 | 461,500 | 617,304 | 1,097,275 | 635,775 |
有利子負債(流動) | 1,817,415 | 2,646,609 | 829,194 | 2,566,728 | △79,881 |
有利子負債(固定) | 9,789,829 | 9,275,822 | △514,007 | 9,805,287 | 529,465 |
有利子負債計 | 11,607,244 | 11,922,431 | 315,187 | 12,372,015 | 449,584 |
ネット有利子負債 | 8,348,591 | 9,352,824 | 1,004,233 | 9,140,716 | △212,108 |
固定資産 | 15,076,249 | 15,156,923 | 80,674 | 14,054,501 | △1,102,422 |
固定負債 | 12,508,506 | 12,036,150 | △472,356 | 12,544,351 | 508,201 |
純資産 | 3,853,177 | 3,505,271 | △347,906 | 3,271,996 | △233,275 |
非支配株主持分 | 1,006,871 | 891,658 | △115,213 | 857,928 | △33,730 |
親会社所有者持分 | 2,846,306 | 2,613,613 | △232,693 | 2,414,068 | △199,545 |
ROE | 23.5% | 18.1% | 42.1% | ||
ROA | 3.2% | 2.3% | 4.9% | ||
為替換算差額/包括 | 409,596 | △289,735 | △699,331 | △356,970 | |
CFヘッジ/包括 | 12,862 | △31,992 | △44,854 | △18,556 | |
ドル/円年平均 | 120.14 | 108.25 | |||
ドル/円決算月平均 | 120.38 | 113.03 | △7.35 | 105.72 | △7.31 |