【事業】
ファーストリテイリングは衣料品の販売を行い、国内ユニクロ事業 海外、ユニクロ事業 、グローバルブランド事業 の3つのセグメントで事業を実施している。国内ユニクロ事業 海外ユニクロ事業 グローバルブランド事業
H26.8期からH28.8期にかけて3セグメントともに増収を継続している。特に海外ユニクロ事業の伸びが大きく、H28.8期では売上の37%、セグメント利益の25%を占めるまでになった。
H28.8期は全てのセグメントで売上が増加したが、全てのセグメント利益でマイナスとなっている。
株主構成は金融機関が25%と比較的高い。
従業員数はH27.8時点でグループ全体だと41千人と前年比11千人急激に増加している。
【損益】
ファーストリテイリングのH28.8期は売上、売上総利益は増収増益となったもののの、販管費が31十億円増加、その他費用が17十億円増加、金融費用が前年の1十億円から39十億円と大幅に増加したために最終利益は前年比マイナス56%の48十億円へ落ち込んだ。
売上、粗利以上にコスト負担が生じたため結果として利益が大幅に減少した結果となった。
利益指標を見ても粗利額は前年比増加したものの粗利率は50%を切る水準に悪化した。営業利益率も10%を切り、最終利益率も2.7%に落ち込んでいる。
H29.8期予想においても、営業利益率は10%以下の9.5%で予想されており、最終利益率は5.4%とH28.8期よりは回復すると見ている。
また、ファーストリテイリングの包括利益計算書において在外営業活動体の換算差額が▲43十億円、キャッシュ・フロー・ヘッジが▲150十億円となっており、急激な円高により為替ヘッジ目的のデリバティブ(為替予約)がマイナスの含み損を保有していることが予想される。
為替予約についてはデリバティブ目的のものについては損益として認識され、有効なキャッシュフローヘッジ部分については包括利益計算書に計上されるとのことである。
【キャッシュフロー】
ファーストリテイリングの営業CFは安定してプラスで推移しているものの、H27.8期、H28.8期と在庫増加によるマイナスがそれぞれ29十億円、34十億円と大きく在庫の増加がCFに与える影響が継続して大きくなっている。
H28.8期の投資CFが大きくマイナスとなっているが定期預金の増加が186十億円あるためである。社債の発行により得た資金を定期預金へ預け入れているのであろう。
H28.8期において財務CFが201十億円のプラスとなっている要因は社債発行による収入249十億円があるためである。
【財政状態】
ファーストリテイリングの流動資産はH28.8期は前期比で50十億円増加しているが「その他短期金融資産」が162十億円増加し、「デリバティブ金融資産」が156十億円減少している。
その他金融資産は社債により調達した資金を定期預金へ預け入れたものと考えられ、デイリバティブ金融資産の減少は円高による為替予約(キャッシュフローヘッジ目的)の含み損が膨らんだためだと考えられる。
固定資産についてはH28.8期は前年比24十億円増加した。のれんの減少10十億円、無形資産の減少が6十億円あったものの、持分法投資13十億円の増加、繰延税金資産が33十億円増加している。
流動負債はH28.8期に45十億円増加しているが、デリバティブ金融負債の増加72十億円、未払法人税の減少27十億円が要因である。
固定負債の増加、有利子負債の増加は社債の発行による増加である。
なお、社債の発行はH27年12月に公表されたように、1回~4回に分けて総額250十億円の社債が発行されている。金利は0.11%(3年債)~0.749%(10年債)のレンジである。ROA(予想ベース)が8.1%と比較的高い点からは社債発行によるレバレッジは十分に効いているといえる。
また、社債発行後であってもネット有利子負債はマイナスであり資金余剰ではある。
予想数値前提ではROEが17.4%、ROAが8.1%と比較的高めである。
直近決算期での自己資本比率は48%であるが有利子負債比率は48%である。負債のうち仕入債務の割合が高いため自己資本比率は低めである。
【株価】
ファーストリテイリングの株価はH26.8 末で32,550円、H27.8末で29,265円、H28.8末で36,340円で推移している。
それぞれの時点での実績利益に基づくPERはH26.8基準で44.6倍、H27.8期基準で45.7倍、H28.8期基準で77倍、直近株価に基づく予想利益前提のPERは35.5倍となっている。
H28.8期実績利益に基づくPER77倍は臨時コストを加味しての数値であると考えると、従来45倍程度のPERが予想利益に基づくPERでは35倍と従来と比べて将来的な期待感が薄まった株価となっている。
EBIT倍率は20倍前後、EBITDA倍率も直近実績で17.5倍と将来性を期待された株価水準となっている。
PBRが高水準である理由は将来性を加味された株価であることもあるが、ROEが高水準であることも加味されている。
ファーストリテイリングは衣料品の販売を行い、国内ユニクロ事業 海外、ユニクロ事業 、グローバルブランド事業 の3つのセグメントで事業を実施している。国内ユニクロ事業 海外ユニクロ事業 グローバルブランド事業
H26.8期からH28.8期にかけて3セグメントともに増収を継続している。特に海外ユニクロ事業の伸びが大きく、H28.8期では売上の37%、セグメント利益の25%を占めるまでになった。
H28.8期は全てのセグメントで売上が増加したが、全てのセグメント利益でマイナスとなっている。
株主構成は金融機関が25%と比較的高い。
従業員数はH27.8時点でグループ全体だと41千人と前年比11千人急激に増加している。
【損益】
ファーストリテイリングのH28.8期は売上、売上総利益は増収増益となったもののの、販管費が31十億円増加、その他費用が17十億円増加、金融費用が前年の1十億円から39十億円と大幅に増加したために最終利益は前年比マイナス56%の48十億円へ落ち込んだ。
売上、粗利以上にコスト負担が生じたため結果として利益が大幅に減少した結果となった。
利益指標を見ても粗利額は前年比増加したものの粗利率は50%を切る水準に悪化した。営業利益率も10%を切り、最終利益率も2.7%に落ち込んでいる。
H29.8期予想においても、営業利益率は10%以下の9.5%で予想されており、最終利益率は5.4%とH28.8期よりは回復すると見ている。
また、ファーストリテイリングの包括利益計算書において在外営業活動体の換算差額が▲43十億円、キャッシュ・フロー・ヘッジが▲150十億円となっており、急激な円高により為替ヘッジ目的のデリバティブ(為替予約)がマイナスの含み損を保有していることが予想される。
為替予約についてはデリバティブ目的のものについては損益として認識され、有効なキャッシュフローヘッジ部分については包括利益計算書に計上されるとのことである。
【キャッシュフロー】
ファーストリテイリングの営業CFは安定してプラスで推移しているものの、H27.8期、H28.8期と在庫増加によるマイナスがそれぞれ29十億円、34十億円と大きく在庫の増加がCFに与える影響が継続して大きくなっている。
H28.8期の投資CFが大きくマイナスとなっているが定期預金の増加が186十億円あるためである。社債の発行により得た資金を定期預金へ預け入れているのであろう。
H28.8期において財務CFが201十億円のプラスとなっている要因は社債発行による収入249十億円があるためである。
【財政状態】
ファーストリテイリングの流動資産はH28.8期は前期比で50十億円増加しているが「その他短期金融資産」が162十億円増加し、「デリバティブ金融資産」が156十億円減少している。
その他金融資産は社債により調達した資金を定期預金へ預け入れたものと考えられ、デイリバティブ金融資産の減少は円高による為替予約(キャッシュフローヘッジ目的)の含み損が膨らんだためだと考えられる。
固定資産についてはH28.8期は前年比24十億円増加した。のれんの減少10十億円、無形資産の減少が6十億円あったものの、持分法投資13十億円の増加、繰延税金資産が33十億円増加している。
流動負債はH28.8期に45十億円増加しているが、デリバティブ金融負債の増加72十億円、未払法人税の減少27十億円が要因である。
固定負債の増加、有利子負債の増加は社債の発行による増加である。
なお、社債の発行はH27年12月に公表されたように、1回~4回に分けて総額250十億円の社債が発行されている。金利は0.11%(3年債)~0.749%(10年債)のレンジである。ROA(予想ベース)が8.1%と比較的高い点からは社債発行によるレバレッジは十分に効いているといえる。
また、社債発行後であってもネット有利子負債はマイナスであり資金余剰ではある。
予想数値前提ではROEが17.4%、ROAが8.1%と比較的高めである。
直近決算期での自己資本比率は48%であるが有利子負債比率は48%である。負債のうち仕入債務の割合が高いため自己資本比率は低めである。
【株価】
ファーストリテイリングの株価はH26.8 末で32,550円、H27.8末で29,265円、H28.8末で36,340円で推移している。
それぞれの時点での実績利益に基づくPERはH26.8基準で44.6倍、H27.8期基準で45.7倍、H28.8期基準で77倍、直近株価に基づく予想利益前提のPERは35.5倍となっている。
H28.8期実績利益に基づくPER77倍は臨時コストを加味しての数値であると考えると、従来45倍程度のPERが予想利益に基づくPERでは35倍と従来と比べて将来的な期待感が薄まった株価となっている。
EBIT倍率は20倍前後、EBITDA倍率も直近実績で17.5倍と将来性を期待された株価水準となっている。
PBRが高水準である理由は将来性を加味された株価であることもあるが、ROEが高水準であることも加味されている。
ファーストリテイリング(9983) | |||||
(単位:百万円) | H26.8 | H27.8 | 増減 | H28.8 | 進捗/増減 |
売上高 | 1,382,935 | 1,681,781 | 298,846 | 1,786,473 | 106% |
前年Q | 1,681,781 | 106% | |||
年間予想 | 1,850,000 | 97% | |||
売上総利益 | 699,773 | 848,538 | 148,765 | 864,998 | 102% |
販管費 | 549,195 | 671,863 | 122,668 | 702,956 | 105% |
営業利益 | 150,578 | 176,675 | 162,042 | 92% | |
前年Q | 176,675 | 92% | |||
年間予想 | 175,000 | 93% | |||
減価償却費(のれん償却含) | 30,808 | 37,758 | 6,950 | 36,797 | 97% |
EBITDA | 181,386 | 214,433 | 33,047 | 198,839 | 93% |
支配株主帰属利益 | 74,546 | 110,027 | 35,481 | 48,052 | 44% |
前年Q | 110,027 | 44% | |||
年間予想 | 100,000 | 48% | |||
H26.8 | H27.8 | H28.8 | 予想 | ||
売上総利益率 | 50.6% | 50.5% | 48.4% | ||
営業利益率 | 10.9% | 10.5% | 9.1% | 9.5% | |
支配株主帰属利益率 | 5.4% | 6.5% | 2.7% | 5.4% | |
ファーストリテイリング(9983)のキャッシュフロー | |||||
H26.8 | H27.8 | 増減 | H28.8 | 増減 | |
営業CF | 110,595 | 134,931 | 24,336 | 98,755 | 73% |
投資CF | △56,323 | △73,145 | △16,822 | △245,939 | 336% |
フリーCF | 54,272 | 61,786 | 7,514 | △147,184 | -238% |
財務CF | △44,060 | △41,784 | 2,276 | 201,428 | -482% |
ファーストリテイリング(9983)の財政状態 | |||||
H26.8 | H27.8 | 増減 | H28.8 | 増減 | |
現預金 | 314,049 | 355,212 | 41,163 | 385,431 | 30,219 |
定期預金(流動) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
有価証券(流動) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
現金同等物 | 314,049 | 355,212 | 41,163 | 385,431 | 30,219 |
流動資産 | 717,037 | 874,394 | 157,357 | 924,583 | 50,189 |
流動負債 | 273,196 | 292,242 | 19,046 | 338,046 | 45,804 |
流動資産ー流動負債 | 443,841 | 582,152 | 138,311 | 586,537 | 4,385 |
うち現金短借以外 | 142,488 | 242,411 | 99,923 | 213,687 | △28,724 |
有利子負債(流動) | 12,696 | 15,471 | 2,775 | 12,581 | △2,890 |
有利子負債(固定) | 27,604 | 25,513 | △2,091 | 274,090 | 248,577 |
有利子負債計 | 40,300 | 40,984 | 684 | 286,671 | 245,687 |
ネット有利子負債 | △273,749 | △314,228 | △40,479 | △98,760 | 215,468 |
固定資産 | 275,270 | 289,311 | 14,041 | 313,535 | 24,224 |
固定負債 | 83,069 | 96,658 | 13,589 | 302,411 | 205,753 |
純資産 | 636,042 | 774,805 | 138,763 | 597,661 | △177,144 |
非支配株主持分 | 17,660 | 23,867 | 6,207 | 23,159 | △708 |
親会社所有者持分 | 618,382 | 750,938 | 132,556 | 574,502 | △176,436 |
流動比率 | 262% | 299% | 274% | ||
固定長期適合率 | 38% | 33% | 35% | ||
自己資本比率 | 64% | 67% | 48% | ||
有利子負債比率 | 6% | 5% | 48% | ||
ファーストリテイリング(9983)の利益指標 | |||||
H26.8 | H27.8 | H28.8 | 予想 | ||
ROE | 12.1% | 14.7% | 8.4% | 17.4% | |
ROA | 7.5% | 9.5% | 3.9% | 8.1% | |
ROI(営業利益/有利負債+時価) | 4.2% | 4.9% | 4.2% | 4.6% | |
ファーストリテイリング(9983)の過去株価指標分析 | |||||
(単位:円) | H26.8 | H27.8 | H28.8 | 直近 | |
株価 | 32,550 | 49,265 | 36,340 | 34,800 | |
1株営業利益 | 1,475 | 1,731 | 1,587 | ||
1株利益 | 730 | 1,078 | 471 | ||
1株純資産 | 6,058 | 7,356 | 5,628 | ||
営業利益PER | 22.1 | 28.5 | 22.9 | ||
PER | 44.6 | 45.7 | 77.2 | ||
PBR | 5.4 | 6.7 | 6.5 | ||
ファーストリテイリング(9983)の株式数,時価総額の見込み | |||||
発行済株式 | 101,964,153 | 自己株式除く | |||
増資時発行株 | 0 | ||||
引受価額 | 0.0 | 円 | |||
増資時調達見込額 | 0 | 百万円 | |||
調達後親会社所有者持分 | 574,502 | ||||
直近株価 | 34,800 | ||||
時価総額 | 3,548,353 | ||||
非支配株主持分 | 23,159 | ||||
純有利子負債 | △98,760 | ||||
事業価値 | 3,472,752 | ||||
潜在株 | 114,231 | 潜在株割合 | 0.1% | ||
ファーストリテイリング(9983)の株価指標/直近株価前提 | |||||
指標 | H26.8 | H27.8 | H28.8 | 予想 | |
EBIT倍率 | 23.1 | 19.7 | 19.7 | 19.8 | |
EBITDA倍率 | 19.1 | 16.2 | 17.5 | ||
営業利益PER | 23.6 | 20.1 | 21.9 | 20.3 | |
PER | 47.7 | 32.3 | 73.9 | 35.5 | |
PBR | 5.7 | 4.7 | 6.2 | ||
ファーストリテイリング(9983)の株主構成 | |||||
H26.8 | H27.8 | ||||
政府 | 0% | 0% | |||
金融機関 | 23% | 25% | |||
金融商品取引業者 | 9% | 5% | |||
その他法人 | 8% | 8% | |||
外国法人等 | 22% | 24% | |||
個人 | 38% | 38% | |||
ファーストリテイリング(9983)における従業員の状況 | |||||
H26.8 | H27.8 | ||||
連結人員 | 30,448 | 41,646 | 人 | ||
親会社単体人員 | 1,088 | 1,234 | 人 | ||
親会社単体平均年齢 | 37 | 36 | 才 | ||
親会社単体平均年収 | 7,359 | 7,696 | 千円 | ||
ファーストリテイリング(9983)のセグメント別業績 | |||||
売上(百万円) | H26.8 | H27.8 | 増減 | H28.8 | 進捗/増減 |
国内ユニクロ事業 | 715,643 | 780,139 | 64,496 | 799,817 | 103% |
海外ユニクロ事業 | 413,655 | 603,684 | 190,029 | 655,406 | 109% |
グローバルブランド事業 | 251,225 | 295,316 | 44,091 | 328,557 | 111% |
損益(百万円) | H26.8 | H27.8 | 増減 | H28.8 | 進捗/増減 |
国内ユニクロ事業 | 106,650 | 119,651 | 13,001 | 102,462 | 86% |
海外ユニクロ事業 | 32,552 | 42,914 | 10,362 | 37,438 | 87% |
グローバルブランド事業 | △3,661 | 14,362 | 18,023 | 9,520 | 66% |
セグメント | 説明 | ||||
国内ユニクロ事業 | 日本で展開するユニクロ事業(衣料品) | ||||
海外ユニクロ事業 | 海外で展開するユニクロ事業(衣料品) | ||||
グローバルブランド事業 | ジーユー事業、セオリー事業など(衣料品) |