【事業】
KHネオケムは各種石油化学製品の製造・販売を主たる業務とする。
「オキソ技術」と呼ばれる製造方法をコア技術として、さまざまな産業分野に特色ある化学製品を提供している。
事業リスクとして以下がある。
・原材料(ナフサ)の価格変動により販売価格へ転嫁できないリスクや在庫単価リスク
・材料仕入先について特定依存してしまうリスク
・原材料の一部を海外から輸入し製品の一部を海外へ輸出するために生じる為替リスク
・大株主である日本産業パートナーズ㈱が運営するファンドによる株式売却、意思決定への関与リスク
三菱化学、国際協力銀行と合弁会社設立。
年間10億円程度の研究開発を実施。
増資資金の4十億円の使途は2,000百万円を設備投資資金(化粧品製造設備など/四日市、千葉工業)に、残額を子会社であるKHNeochem U.K. Ltd.を通じた曄揚股份有限公司への投融資資金(可塑剤原料等の生産体制構築)に充当する予定。
売上の2割がアジア向けである。
グループ従業員数738人、提出会社平均年齢39.7歳、年収6,837千円。(H28.7時点)
ロックアップは90日間でH29.1.9まで。(ただし個人1名は180日)
【損益】
KHネオケムの業績について過去の推移をみると売上はH27.12 期に大幅減少しているものの利益ベースでは増加した。これはH27.4においてミヤコ化学㈱の全株式を売却し経営の効率化が進んだと判断できる。
製造原価で最も大きい金額は材料費であり8割を超える。(単体数値)
販管費で最も金額が大きい科目は運送費であり、H26.12期、H27.12期はともに3十億円を占める。
H27.12期は特別利益として関係会社株式売却益4.7十億円が計上されている。これにより支配株主利益は7十億円と多額の計上となった。H27.4においてミヤコ化学㈱については、全株式を蝶理へ譲渡したため、平成27年4月30日をもって連結の範囲から除外したとのことである。
H28.6期は売上は前期比進捗率低いにも関わらず売上総利益進捗率は55%と好調である。売上減少は前期はミヤコ化学分が寄与していたこと、売上総利益の確保は原油価格の低位安定が要因とのことである。
H28.6期における最終利益の進捗率が37%と低い理由は上記の通り、前期の特別利益計上があたっためである。
【キャッシュフロー】
KHネオケムのCFについてH28.6期において営業CFがマイナスとなった理由は仕入債務減少4十億円、法人税等の支払いが3十億円あったためである。
H27.12期において投資CFで連結子会社(ミヤコ化学)の売却収入が5十億円あり、財務CFで配当支払いが12十億円と多額に生じている。配当についてはH26.12 期が3十億円、H28.6期が2十億円なのでH27.12 期の配当金は多額であったことが分かる。
投資CFについて毎期減価償却費程度の有形固定資産の取得は実施しているレベルである。
【財政状態】
KHネオケムの貸借対照表において特徴的な部分はなく、流動区分については流動比率は150%を超えており、ネット有利子負債は23十億円と純資産21十億円とほぼちかく適度なレバレッジがきいている。(直近BS日のH28.6時点)
H26.12期からH28.6期にかけてネット有利子負債は2十億円、3十億円と増加傾向にあるが、これは現預金の減少がそれぞれ2十億円、5十億円減少していることと対応しており現預金の減少が目立つ。ただし、上場時の増資資金により十分な対応が図れることは予想される。有利子負債は若干の減少傾向である。
なお、金融機関と財務制限条項があり純資産10十億円制限、2期連続赤字のしばりがある。
【株価】
KHネオケムは10/12にIPO実施し、初値は1,306円と公募価格を5.3%程度下回った。
その後さらに値を下げて終値は1,250円まで落ち込んだ。
KHネオケムのH27.12期利益に基づいたPERが低い理由は特別利益を計上しているためである。ただし、初値・予想ベースのPERも9.5倍と高くない水準である。
H27.12期に実施した組織リストラにより今後どれだけ収益力がアップするかが注目点になると考えられる。
KHネオケムは各種石油化学製品の製造・販売を主たる業務とする。
「オキソ技術」と呼ばれる製造方法をコア技術として、さまざまな産業分野に特色ある化学製品を提供している。
事業リスクとして以下がある。
・原材料(ナフサ)の価格変動により販売価格へ転嫁できないリスクや在庫単価リスク
・材料仕入先について特定依存してしまうリスク
・原材料の一部を海外から輸入し製品の一部を海外へ輸出するために生じる為替リスク
・大株主である日本産業パートナーズ㈱が運営するファンドによる株式売却、意思決定への関与リスク
三菱化学、国際協力銀行と合弁会社設立。
年間10億円程度の研究開発を実施。
増資資金の4十億円の使途は2,000百万円を設備投資資金(化粧品製造設備など/四日市、千葉工業)に、残額を子会社であるKHNeochem U.K. Ltd.を通じた曄揚股份有限公司への投融資資金(可塑剤原料等の生産体制構築)に充当する予定。
売上の2割がアジア向けである。
グループ従業員数738人、提出会社平均年齢39.7歳、年収6,837千円。(H28.7時点)
ロックアップは90日間でH29.1.9まで。(ただし個人1名は180日)
【損益】
KHネオケムの業績について過去の推移をみると売上はH27.12 期に大幅減少しているものの利益ベースでは増加した。これはH27.4においてミヤコ化学㈱の全株式を売却し経営の効率化が進んだと判断できる。
製造原価で最も大きい金額は材料費であり8割を超える。(単体数値)
販管費で最も金額が大きい科目は運送費であり、H26.12期、H27.12期はともに3十億円を占める。
H27.12期は特別利益として関係会社株式売却益4.7十億円が計上されている。これにより支配株主利益は7十億円と多額の計上となった。H27.4においてミヤコ化学㈱については、全株式を蝶理へ譲渡したため、平成27年4月30日をもって連結の範囲から除外したとのことである。
H28.6期は売上は前期比進捗率低いにも関わらず売上総利益進捗率は55%と好調である。売上減少は前期はミヤコ化学分が寄与していたこと、売上総利益の確保は原油価格の低位安定が要因とのことである。
H28.6期における最終利益の進捗率が37%と低い理由は上記の通り、前期の特別利益計上があたっためである。
【キャッシュフロー】
KHネオケムのCFについてH28.6期において営業CFがマイナスとなった理由は仕入債務減少4十億円、法人税等の支払いが3十億円あったためである。
H27.12期において投資CFで連結子会社(ミヤコ化学)の売却収入が5十億円あり、財務CFで配当支払いが12十億円と多額に生じている。配当についてはH26.12 期が3十億円、H28.6期が2十億円なのでH27.12 期の配当金は多額であったことが分かる。
投資CFについて毎期減価償却費程度の有形固定資産の取得は実施しているレベルである。
【財政状態】
KHネオケムの貸借対照表において特徴的な部分はなく、流動区分については流動比率は150%を超えており、ネット有利子負債は23十億円と純資産21十億円とほぼちかく適度なレバレッジがきいている。(直近BS日のH28.6時点)
H26.12期からH28.6期にかけてネット有利子負債は2十億円、3十億円と増加傾向にあるが、これは現預金の減少がそれぞれ2十億円、5十億円減少していることと対応しており現預金の減少が目立つ。ただし、上場時の増資資金により十分な対応が図れることは予想される。有利子負債は若干の減少傾向である。
なお、金融機関と財務制限条項があり純資産10十億円制限、2期連続赤字のしばりがある。
【株価】
KHネオケムは10/12にIPO実施し、初値は1,306円と公募価格を5.3%程度下回った。
その後さらに値を下げて終値は1,250円まで落ち込んだ。
KHネオケムのH27.12期利益に基づいたPERが低い理由は特別利益を計上しているためである。ただし、初値・予想ベースのPERも9.5倍と高くない水準である。
H27.12期に実施した組織リストラにより今後どれだけ収益力がアップするかが注目点になると考えられる。
KHネオケム(4189) | |||||
(単位:百万円) | H26.12 | H27.12 | 増減 | H28.6 | 進捗/増減 |
売上高 | 143,488 | 103,478 | △40,010 | 39,319 | 38% |
年間予想 | 76,100 | 52% | |||
売上総利益 | 13,796 | 16,526 | 2,730 | 9,007 | 55% |
販管費 | 10,990 | 10,265 | △725 | 4,709 | 46% |
営業利益 | 2,806 | 6,261 | 4,298 | 69% | |
年間予想 | 7,500 | 57% | |||
減価償却費 | 4,399 | 4,012 | △387 | 1,613 | 40% |
EBITDA | 7,205 | 10,273 | 3,068 | 5,911 | 58% |
支配株主帰属利益 | 2,604 | 7,712 | 5,108 | 2,884 | 37% |
年間予想 | 5,100 | 57% | |||
KHネオケム(4189)のキャッシュフロー | |||||
営業CF | 11,680 | 6,028 | △5,652 | △692 | -11% |
投資CF | △4,470 | 1,434 | 5,904 | △1,737 | -121% |
フリーCF | 7,210 | 7,462 | 252 | △2,429 | -33% |
財務CF | △7,254 | △9,659 | △2,405 | △2,901 | 30% |
KHネオケム(4189)の財政状態 | |||||
現預金 | 17,887 | 15,036 | △2,851 | 9,645 | △5,391 |
定期預金(流動) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
有価証券(流動) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
現金同等物 | 17,887 | 15,036 | △2,851 | 9,645 | △5,391 |
流動資産 | 59,099 | 43,744 | △15,355 | 36,439 | △7,305 |
流動負債 | 43,272 | 28,805 | △14,467 | 22,498 | △6,307 |
流動資産ー流動負債 | 15,827 | 14,939 | △888 | 13,941 | △998 |
うち現金短借以外 | 3,403 | 5,188 | 1,785 | 8,666 | 3,478 |
有利子負債(流動) | 5,463 | 5,285 | △178 | 4,370 | △915 |
有利子負債(固定) | 30,576 | 30,250 | △326 | 28,800 | △1,450 |
有利子負債計 | 36,039 | 35,535 | △504 | 33,170 | △2,365 |
ネット有利子負債 | 18,152 | 20,499 | 2,347 | 23,525 | 3,026 |
固定資産 | 47,647 | 42,087 | △5,560 | 42,572 | 485 |
固定負債 | 38,084 | 36,240 | △1,844 | 34,797 | △1,443 |
純資産 | 25,390 | 20,786 | △4,604 | 21,716 | 930 |
非支配株主持分 | 3,047 | 3,191 | 144 | 3,279 | 88 |
親会社所有者持分 | 22,343 | 17,595 | △4,748 | 18,437 | 842 |
KHネオケム(4189)の利益指標 | 予想 | ||||
ROE | 11.7% | 43.8% | 52.3% | 23.1% | |
ROA | 2.4% | 9.0% | 14.0% | 6.2% | |
ROI(営業利益/有利負債+時価) | 3.3% | 7.5% | 21.2% | 9.3% | |
KHネオケム(4189)の株式数,時価総額の見込み | |||||
上場前発行済株式 | 34,050,000 | ||||
上場時発行済株式 | 2,614,400 | ||||
引受価額 | 1,380.0 | 円 | |||
上場時調達見込額 | 3,608 | 百万円 | |||
調達後親会社所有者持分 | 22,045 | ||||
直近株価 | 1,306 | 初値 | |||
時価総額 | 47,884 | ||||
非支配株主持分 | 3,279 | ||||
純有利子負債 | 19,917 | ||||
事業価値 | 71,080 | ||||
潜在株 | 485,000 | 潜在株割合 | 1.3% | ||
KHネオケム(4189)の株価指標 | |||||
予想 | 実績 | ||||
EBIT倍率 | 9.5 | 11.4 | |||
EBITDA倍率 | 6.9 | ||||
PER | 9.5 | 6.3 | |||
PBR | 2.2 | ||||