【事業】
JMCは製造業を中心に幅広い業種の「試作品」から「最終製品」づくりをトータルサポートすることを主たる事業としている。
事業セグメントは「3Dプリンター出力事業」と「鋳造事業」の2つである。
鋳造事業の貢献度が高く、H28.9期では鋳造事業の売上に占める割合、利益に占める割合はぞれぞれ72%、81%であり過去の推移からも3Dプリンタ事業では若干苦戦しており鋳造事業が業績を牽引している印象である。
特定顧客への依存度は高くなく、売上の10%を超える取引先はない。
社長であり筆頭株主である渡邊 大知 氏はもとプロボクサーでありH11/4月に入社している。
法人の設立自体はH4/12月であり当初は総合保険業も実施していた。
上場時の調達資金は鋳造事業の生産能力拡大のため全額設備資金へ投入するのことである。
【損益】
JMCのH26.12期決算は8ヶ月決算であり売上高、利益ともに小さくなっている。
仮に12ヶ月換算すると売上964百万円、営業利益86百万円、最終利益30百万円となり、H27.12期が増収増益であることは疑いない。
H28.9期は12ヶ月換算数値では売上は増加しているものの、販管費負担(特に減価償却費)が重くなっており営業利益率がH27,12期と比べて1.8%下落し11.0%となっている。
その結果、年単純換算営業利益は前年と同レベルになることが予想される。
JMCの直近QであるH28.9期の最終利益は119百万円であり営業利益123百万円とほぼ変わらない。
営業外収益で補助金収入12百万円、保険解約返戻金収入24百万円が計上されているためである。
【キャッシュフロー】
JMCは積極的に設備投資を行なっており、H26.12期、H27.12期ともに投資キャッシュフローの大部分は有形固定資産の取得である。
また、財務活動CFについてH26.12期に株式の発行により400百万円調達している。また、H26.12期は配当も実施した。
【財政状態】
JMCの直近QであるH28.9時点での貸借対照表について、固定資産残高がH27.12期(前期決算)と比較して186百万円増加しており積極的な設備投資を行なっていることがわかる。
土地の増加115百万円、リース資産の増加49百万円が主な内訳である。
一方、有利子負債は短期借入金の増加120百万円、長期借入金の減少62百万円、リース負債の増加52百万円があり、合計で110百万円有利子負債が増加したことになる。
他人資本による調達は借入金ではなく、リースによる調達へ移行しつつある。
固定資産の増加186百万円に比べて、有利子負債の増加110百万円の増加は少なく、自己資金で設備投資を行なえているいい財務状況である。
自己資本比率50%、有利子負債比率50%、流動比率151%と財務内容、資金繰には問題がない。
H26.12期からH28.9期の推移では、ネット有利子負債はマイナスからプラスに転じており、実質現金保有額は減少しつつはあるが、会社規模拡大による運転資金の増加と設備投資の結果によるものである。
【株価】
JMCはマザーズに上場予定であり業種別分類では「非鉄金属」に分類される。
マザーズでの非鉄金属分類会社は現在なく、東証2部における非鉄金属の平均PERは33.8倍、PBRは0.6倍である。また、東証1部では平均PERは18.9倍、PBRは0.8倍である。
市場別業種別PER,PBR
想定発行価格920円を前提とするとH27.12期実績利益に基づく営業利益PERは15.3倍、PERは21.0倍、H28.9期年間単純換算利益に基づく営業利益PERは15.7倍、PERは16.3倍である。
仮に東証2部非鉄金属平均PER33.8倍を前提とした適正株価は1,480円、マザーズ平均PER51倍を前提とする適正株価は2,234円となる。
想定発行価格前提のEBIT倍率は10倍程度、EBITDA倍率は5~6倍、増資後PBRも1.5倍と割安であるため想定発行価格の920円は割安であると考えていいのではないか。
3Dプリンタ事業では苦戦があるかもしれないが産業用CTスキャナを利用したリバースエンジニアリングなどは将来的にも期待できそうである。
JMCは製造業を中心に幅広い業種の「試作品」から「最終製品」づくりをトータルサポートすることを主たる事業としている。
事業セグメントは「3Dプリンター出力事業」と「鋳造事業」の2つである。
鋳造事業の貢献度が高く、H28.9期では鋳造事業の売上に占める割合、利益に占める割合はぞれぞれ72%、81%であり過去の推移からも3Dプリンタ事業では若干苦戦しており鋳造事業が業績を牽引している印象である。
特定顧客への依存度は高くなく、売上の10%を超える取引先はない。
社長であり筆頭株主である渡邊 大知 氏はもとプロボクサーでありH11/4月に入社している。
法人の設立自体はH4/12月であり当初は総合保険業も実施していた。
上場時の調達資金は鋳造事業の生産能力拡大のため全額設備資金へ投入するのことである。
【損益】
JMCのH26.12期決算は8ヶ月決算であり売上高、利益ともに小さくなっている。
仮に12ヶ月換算すると売上964百万円、営業利益86百万円、最終利益30百万円となり、H27.12期が増収増益であることは疑いない。
H28.9期は12ヶ月換算数値では売上は増加しているものの、販管費負担(特に減価償却費)が重くなっており営業利益率がH27,12期と比べて1.8%下落し11.0%となっている。
その結果、年単純換算営業利益は前年と同レベルになることが予想される。
JMCの直近QであるH28.9期の最終利益は119百万円であり営業利益123百万円とほぼ変わらない。
営業外収益で補助金収入12百万円、保険解約返戻金収入24百万円が計上されているためである。
【キャッシュフロー】
JMCは積極的に設備投資を行なっており、H26.12期、H27.12期ともに投資キャッシュフローの大部分は有形固定資産の取得である。
また、財務活動CFについてH26.12期に株式の発行により400百万円調達している。また、H26.12期は配当も実施した。
【財政状態】
JMCの直近QであるH28.9時点での貸借対照表について、固定資産残高がH27.12期(前期決算)と比較して186百万円増加しており積極的な設備投資を行なっていることがわかる。
土地の増加115百万円、リース資産の増加49百万円が主な内訳である。
一方、有利子負債は短期借入金の増加120百万円、長期借入金の減少62百万円、リース負債の増加52百万円があり、合計で110百万円有利子負債が増加したことになる。
他人資本による調達は借入金ではなく、リースによる調達へ移行しつつある。
固定資産の増加186百万円に比べて、有利子負債の増加110百万円の増加は少なく、自己資金で設備投資を行なえているいい財務状況である。
自己資本比率50%、有利子負債比率50%、流動比率151%と財務内容、資金繰には問題がない。
H26.12期からH28.9期の推移では、ネット有利子負債はマイナスからプラスに転じており、実質現金保有額は減少しつつはあるが、会社規模拡大による運転資金の増加と設備投資の結果によるものである。
【株価】
JMCはマザーズに上場予定であり業種別分類では「非鉄金属」に分類される。
マザーズでの非鉄金属分類会社は現在なく、東証2部における非鉄金属の平均PERは33.8倍、PBRは0.6倍である。また、東証1部では平均PERは18.9倍、PBRは0.8倍である。
市場別業種別PER,PBR
想定発行価格920円を前提とするとH27.12期実績利益に基づく営業利益PERは15.3倍、PERは21.0倍、H28.9期年間単純換算利益に基づく営業利益PERは15.7倍、PERは16.3倍である。
仮に東証2部非鉄金属平均PER33.8倍を前提とした適正株価は1,480円、マザーズ平均PER51倍を前提とする適正株価は2,234円となる。
想定発行価格前提のEBIT倍率は10倍程度、EBITDA倍率は5~6倍、増資後PBRも1.5倍と割安であるため想定発行価格の920円は割安であると考えていいのではないか。
3Dプリンタ事業では苦戦があるかもしれないが産業用CTスキャナを利用したリバースエンジニアリングなどは将来的にも期待できそうである。
スポンサーリンク
JMC(5704) | |||||
(単位:千円) | H26.12 | H27.12 | 増減 | H28.9 | 進捗/増減 |
売上高 | 643,713 | 1,327,176 | 683,463 | 1,124,822 | 85% |
年間予想 | 1,499,763 | 75% | |||
売上総利益 | 260,246 | 551,057 | 290,811 | 491,284 | 89% |
販管費 | 202,323 | 380,576 | 178,253 | 367,322 | 97% |
営業利益 | 57,923 | 170,481 | 112,558 | 123,962 | 73% |
年間予想 | 165,283 | 75% | |||
減価償却費 | 39,268 | 90,328 | 51,060 | 99,827 | 111% |
EBITDA | 97,191 | 260,809 | 163,618 | 223,789 | 86% |
支配株主帰属利益 | 20,007 | 124,093 | 104,086 | 119,914 | 97% |
年間予想 | 159,885 | 75% | |||
※年間予想はQ数値を年次に単純換算した金額 | |||||
H26.12 | H27.12 | H28.9 | 予想 | ||
売上総利益率 | 40.4% | 41.5% | 43.7% | ||
営業利益率 | 9.0% | 12.8% | 11.0% | 11.0% | |
支配株主帰属利益率 | 3.1% | 9.4% | 10.7% | 10.7% | |
JMC(5704)のキャッシュフロー | |||||
H26.12 | H27.12 | 増減 | H28.9 | 増減 | |
営業CF | 41,439 | 243,483 | 202,044 | 0% | |
投資CF | △147,130 | △204,067 | △56,937 | 0% | |
フリーCF | △105,691 | 39,416 | 145,107 | 0 | 0% |
財務CF | 373,180 | △122,636 | △495,816 | 0% | |
JMC(5704)の財政状態 | |||||
H26.12 | H27.12 | 増減 | H28.9 | 増減 | |
現預金等 | 404,223 | 315,853 | △88,370 | 199,205 | △116,648 |
流動資産 | 663,142 | 672,222 | 9,080 | 631,924 | △40,298 |
流動負債 | 230,695 | 388,785 | 158,090 | 417,807 | 29,022 |
流動資産ー流動負債 | 432,447 | 283,437 | △149,010 | 214,117 | △69,320 |
うち現金短借以外 | 101,941 | 64,591 | △37,350 | 218,185 | 153,594 |
有利子負債(流動) | 73,717 | 97,007 | 23,290 | 203,273 | 106,266 |
有利子負債(固定) | 128,602 | 207,486 | 78,884 | 211,335 | 3,849 |
有利子負債計 | 202,319 | 304,493 | 102,174 | 414,608 | 110,115 |
ネット有利子負債 | △201,904 | △11,360 | 190,544 | 215,403 | 226,763 |
固定資産 | 340,133 | 688,730 | 348,597 | 874,689 | 185,959 |
固定負債 | 191,370 | 266,865 | 75,495 | 263,589 | △3,276 |
純資産 | 581,210 | 705,302 | 124,092 | 825,217 | 119,915 |
非支配株主持分 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
親会社所有者持分 | 581,210 | 705,302 | 124,092 | 825,217 | 119,915 |
流動比率 | 287% | 173% | 151% | ||
固定長期適合率 | 44% | 71% | 80% | ||
自己資本比率 | 58% | 52% | 55% | ||
有利子負債比率 | 35% | 43% | 50% | ||
JMC(5704)の利益指標 | |||||
H26.12 | H27.12 | H28.9 | 予想 | ||
ROE | 3.4% | 17.6% | 9.0% | 9.0% | |
ROA | 2.0% | 9.1% | 6.5% | 6.5% | |
JMC(5704)の株式数,時価総額の見込み | |||||
上場前発行済株式 | 1,480,000 | 自己株式除く | |||
上場時発行済株式 | 1,120,000 | ||||
引受価額 | 846.4 | 円 | |||
上場時調達見込額 | 947,968 | 千円 | |||
調達後親会社所有者持分 | 1,773,185 | ||||
直近株価 | 920 | 想定発行価格 | |||
時価総額 | 2,392,000 | ||||
非支配株主持分 | 0 | ||||
純有利子負債 | △732,565 | ||||
事業価値 | 1,659,435 | ||||
潜在株 | 226,800 | 潜在株割合 | 8.7% | ||
JMC(5704)の株価指標 | |||||
指標 | H26.12 | H27.12 | H28.9 | 予想 | |
EBIT倍率 | 28.6 | 9.7 | 10.0 | 10.0 | |
EBITDA倍率 | 17.1 | 6.4 | 5.6 | ||
営業利益PER | 44.9 | 15.3 | 15.7 | 15.7 | |
PER | 130.0 | 21.0 | 16.3 | 16.3 | |
PBR | 4.5 | 3.7 | 1.5 | ||
JMC(5704)の株主構成 | |||||
政府 | 0% | ||||
金融機関 | 0% | ||||
金融商品取引業者 | 0% | ||||
その他法人 | 6% | ||||
外国法人等 | 0% | ||||
個人 | 94% | ||||
*渡邊 大知(社長)41%、鈴木 浩之(専務)19% | |||||
JMC(5704)における従業員の状況 | |||||
H28.9 | |||||
連結人員 | 78 | 人 | |||
親会社単体人員 | 78 | 人 | |||
親会社単体平均年齢 | 31.4 | 才 | |||
親会社単体平均年収 | 4,230 | 千円 | |||
JMC(5704)のセグメント別業績 | |||||
売上(千円) | H26.12 | H27.12 | 増減 | H28.9 | 進捗/増減 |
3Dプリンター | 259,015 | 467,391 | 208,376 | 309,561 | 66% |
鋳造事業 | 384,697 | 859,784 | 475,087 | 815,260 | 95% |
営業利益(千円) | H26.12 | H27.12 | 増減 | H28.9 | 進捗/増減 |
3Dプリンター | 27,255 | 123,565 | 96,310 | 72,282 | 58% |
鋳造事業 | 81,887 | 302,378 | 220,491 | 304,242 | 101% |
セグメント | 説明 | ||||
3Dプリンター | 3Dプリンターによるモデル作製、医療用実体モデル作製 | ||||
鋳造事業 | アルミニウム、マグネシウム鋳造品の作製、CTスキャンサービス |