マザーズ上場のリネットジャパングループ(3556)のH29.9期業績予想を分析

2016/12/20

IPO

マザーズへ上場のリネットジャパングループ(3556)がH29.9期の業績予想を開示した。


【通期業績予想】

売上高  4,236百万円  前期比+14%  直近四半期進捗率88%

営業利益  272百万円  前期比+80%  直近四半期進捗率55%

当期純利益  824百万円  前期比+60%  直近四半期進捗率63%




【公募価格と予想利益に基づくPER、PBR】

公募価格を前提とした時価総額(オーバーアロットメント含む)は3,243百万円である。

上記の予想利益と、公募価格に基づくPER(潜在株式考慮後)は15.0倍である。
公募価格と直近Q決算とIPO増資に基づいた予想PBRは4.8倍である。




【業績予想と前年比較】

当期業績予想の前年比では売上、営業利益、当期純利益はともにプラスである。

売上高が前期比+14%であり、損益分岐点は大きく超えているため固定費増も吸収し営業利益で+80%、当期利益でも+60%と大幅な業績の

向上を予定している。



【直近Q進捗率】

直近期(H28.9期)における売上進捗率は88%、営業利益進捗率は55%、当期利益進捗率は63%である。

直近期が本決算であったため、上記進捗率は前期比の逆数となっている。



【事業の見通し】


(売上高)

ネットリユース事業:

前期の仕入成長トレンドを考慮して仕入計画を策定し、当該仕入金額に集荷配送料及び査定人件費の附随費用を加えた原価を前期の売上原価

率実績で除算する方法にて売上高を策定している。
つまり、買取仕入予想額を前年原価率で割り返して売上高を逆算している。
売上高は3,917百万円(前期比12%増)を予想。


ネットリサイクル事業:

回収料金・小型家電のリサイクル資源売却代金等の構成要素毎の積み上げにて予算を策定。
売上高は318百万円(前期比42%増)と大幅な増益を予想。




(売上原価、売上総利益)

ネットリユース事業:

売上原価率が低めの「書籍メディア」の売上高の増加額が大きいため、売上原価予想は売上高前期比よりは低めの1,009百万円(前期比9%増)

の予定。


ネットリサイクル事業:

売上原価を構成する荷物回収運送費の負担の増加が予想され、売上高の増加率に比して売上原価の増加率が高くなると見込み、平成29年9月

期のネットリサイクル事業の売上原価は133百万円(前期比44.8%増)を予想。





(販売費及び一般管理費、営業利益)

販管費は個別固定費の積み上げと変動費を前年実績を元に売上高の増加に比例することで算出。

ネットリユース事業:

前期比12%増の2,631百万円を予想。
作業量増加に対応すべく物流センター部門を増強することを目的として人員増を計画し、人件費は787百万円(前期比10.0%増)を見込む。
広告宣伝費も売上増に伴い477百万円(前期比18.0%増)を予定。
販売手数料568百万円(前期比7.0%増)はAmazonマーケットプレイス経由での取扱商材カテゴリー別に予算を策定。


ネットリサイクル事業:

前期比15%減の174百万円を予想。
事業規模拡大に伴う人件費34百万円(前期比28.5%増)、サービス認知向上のための広告宣伝費84百万円(前期比7.7%減)を予定。


その他全社固定費として上場費用15百万円を含め、販管費は法人全体で2,821百万円(前期比10.2%増)を見込んでいる。



(営業外、特損)

少額の古紙売却収入、支払利息以外はなし。

ただし、繰越欠損金(H28.9期時点の連結で134百万円)を抱えているため税金費用が低く算出されている点留意すべきである。





リネットジャパングループ(3556)の基礎情報:

設立:2000年7月

本社所在地:愛知県大府市

事業内容:「NET OFF」「ReNet」サイトを利用したネットリユース事業とネットリサイクル事業

業種分類:小売業

決算:9月

上場市場:マザーズ

監査人:三優監査法人

主幹事証券:SBI証券

社長:黒田武志氏、昭和40年うまれ、平成1年にトヨタ自動車入社、平成12年に当社設立