ジーンテクノサイエンス(4584)がJSR社(4185)と資本業務提携を発表

2016/12/05

企業分析

ジーンテクノサイエンスは平成28年6月においてノーリツ鋼機バイオホールディングス(合同会社 Launchpad12)への第三者割当及び同社による当社普通株式の公開買付けにより、ノーリツ鋼機グループの一員となっていた。
なお、当該TOB実施時の買付単価は3,000円であり、買取株数上限は設定しなかったものの1,801千株をTOBにより取得し、第三者割当分との合計で2,617千株(58.15%)を保有している。

なお、ジーンテクノサイエンスは10/1で1:2の株式分割を行なっており上記TOB単価と今回の増資に伴う発行価格(1,456円)はほぼ等しいことになる。

また、ジーンテクノサイエンスは当該資本業務提携の公表と同時に「持田製薬株式会社とのがん治療領域のバイオ後続品(バイオシミラー)における共同事業化契約の締結に関するお知らせ」を公表している。


業務提携の内容:

ジーンテクノサイエンスがJSR子会社のKBI Biopharma, Inc.(KBI)へバイオシミラーやバイオ新薬のパイプラインに関する製造プロセス開発や製造を委託。

JSRが開発する精製剤等を含めたバイオプロセス材料の開発に協力する一方、ジーンテクノサイエンスは商業用のバイオ医薬品の製造において当該材料を活用する。

ジーンテクノサイエンスとJSR のライフサイエンス事業との将来的な協業の可能性を継続的に検討する。


資本業務提携の内容:

JSRに普通株式343,407株を割当、現在発行済株式の3.67%程度。

払込期日は平成28年12月22日である。

発行価格は1,456円、総額で500百万円。

⇒当該適時開示公表日におけるジーンテクノサイエンスの終値は1,475円でありほぼ時価発行に近い単価である。



ジーンテクノサイエンスの業績:

H27.3期からH28.3期にかけて売上は大幅増加したものの赤字幅の縮小はならず営業損失800百万円以上と大幅な赤字を継続している。
H28.3期の売上のうち95%の1,100百万円は富士製薬工業向けである。

H29.3期の業績予想は売上が前年比45%増加の1,685百万円、営業赤字は大幅に縮小して493百万円の赤字となる見込みである。

また、直近決算日であるH28.9期の自己資本はノーリツ鋼機バイオホールディングスによる増資もあり3,088百万円で自己資本比率は86%であり財務安全性は確保されていた。



予想PBR:

増資による自己資本増加は500百万円であり、直近自己資本3,088百万円との合計は3,588百万円となる。

発行済株式数はH28.9時点の9,006千株+343千株=9,349千株であり、潜在株式を除いた時価総額は直近株価1,475円×9,349株=13,789百万円と予想される。

よって、現株価を前提とするとPBRは13,789百万円÷3,588百万円=3.8倍程度となる見込み。