リプロセル(4978)がメリルリンチに対し新株予約権の第三者割当を実施

2016/12/02

企業分析

リプロセルがメリルリンチに対し新株予約権の第三者割当を実施することが公表された。

当該新株予約権についてはコミットメント条項が付されており、新株予約権の権利行使にあたって発行会社と保有会社において様々な権利、義務、規制がある。


割当先:

メリルリンチ日本証券株式会社



割当する新株予約権の数:

5,802個(株式数換算では5,802,000株)



新株予約権の発行価格:

一個あたり2,734円(1株あたりは27.34円)
総額は5,802個×2,734円=15,862千円
価格の評価は赤坂国際会計が実施。



新株予約権の権利行使価格:

当初449円(適時開示発表前日終値)、下限270円

※新株予約権の各行使請求の効力発生日の直前取引日の当社普通株式の終値の 90%に相当する金額に修正、ただし下限は270円の設定あり。



権利行使期間:

1年間(平成 28 年 12 月 20 日から平成 29 年 12 月 19 日まで)



権利行使にあたっての権利及び制限:

コミットメント条項付されており、リプロセルが資金需要に応じて権利行使を指定できる仕組みとなっており、一方で株価を勘案し権利行使できない期間を指定することも可能である。。ただし、下限行使価格270円×120%を下回った際にはメリルリンチ側は行使しないことができる。その他、出来高規制、日数規制による制限もある。

メリルリンチは平成 28 年 12 月 20 日から平成 29 年 11 月 14 日の間に終値が下限行使価格を下回った場合にはリプロセルに新株予約権の買戻請求ができる。

新株予約権の譲渡にはリプロセル社の取締役会の承認が必要。



資金調達が自己資本に与える影響:

資金調達額は5,802千株×270円=1,566百万円~5,802千株×404円(449円×90%)=2,344百万円となる見込み。

リプロセルの直近決算であるH28.9期における純資産額は6,527百万円であり、直近株価による時価総額は25,714百万円であるためPBRは約4倍である。
メリルリンチによる資金調達は時価×90%となるため、当該調達を行なうことによりPBRへの下げ圧力が加わることになる。



資金調達による希薄化の影響:

直近決算日であるH28.9時点において発行済株式数は58,020株である。
全ての新株予約権が行使されたと仮定しても10%の希薄化に過ぎない。



資金調達の目的:

一部をステムカイマルの導入費用に充て、その他は新たな細胞医薬品の治験を行うために必要となる費用に対応するため。

※ステムカイマルとは台湾のバイオベンチャー企業 Steminent(以下、ステミネント)社の保有する細胞医薬品「Stemchymal」であり、リプロセル(4978)が日本において独占的に治験等の共同開発及び販売を行う契約を締結済。