フェイス(4295)が株式交換により日本コロムビア(6791)を完全子会社化へ

2017/03/28

企業分析

H29.3.28にフェイス(4295)が株式交換により日本コロムビア(6791)を完全子会社化することが公表された。

子会社となる日本コロムビアは7月中に上場廃止となる予定。

なお、フェイスは日本コロムビア社をH26.3期にTOBにより持株比率を50.88%とし連結子会社化していた。

当該株式交換による追加持分取得はフェイスにとって子会社持分を追加取得する形となるため「のれん」の計上及び償却負担は生じず、資本取引となる。

よって、当該株式効果はフェイスにとって、のれん償却負担がない分営業損益の悪化要因にはならない。

一方、日本コロムビア計上利益のうち半分近く流出していた非支配株主に帰属する純利益は完全子会社後ゼロとなるため、親会社株主に帰属する純利益は大幅アップが期待でき、PERの改善も図ることが期待される。

日本コロムビアの年間親会社帰属利益予想は1,475百万円のためフェイスにとって約50%の737百万円の最終利益増加につながる。

しかし、株式交換であるため株式の希薄化は生じる。

株式交換によりフェイス株を3,900,834株発行するとすれば、既存発行済みの約40%の希薄化となる。

上記の利益押し上げ要因、株式希薄化用意を加味して直近株価を前提とすると交換後のPERは12.0倍、PBRは1.0倍程度と成る見込みである。

フェイスは高PER、低PBR、日本コロムビアは低PER、高PBRであったが、PER,PBRともにフェイスと日本コロムビアのちょうど間に落ち着く形となりそうだ。


 

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【株式交換当事者】
交換対象者(子会社化) 日本コロムビア(6791)
交換実施者(親会社) フェイス(4295)
【株式交換実施予定日】
2017/8/1
【日本コロムビア(6791)株式】
直近株価 671
直近発行済株数 13,487,500 自己株除く
時価総額 9,050 百万円
【フェイス(4295)株式】
直近株価 1,300
直近発行済株数 9,868,870 自己株除く
時価総額 12,830 百万円
【子会社となる日本コロムビア(6791)の財務内容】
現預金 6,125 百万円
有利子負債 828 百万円
親会社持分 3,821 百万円
総資産 9,413 百万円
計画営業利益 1,700 百万円
計画最終利益 1,475 百万円
ROE 38.6%
ROA 15.7%
PBR(直近時価前提) 2.37
利益/時価総額 16.3%
PER(直近時価前提) 6.1
【株式交換実施会社であるフェイス(4295)の財務内容】
現預金 14,146 百万円
有利子負債 1,227 百万円
親会社持分 16,145 百万円
総資産 25,934 百万円
計画営業利益 1,600 百万円
計画最終利益 760 百万円
ROE 4.7%
ROA 2.9%
PBR(直近時価前提) 0.79
利益/時価総額 5.9%
PER(直近時価前提) 16.9
【株式交換がフェイスに与える影響】
最終利益増加 738 コロムビア少持分
親会社持分増加 1,911 コロムビア少持分
発行済株式希薄化 3,900,834
交換考慮後最終利益 1,498 既存利益+コロムビア追加分
交換後発行済株式 13,769,704
交換後時価総額 17,901 現時価前提
交換後PER 12.0 現時価前提
交換後PBR 1.0