【想定発行価格の印象】
:やや割安であるが、同業上場会社もあり目新しさに乏しい
【法人概要】
設立:2013年8月
本社所在地:東京都新宿区西新宿
事業内容:家賃債務保証
業種分類:その他金融業
決算:1月
上場市場:市場2部
監査人:トーマツ
主幹事証券:SMBC日興証券
社長:宮地正剛氏、昭和47年うまれ、Casa前身のリプラス出身
【実施する事業】
CasaはH20.9に経営破たんした㈱リプラスから家賃債務保証事業を引きついたレントゴー保証が前身である。
その後、ファンドによる取得、経営陣によるMBOをを経てH26.2に現Casaが誕生した。
現在、全国10ヶ所の事業拠点、6,910社の代理店を保有し、家賃債務保証サービスを全国的に展開している。
特徴としては過去から蓄積された賃借人の審査データベースを利用して、連帯保証人を不要とした短時間で保証引受の可否を判定できるスピードが売りである。
売上は賃借人との保証契約により契約時の初回保証料、その後毎年受領する年間保証料が主なものである。
商品名は不動産管理会社向けの「Casaダイレクト」や、家主向けの「家主ダイレクト」がある。
「Casaダイレクト」:集金代行業務を行うリコーリースと連携し家賃の集金代行と家賃保証がセットになった事前立替型保証であり、不動産管理会社向けの商品である。
「家主ダイレクト」:リコーリースと東京海上日動火災保険と連携し、賃貸人(家主)に家賃を直接送金する商品であり、Casaダイレクトと同様に事前立替型保証商品となっている他、賃貸物件で孤独死等が発生した場合に備えた保険サービスを組み合わせた商品である。
①初回保証料
(H29.1期通期 4,663百万円、H29.7期2Q 2,297百万円)
②年間保証料
(H29.1期通期 3,262百万円、H29.7期2Q 1,790百万円)
【損益(過去2期+直近Q)】
(売上、売上総利益)
売上:直近通年期前期比12%増、直近四半期単純年換算前期比4%増と直近Qではやや伸びは落ち着いているが増収を継続している。
売上先はエイブル、三井不動産レジデンシャルリース、ハウスコム等である。
粗利率:前々期78%、前期67%、直近四半期64%と6~7割で幅がある。売上原価の内訳で貸倒引当金繰入額が約半分を占めるためである。
貸引繰入以外では、支払手数料、支払報酬が原価を占めている。
売上総利益:直近通年期前期比3%減、直近四半期単純年換算前期比2%減と減益傾向にある。
売上は伸びたものの粗利率の低下が要因である。
(販管費、営業損益)
販管費:直近通年期前期比5%増、直近四半期単純年換算前期比2%増と粗利減少にもかかわらず販管費は増加傾向にある。
H29.1期の販管費4,230百万円のうち、給与賞与が1,427百万円、地代家賃233百万円、のれん、減価償却が415百万円、派遣料が300百万円が主なものである。
営業利益:直近通年期前期比25%減、直近四半期単純年換算前期比16%減と減益が継続。
粗利減少にもかかわらず、販管費負担が増加したため営業利益は減少傾向にある。
(最終利益)
「最終利益÷営業利益」:前々期56%、前期54%、直近四半期67%である。
毎期営業外収益として「償却債権取立益」が1億円以上計上されている点が特徴的である。
【財政状態】
(財務諸表の特徴)
自己資本比率47%、有利子負債比率15%。
MBO案件であるため固定資産4,842百万円のうち、4,234百万円は「のれん」である。
のれんの償却は年間260百万円程度であるため残り16年程度は償却負担が継続する。
流動資産6,740百万円の内訳として家賃保証実行による求償債権2,821百万円、貸倒引当金1,503百万円が計上されている。
また、流動負債に保証料の前受分として前受金が4,072百万円計上されている。
繰延税金資産について一時差異の大部分は「前受金」であるが評価性引当額はほぼなく税金資産は充分に計上されている。
(資本政策)
設立から上場までの間は設立直後のH25.8月、9月に@5万円/株で増資しているのみである。
(ROAとROE)
直近決算期であるH29.7期の純資産と想定発行価格による増資と直近Q決算期の年度換算利益を前提としたROA、ROEはそれぞれ5.5%、11.1%である。
(IPO調達資金が自己資本へ与える影響)
想定発行価格と公募株式数に基づく調達資金は459百万円であり、直近純資産に対して8%の自己資本増加となる。
IPO資金が自己資本に与える影響は大きくない。
【株価】
(将来見込み)
粗利、営業利益ともに伸び悩んでいる印象である。
また、のれんの償却負担が重い点も留意しなければならない。
(PER指標)
直近決算期であるH29.7期の利益を単純年換算した利益と想定発行価格を前提としたPER(希薄化株式考慮済)は20.5倍である。
(PBR指標)
直近決算期であるH29.7期の純資産と想定発行価格による増資を前提としたPBR(希薄化株式考慮済)は2.3倍である。
(類似会社比較)
家賃保証会社のPERは20~30倍、PBRは4~6倍の印象である。
Casaの想定発行価格を前提としたPER,PBRはやや割安の印象である。
:やや割安であるが、同業上場会社もあり目新しさに乏しい
【法人概要】
設立:2013年8月
本社所在地:東京都新宿区西新宿
事業内容:家賃債務保証
業種分類:その他金融業
決算:1月
上場市場:市場2部
監査人:トーマツ
主幹事証券:SMBC日興証券
社長:宮地正剛氏、昭和47年うまれ、Casa前身のリプラス出身
【実施する事業】
CasaはH20.9に経営破たんした㈱リプラスから家賃債務保証事業を引きついたレントゴー保証が前身である。
その後、ファンドによる取得、経営陣によるMBOをを経てH26.2に現Casaが誕生した。
現在、全国10ヶ所の事業拠点、6,910社の代理店を保有し、家賃債務保証サービスを全国的に展開している。
特徴としては過去から蓄積された賃借人の審査データベースを利用して、連帯保証人を不要とした短時間で保証引受の可否を判定できるスピードが売りである。
売上は賃借人との保証契約により契約時の初回保証料、その後毎年受領する年間保証料が主なものである。
商品名は不動産管理会社向けの「Casaダイレクト」や、家主向けの「家主ダイレクト」がある。
「Casaダイレクト」:集金代行業務を行うリコーリースと連携し家賃の集金代行と家賃保証がセットになった事前立替型保証であり、不動産管理会社向けの商品である。
「家主ダイレクト」:リコーリースと東京海上日動火災保険と連携し、賃貸人(家主)に家賃を直接送金する商品であり、Casaダイレクトと同様に事前立替型保証商品となっている他、賃貸物件で孤独死等が発生した場合に備えた保険サービスを組み合わせた商品である。
①初回保証料
(H29.1期通期 4,663百万円、H29.7期2Q 2,297百万円)
②年間保証料
(H29.1期通期 3,262百万円、H29.7期2Q 1,790百万円)
【損益(過去2期+直近Q)】
(売上、売上総利益)
売上:直近通年期前期比12%増、直近四半期単純年換算前期比4%増と直近Qではやや伸びは落ち着いているが増収を継続している。
売上先はエイブル、三井不動産レジデンシャルリース、ハウスコム等である。
粗利率:前々期78%、前期67%、直近四半期64%と6~7割で幅がある。売上原価の内訳で貸倒引当金繰入額が約半分を占めるためである。
貸引繰入以外では、支払手数料、支払報酬が原価を占めている。
売上総利益:直近通年期前期比3%減、直近四半期単純年換算前期比2%減と減益傾向にある。
売上は伸びたものの粗利率の低下が要因である。
(販管費、営業損益)
販管費:直近通年期前期比5%増、直近四半期単純年換算前期比2%増と粗利減少にもかかわらず販管費は増加傾向にある。
H29.1期の販管費4,230百万円のうち、給与賞与が1,427百万円、地代家賃233百万円、のれん、減価償却が415百万円、派遣料が300百万円が主なものである。
営業利益:直近通年期前期比25%減、直近四半期単純年換算前期比16%減と減益が継続。
粗利減少にもかかわらず、販管費負担が増加したため営業利益は減少傾向にある。
(最終利益)
「最終利益÷営業利益」:前々期56%、前期54%、直近四半期67%である。
毎期営業外収益として「償却債権取立益」が1億円以上計上されている点が特徴的である。
【財政状態】
(財務諸表の特徴)
自己資本比率47%、有利子負債比率15%。
MBO案件であるため固定資産4,842百万円のうち、4,234百万円は「のれん」である。
のれんの償却は年間260百万円程度であるため残り16年程度は償却負担が継続する。
流動資産6,740百万円の内訳として家賃保証実行による求償債権2,821百万円、貸倒引当金1,503百万円が計上されている。
また、流動負債に保証料の前受分として前受金が4,072百万円計上されている。
繰延税金資産について一時差異の大部分は「前受金」であるが評価性引当額はほぼなく税金資産は充分に計上されている。
(資本政策)
設立から上場までの間は設立直後のH25.8月、9月に@5万円/株で増資しているのみである。
(ROAとROE)
直近決算期であるH29.7期の純資産と想定発行価格による増資と直近Q決算期の年度換算利益を前提としたROA、ROEはそれぞれ5.5%、11.1%である。
(IPO調達資金が自己資本へ与える影響)
想定発行価格と公募株式数に基づく調達資金は459百万円であり、直近純資産に対して8%の自己資本増加となる。
IPO資金が自己資本に与える影響は大きくない。
【株価】
(将来見込み)
粗利、営業利益ともに伸び悩んでいる印象である。
また、のれんの償却負担が重い点も留意しなければならない。
(PER指標)
直近決算期であるH29.7期の利益を単純年換算した利益と想定発行価格を前提としたPER(希薄化株式考慮済)は20.5倍である。
(PBR指標)
直近決算期であるH29.7期の純資産と想定発行価格による増資を前提としたPBR(希薄化株式考慮済)は2.3倍である。
(類似会社比較)
家賃保証会社のPERは20~30倍、PBRは4~6倍の印象である。
Casaの想定発行価格を前提としたPER,PBRはやや割安の印象である。
スポンサーリンク
Casa(7196) | |||||
(単位:千円) | H28.1 | H29.1 | 増減 | H29.7 | Q進捗 |
売上高 | 7,139,646 | 8,022,013 | 882,367 | 4,154,307 | 52% |
年間予想 | 8,308,614 | 50% | |||
売上総利益 | 5,586,518 | 5,399,116 | △187,402 | 2,655,710 | 49% |
販管費 | 4,025,502 | 4,230,286 | 204,784 | 2,164,464 | 51% |
営業利益 | 1,561,016 | 1,168,830 | △392,186 | 491,246 | 42% |
年間予想 | 982,492 | 50% | |||
減価償却費 | 395,939 | 416,363 | 20,424 | 208,631 | 50% |
EBITDA | 1,956,955 | 1,585,193 | △371,762 | 699,877 | 44% |
支配株主帰属利益 | 875,032 | 632,522 | △242,510 | 329,043 | 52% |
年間予想 | 658,086 | 50% | |||
簡易営業キャッシュフロー | 1,270,971 | 1,048,885 | △222,086 | 537,674 | |
年間予想 | 1,075,348 | ||||
※年間予想はQ数値を年次に単純換算した金額 | |||||
H28.1 | H29.1 | H29.7 | 予想 | ||
売上総利益率 | 78.2% | 67.3% | 63.9% | ||
営業利益率 | 21.9% | 14.6% | 11.8% | 11.8% | |
支配株主帰属利益率 | 12.3% | 7.9% | 7.9% | 7.9% | |
最終利益÷営業利益 | 56.1% | 54.1% | 67.0% | 67.0% | |
Casa(7196)の財政状態 | |||||
BS項目 | H29.7 | ||||
現預金等 | 2,093,869 | ||||
流動資産 | 6,740,894 | ||||
流動負債 | 5,692,824 | ||||
流動資産ー流動負債 | 1,048,070 | ||||
うち現金短借以外 | △645,799 | ||||
有利子負債(流動) | 400,000 | ||||
有利子負債(固定) | 400,000 | ||||
有利子負債計 | 800,000 | ||||
ネット有利子負債 | △1,293,869 | ||||
固定資産 | 4,842,157 | ||||
固定負債 | 425,899 | ||||
純資産 | 5,464,328 | ||||
非支配株主持分 | 0 | ||||
親会社所有者持分 | 5,464,328 | ||||
流動比率 | 118% | ||||
固定長期適合率 | 82% | ||||
自己資本比率 | 47% | ||||
有利子負債比率 | 15% | ||||
Casa(7196)の利益指標 | |||||
H29.1 | H29.7 | 予想 | |||
ROE | 10.7% | 11.1% | 11.1% | ||
ROA | 5.3% | 5.5% | 5.5% | ||
Casa(7196)の株式数,時価総額の見込み | |||||
上場前発行済株式 | 5,200,000 | 自己株除く | |||
うち売出株数 | 3,015,000 | 当選枚数 | |||
上場時発行株式 | 220,000 | OA含む | 32,350 | ||
引受価額 | 2,088.4 | 円 | |||
上場時調達見込額 | 459,448 | 千円 | |||
調達後親会社所有者持分 | 5,923,776 | ||||
上場時増資額/直近純資産 | 8% | ||||
直近株価 | 2,270 | 想定発行価格 | |||
時価総額 | 12,303,400 | 千円 | |||
非支配株主持分 | 0 | ||||
純有利子負債(ipo資金受入後) | △1,753,317 | ||||
事業価値 | 10,550,083 | ||||
潜在株 | 512,000 | 9.4% | ←潜在株割合 | ||
Casa(7196)の株価指標 | |||||
指標 | H29.1 | H29.7 | 予想 | ||
EBIT倍率 | 9.0 | 10.7 | 10.7 | ||
EBITDA倍率 | 6.7 | 7.5 | |||
営業利益PER | 11.5 | 13.7 | 13.7 | ||
PER | 21.3 | 20.5 | 20.5 | ||
PBR | 2.3 | ||||
Casa(7196)における従業員の状況 | |||||
H29.8 | |||||
連結人員 | 319 | 人 | |||
親会社単体人員 | 319 | 人 | |||
親会社単体平均年齢 | 41.8 | 才 | |||
親会社単体平均年収 | 5,369 | 千円 | |||
一人あたり年間粗利(連結) | 16,650 | 千円 | |||
一人あたり年間販管費(連結) | 13,570 | 千円 | |||
Casa(7196)上場までの資本政策 | |||||
発行日 | 株数 | 発行価格 | 分割考慮 | 割当先 | |
H25/8 | 1 | 50,000 | 500 | 設立時 | |
H25/9 | 45,101 | 50,000 | 500 | アントカタライザー | |
H25/9 | 460 | 50,000 | 500 | 堀内宣治ほか2名 | |
H25/9 | 6,438 | 50,000 | 500 | 宮地正剛ほか1名 | |
H29/9 | 5,148,000 | 100分割 | |||
IPO直前計 | 5,200,000 | ||||
IPO時 | 220,000 | 2,270 | ⇒想定発行価格 | ||
IPO後計 | 5,420,000 | 時価総額 | 12,303 | 百万円 | |
分割日 | 分割数 | ||||
H29/9 | 100 | ||||
類似上場会社指標(H29.9.26時点) | |||||
銘柄 | 銘柄コード | PER | PBR | ||
あんしん保証 | 7183 | 36.2 | 4.4 | ||
Jリース | 7187 | 21.6 | 6.5 | ||
イントラス | 7191 | 26.9 | 5.5 | ||
全国保証 | 7164 | 15.2 | 3.5 |