IPO新規上場SKIYAKI(3995)の財務分析と初値予想

2017/09/21

IPO

【想定発行価格の印象】
:やや割安

【法人概要】
設立:2003年8月
本社所在地:東京都渋谷区桜丘町
事業内容: ファンクラブ・ファンサイトサービス、マーチャンダイジング及び電子商取引サービス並びに電子チケットサービス
業種分類:情報通信業
決算:1月
上場市場:マザーズ
監査人:トーマツ
主幹事証券:いちよし証券
社長:宮瀬卓也、昭和49年うまれ、ソニーミュージック等を経て平成22年に当社入社

【実施する事業】

平成15年にWebサイト企画・制作事業及びWeb広告代理事業を目的として資本金300万円で設立。

平成22年2月に、現代表の宮瀬卓也が取締役就任後平成24年2月に株式会社SKIYAKIに商号変更するとともに、MBOにより宮瀬卓也が当社株式を取得。FanTech領域におけるプラットフォーム事業を開始した。

親会社はカルチュア・コンビニエンス・クラブである。


①プラットフォーム事業(大部分)

「ファンクラブ」、「グッズ」、「チケット」の3つがアーティスト活動を支える主要な収益源になると捉え、それらの関連機能をワンストップに提供するソリューションプラットフォーム「SKIYAKI EXTRA」の開発、提供。
現在では音楽業界にとどまらず、漫画・アニメ及び2.5次元ミュージカル等のジャンル提供も実施。

サイト開設以降にサイトから発生する収益を、あらかじめ定めた料率で分配するレベニューシェア方式を採用。

基本的にはコンテンツホルダー(アーティスト、プロダクション、レコード会社等)から商品の仕入、ロイヤリティの支払を行い、利用者に対して商品の販売、サービスの提供を行なうビジネスである。



【損益(過去2期+直近Q)】


(売上、売上総利益)

売上:直近通年期前期比51%増、直近四半期単純年換算前期比38%増と増加傾向にある。

粗利率:前々期33%、前期39%、直近四半期38%と3~4割を維持している。

売上総利益:直近通年期前期比79%増、直近四半期単純年換算前期比36%増と増益傾向にある。

なお、H29.1期の単体売上原価1,049千円(連結の大部分を占める)のうち、ロイヤリティが7割を占め、業務委託費が2割程度を占めている。

当該ロイヤリティはコンテンツホルダー(アーティスト、プロダクション、レコード会社等)への支払となる。


(販管費、営業損益)

販管費:直近通年期前期比10%増、直近四半期単純年換算前期比20%増

H29.1期の販管費532百万円のうち、回収手数料150百万円、給与178百万円、役員報酬64百万円がおもなものである。
H28.1期と比べて回収手数料が45百万円増加している点が主な増加要因である。

H29.7期2Qでは回収手数料が既に105百万円計上されている。。

営業利益:前々期は赤字、直近四半期単純年換算前期比95%増

前期から営業黒字化してH29.7期は黒字幅を大幅に伸長させた。


(最終利益)

「最終利益÷営業利益」:前々期赤字、前期81%、直近四半期83%と高い。

税金資産を計上していない一方、繰越欠損金の利用により税金費用が低いことが要因である。

【財政状態】
 

(財務諸表の特徴)

純キャッシュ(ipo資金受入後)1,570百万円、自己資本比率24%、有利子負債比率0%である。
無借金経営であるものの、利益剰余金が大きく溜まっていないため自己資本比率は低めとなっている。

繰延税金資産について繰越欠損金等の一時差異があるため、H29.1期までは一時差異の全額について評価性引当を計上し税金資産は計上していない。


(資本政策)

業績拡大に応じて発行価格も上昇を続けている。


(ROAとROE)

直近決算期であるH29.7期の純資産と想定発行価格による増資と直近Q決算期の年度換算利益を前提としたROA、ROEはそれぞれ10.0%、21.3%と高い。

自己資本金額が大きくないことも影響している。



(IPO調達資金が自己資本へ与える影響)

想定発行価格と公募株式数に基づく調達資金は703百万円であり、直近純資産に対して182%の自己資本増加となる。

H29.7時点の自己資本は大きくなく、今後の資金需要を考慮すると指数は大きくなってしまう。



【株価】


(将来見込み)

業績拡大しているが、想定発行価格水準もやや高めである。


(PER指標)

直近決算期であるH29.7期の利益を単純年換算した利益と想定発行価格を前提としたPER(希薄化株式考慮済)は31.5倍である。

ただし、繰越欠損金利用により税金費用が少なめになっている点は注意すべきである。


(PBR指標)

直近決算期であるH29.7期の純資産と想定発行価格による増資を前提としたPBR(希薄化株式考慮済)は6.7倍である。



 

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SKIYAKI(3995)
(単位:千円) H28.1 H29.1 増減 H29.7 Q進捗
売上高 1,138,139 1,721,729 583,590 1,191,489 69%
年間予想 2,382,978 50%
売上総利益 377,033 675,703 298,670 459,023 68%
販管費 484,798 532,650 47,852 319,635 60%
営業利益 △107,765 143,053 250,818 139,388 97%
年間予想 278,776 50%
減価償却費 14,675 14,778 103 8,883 60%
 EBITDA △93,090 157,831 250,921 148,271 94%
支配株主帰属利益 △148,335 115,897 264,232 115,881 100%
年間予想 231,762 50%
簡易営業キャッシュフロー △133,660 130,675 264,335 124,764
年間予想 249,528
※年間予想はQ数値を年次に単純換算した金額
H28.1 H29.1 H29.7 予想
売上総利益率 33.1% 39.2% 38.5%
営業利益率 -9.5% 8.3% 11.7% 11.7%
支配株主帰属利益率 -13.0% 6.7% 9.7% 9.7%
最終利益÷営業利益 137.6% 81.0% 83.1% 83.1%
SKIYAKI(3995)の財政状態
BS項目 H29.7
現預金等 867,286
流動資産 1,461,011
流動負債 1,216,873
 流動資産ー流動負債 244,138
 うち現金短借以外 △623,148
有利子負債(流動) 0
有利子負債(固定) 0
 有利子負債計 0
ネット有利子負債 △867,286
固定資産 142,721
固定負債 0
純資産 386,859
非支配株主持分 0
親会社所有者持分 386,859
流動比率 120%
固定長期適合率 37%
自己資本比率 24%
有利子負債比率 0%
SKIYAKI(3995)の利益指標
H29.1 H29.7 予想
ROE 10.6% 21.3% 21.3%
ROA 5.0% 10.0% 10.0%
SKIYAKI(3995)の株式数,時価総額の見込み
上場前発行済株式 1,835,000 自己株除く
うち売出株数 272,600 当選枚数
上場時発行株式 224,800 OA含む 4,974
引受価額 3,128.0
上場時調達見込額 703,174 千円
調達後親会社所有者持分 1,090,033
上場時増資額/直近純資産 182%
直近株価 3,400 想定発行価格
時価総額 7,003,320 千円
非支配株主持分 0
純有利子負債(ipo資金受入後) △1,570,460
事業価値 5,432,860
潜在株 89,200 4.3% ←潜在株割合
SKIYAKI(3995)の株価指標
指標 H29.1 H29.7 予想
EBIT倍率 38.0 19.5 19.5
EBITDA倍率 34.4 18.3
営業利益PER 51.1 26.2 26.2
PER 63.0 31.5 31.5
PBR 6.7
SKIYAKI(3995)における従業員の状況
H29.8
連結人員 49
親会社単体人員 49
親会社単体平均年齢 30.1
親会社単体平均年収 4,604 千円
一人あたり年間粗利(連結) 18,736 千円
一人あたり年間販管費(連結) 13,046 千円
SKIYAKI(3995)上場までの資本政策
発行日 株数 発行価格 分割考慮 割当先
設立~ 320 設立時
H24/2 80 125,000 63 石野晋弥、栗山丈史
H24/9 67 300,000 150 松嶋良治、合同会社ワイズパートナーズ
H25/2 70 700,000 350 アミューズ
H25/4 53,163 0 100分割
H25/5 12,550 8,000 400 CCC等
H26/2 25,500 7,000 350 新株予約権公使
H29/6 1,743,250 20分割
IPO直前計 1,835,000
IPO時 224,800 3,400 ⇒想定発行価格
IPO後計 2,059,800 時価総額 7,003 百万円
分割日 分割数
H25/4 100
H29/6 20