【想定発行価格の印象】
:PER低めであるが同業他社のPERも低く妥当な水準である。
【法人概要】
設立:1983年4月
本社所在地:千葉県千葉市花見川区幕張本郷
事業内容:プレカット木材の加工販売、戸建住宅建築請負、不動産賃貸
業種分類:その他製品
決算:11月
上場市場:JASDAQスタンダード
監査人:千葉第一監査法人
主幹事証券:みずほ証券
社長:中井千代助、昭和25年うまれ、昭和48年に当社入社
【実施する事業】
①プレカット事業
(286人、H29.8期3Qで受注78億円、受注残18億円、直近H28.11期 売上10,742百万円、営業利益306百万円/H29.8期3Q 売上8,463百万円、営業利益149百万円)
在来軸組工法における設計(CAD:コンピュータ支援設計)、木材のプレカット加工及び販売、ツーバイフォー工法における設計、木材のプレカット加工、パネル(プレカット加工木材を枠組みしてパネルとしたもの)の製造及び販売を実施。
②建築請負事業
(28人、H29.8期3Qで受注24億円、受注残7億円、直近H28.11期 売上3,435百万円、営業利益126百万円/H29.8期3Q 売上2,712百万円、営業利益22百万円)
木造戸建住宅及び木造一般建築物の建築(新築・増改築)の請負を実施。プレカット製品を仕入して建築する。なのはなハウジング(売上32億、経常利益103百万円、総資産1,575百万円、純資産451百万円)が実施。
③不動産賃貸事業
(1人、直近H28.11期 売上199百万円、営業利益112百万円/H29.8期3Q 売上203百万円、営業利益139百万円)
不動産賃貸及び管理を行っており、株式会社CLCコーポレーションが実施。
木材の多くは海外からの輸入であり、木価格の世界的な変動、為替、船舶需要の影響を受けやすい。
首都圏に生産、営業拠点を置きエリアを絞っている。また、H28.11に生産設備を新式に全面入れ替えした。山武第二工場への投資は総額で7億円を超える。
一人当たり給与平均額が365万円と低めである。
売上の10%程度は㈱東栄住宅向け(プレカット事業)である。
また、季節的変動があり、第4Q(9~11月)に売上約3割、利益約5割が集中する。
【損益(過去2期+直近Q)】
(売上、売上総利益)
売上:直近通年期前期比9%増、直近四半期単純年換算前期比8%増
季節的変動により4Qが期待できそうであるにも関わらず3Qまでの進捗は良好である。
粗利率:前々期17.3%、前期17.9%、直近四半期16.8%
直近Qの粗利率が低下してきている。
売上総利益:直近通年期前期比13%増、直近四半期単純年換算前期比3%減
直近Qは売上好調であるが、粗利率が低下したため売上総利益額の進捗率は3Qで前年比73%に留まっている。
(販管費、営業損益)
販管費:直近通年期前期比14%増、直近四半期単純年換算前期比4%増
販管費の主なものとしてH28.11期1,855百万円のうち、運賃が674百万円、給与が480百万円と大部分を占めている。
営業利益:直近通年期前期比9%増、直近四半期単純年換算前期比25%減
直近Qは粗利率の低下と販管費の増加により営業利益は3Qで昨年度の56%と進捗は思わしくない。
しかし、季節的変動により第4Qに期待が持てそうである。
(最終利益)
「最終利益÷営業利益」:前々期44.3%、前期54.5%、直近四半期41%と低めである。
毎期減損等の特別損失を計上していることが要因である。
営業外収益として毎期27百万円程度の受取賃貸料を計上している。
特別損益として、H27.11期は減損(柏市の賃貸不動産)96百万円計上、H28.11期は固定資産売却益(賃貸不動産の売却)81百万円、減損(船橋市の賃貸不動産)25百万円、固定資産除却損(建物構築物など)41百万円、解決金(時間外労働分の自主的精算)79百万円を計上。
直近のH29.8期3Qでも除却損45百万円、減損61百万円を計上。
【財政状態】
(財務諸表の特徴)
純有利子負債(ipo資金受入後)2,553百万円、自己資本比率17%、有利子負債比率239%と負債割合が比較的大きい。
賃貸不動産、有価証券を多く抱えており、
有価証券は取得原価45百万円に対し時価が202百万円と多額の含み益を抱えている。
うち、飯田グループホールディングス株が112百万円、桧家ホールディングス株が79百万円を占める。
賃貸不動産はH28.11時点の時価は1,988百万円(簿価1,950百万円)であり賃貸損益は149百万円である。
繰延税金資産について、減損損失、繰越欠損金、退職給付などの一時差異があるが、約半分について税金試算を計上している。
(ROAとROE)
直近決算期であるH29.8期の純資産と想定発行価格による増資と直近Q決算期の年度換算利益を前提としたROA、ROEはそれぞれ1.6%、8.3%と低めである。
季節的変動要因と特別損失計上による利益低下の影響が大きい。
(IPO調達資金が自己資本へ与える影響)
想定発行価格と公募株式数に基づく調達資金は410百万円であり、直近純資産に対して24%の自己資本増加となる。
【株価】
(将来見込み)
ほぼ横ばいか若干の増収増益が期待できる程度である。
(PER指標)
直近決算期であるH29.8期の利益を単純年換算した利益と想定発行価格を前提としたPER(希薄化株式考慮済)は15.5倍である。
H28.11期利益を前提とすると8.7倍である。
季節的変動、特別損失計上を前提とすると低めの印象である。
(PBR指標)
直近決算期であるH29.8期の純資産と想定発行価格による増資を前提としたPBR(希薄化株式考慮済)は1.3倍である。
(類似会社比較)
同業他社のPERは10倍を下回る先が多く、株価はつきにくい業種であることが分かる。
:PER低めであるが同業他社のPERも低く妥当な水準である。
【法人概要】
設立:1983年4月
本社所在地:千葉県千葉市花見川区幕張本郷
事業内容:プレカット木材の加工販売、戸建住宅建築請負、不動産賃貸
業種分類:その他製品
決算:11月
上場市場:JASDAQスタンダード
監査人:千葉第一監査法人
主幹事証券:みずほ証券
社長:中井千代助、昭和25年うまれ、昭和48年に当社入社
【実施する事業】
①プレカット事業
(286人、H29.8期3Qで受注78億円、受注残18億円、直近H28.11期 売上10,742百万円、営業利益306百万円/H29.8期3Q 売上8,463百万円、営業利益149百万円)
在来軸組工法における設計(CAD:コンピュータ支援設計)、木材のプレカット加工及び販売、ツーバイフォー工法における設計、木材のプレカット加工、パネル(プレカット加工木材を枠組みしてパネルとしたもの)の製造及び販売を実施。
②建築請負事業
(28人、H29.8期3Qで受注24億円、受注残7億円、直近H28.11期 売上3,435百万円、営業利益126百万円/H29.8期3Q 売上2,712百万円、営業利益22百万円)
木造戸建住宅及び木造一般建築物の建築(新築・増改築)の請負を実施。プレカット製品を仕入して建築する。なのはなハウジング(売上32億、経常利益103百万円、総資産1,575百万円、純資産451百万円)が実施。
③不動産賃貸事業
(1人、直近H28.11期 売上199百万円、営業利益112百万円/H29.8期3Q 売上203百万円、営業利益139百万円)
不動産賃貸及び管理を行っており、株式会社CLCコーポレーションが実施。
木材の多くは海外からの輸入であり、木価格の世界的な変動、為替、船舶需要の影響を受けやすい。
首都圏に生産、営業拠点を置きエリアを絞っている。また、H28.11に生産設備を新式に全面入れ替えした。山武第二工場への投資は総額で7億円を超える。
一人当たり給与平均額が365万円と低めである。
売上の10%程度は㈱東栄住宅向け(プレカット事業)である。
また、季節的変動があり、第4Q(9~11月)に売上約3割、利益約5割が集中する。
【損益(過去2期+直近Q)】
(売上、売上総利益)
売上:直近通年期前期比9%増、直近四半期単純年換算前期比8%増
季節的変動により4Qが期待できそうであるにも関わらず3Qまでの進捗は良好である。
粗利率:前々期17.3%、前期17.9%、直近四半期16.8%
直近Qの粗利率が低下してきている。
売上総利益:直近通年期前期比13%増、直近四半期単純年換算前期比3%減
直近Qは売上好調であるが、粗利率が低下したため売上総利益額の進捗率は3Qで前年比73%に留まっている。
(販管費、営業損益)
販管費:直近通年期前期比14%増、直近四半期単純年換算前期比4%増
販管費の主なものとしてH28.11期1,855百万円のうち、運賃が674百万円、給与が480百万円と大部分を占めている。
営業利益:直近通年期前期比9%増、直近四半期単純年換算前期比25%減
直近Qは粗利率の低下と販管費の増加により営業利益は3Qで昨年度の56%と進捗は思わしくない。
しかし、季節的変動により第4Qに期待が持てそうである。
(最終利益)
「最終利益÷営業利益」:前々期44.3%、前期54.5%、直近四半期41%と低めである。
毎期減損等の特別損失を計上していることが要因である。
営業外収益として毎期27百万円程度の受取賃貸料を計上している。
特別損益として、H27.11期は減損(柏市の賃貸不動産)96百万円計上、H28.11期は固定資産売却益(賃貸不動産の売却)81百万円、減損(船橋市の賃貸不動産)25百万円、固定資産除却損(建物構築物など)41百万円、解決金(時間外労働分の自主的精算)79百万円を計上。
直近のH29.8期3Qでも除却損45百万円、減損61百万円を計上。
【財政状態】
(財務諸表の特徴)
純有利子負債(ipo資金受入後)2,553百万円、自己資本比率17%、有利子負債比率239%と負債割合が比較的大きい。
賃貸不動産、有価証券を多く抱えており、
有価証券は取得原価45百万円に対し時価が202百万円と多額の含み益を抱えている。
うち、飯田グループホールディングス株が112百万円、桧家ホールディングス株が79百万円を占める。
賃貸不動産はH28.11時点の時価は1,988百万円(簿価1,950百万円)であり賃貸損益は149百万円である。
繰延税金資産について、減損損失、繰越欠損金、退職給付などの一時差異があるが、約半分について税金試算を計上している。
(ROAとROE)
直近決算期であるH29.8期の純資産と想定発行価格による増資と直近Q決算期の年度換算利益を前提としたROA、ROEはそれぞれ1.6%、8.3%と低めである。
季節的変動要因と特別損失計上による利益低下の影響が大きい。
(IPO調達資金が自己資本へ与える影響)
想定発行価格と公募株式数に基づく調達資金は410百万円であり、直近純資産に対して24%の自己資本増加となる。
【株価】
(将来見込み)
ほぼ横ばいか若干の増収増益が期待できる程度である。
(PER指標)
直近決算期であるH29.8期の利益を単純年換算した利益と想定発行価格を前提としたPER(希薄化株式考慮済)は15.5倍である。
H28.11期利益を前提とすると8.7倍である。
季節的変動、特別損失計上を前提とすると低めの印象である。
(PBR指標)
直近決算期であるH29.8期の純資産と想定発行価格による増資を前提としたPBR(希薄化株式考慮済)は1.3倍である。
(類似会社比較)
同業他社のPERは10倍を下回る先が多く、株価はつきにくい業種であることが分かる。
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シー・エス・ランバー(7808) | |||||
(単位:千円) | H27.11 | H28.11 | 増減 | H29.8 | Q進捗 |
売上高 | 12,531,871 | 13,635,093 | 1,103,222 | 10,504,309 | 77% |
年間予想 | 14,005,745 | 75% | |||
売上総利益 | 2,164,576 | 2,436,691 | 272,115 | 1,768,982 | 73% |
販管費 | 1,632,008 | 1,855,241 | 223,233 | 1,443,315 | 78% |
営業利益 | 532,568 | 581,450 | 48,882 | 325,667 | 56% |
年間予想 | 434,223 | 75% | |||
減価償却費 | 200,096 | 233,914 | 33,818 | 222,658 | 95% |
EBITDA | 732,664 | 815,364 | 82,700 | 548,325 | 67% |
支配株主帰属利益 | 235,676 | 316,946 | 81,270 | 133,467 | 42% |
年間予想 | 177,956 | 75% | |||
簡易営業キャッシュフロー | 435,772 | 550,860 | 115,088 | 356,125 | |
年間予想 | 474,833 | ||||
※年間予想はQ数値を年次に単純換算した金額 | |||||
H27.11 | H28.11 | H29.8 | 予想 | ||
売上総利益率 | 17.3% | 17.9% | 16.8% | ||
営業利益率 | 4.2% | 4.3% | 3.1% | 3.1% | |
支配株主帰属利益率 | 1.9% | 2.3% | 1.3% | 1.3% | |
最終利益÷営業利益 | 44.3% | 54.5% | 41.0% | 41.0% | |
シー・エス・ランバー(7808)の財政状態 | |||||
BS項目 | H29.8 | ||||
現預金等 | 1,166,473 | ||||
流動資産 | 4,541,173 | ||||
流動負債 | 5,104,020 | ||||
流動資産ー流動負債 | △562,847 | ||||
うち現金短借以外 | 114,467 | ||||
有利子負債(流動) | 1,843,787 | ||||
有利子負債(固定) | 2,286,273 | ||||
有利子負債計 | 4,130,060 | ||||
ネット有利子負債 | 2,963,587 | ||||
固定資産 | 5,889,162 | ||||
固定負債 | 3,596,626 | ||||
純資産 | 1,729,689 | ||||
非支配株主持分 | 0 | ||||
親会社所有者持分 | 1,729,689 | ||||
流動比率 | 89% | ||||
固定長期適合率 | 111% | ||||
自己資本比率 | 17% | ||||
有利子負債比率 | 239% | ||||
シー・エス・ランバー(7808)の利益指標 | |||||
H28.11 | H29.8 | 予想 | |||
ROE | 14.8% | 8.3% | 8.3% | ||
ROA | 2.9% | 1.6% | 1.6% | ||
シー・エス・ランバー(7808)の株式数,時価総額の見込み | |||||
上場前発行済株式 | 1,480,500 | 自己株除く | |||
うち売出株数 | 193,000 | 当選枚数 | |||
上場時発行株式 | 301,500 | OA含む | 4,945 | ||
引受価額 | 1,361.6 | 円 | |||
上場時調達見込額 | 410,522 | 千円 | |||
調達後親会社所有者持分 | 2,140,211 | ||||
上場時増資額/直近純資産 | 24% | ||||
直近株価 | 1,480 | 想定発行価格 | |||
時価総額 | 2,637,360 | 千円 | |||
非支配株主持分 | 0 | ||||
純有利子負債(ipo資金受入後) | 2,553,065 | ||||
事業価値 | 5,190,425 | ||||
潜在株 | 82,200 | 4.6% | ←潜在株割合 | ||
シー・エス・ランバー(7808)の株価指標 | |||||
指標 | H28.11 | H29.8 | 予想 | ||
EBIT倍率 | 8.9 | 12.0 | 12.0 | ||
EBITDA倍率 | 6.4 | 7.1 | |||
営業利益PER | 4.7 | 6.4 | 6.4 | ||
PER | 8.7 | 15.5 | 15.5 | ||
PBR | 1.3 | ||||
シー・エス・ランバー(7808)における従業員の状況 | |||||
H29.9 | |||||
連結人員 | 318 | 人 | |||
親会社単体人員 | 250 | 人 | |||
親会社単体平均年齢 | 38.1 | 才 | |||
親会社単体平均年収 | 3,653 | 千円 | |||
一人あたり年間粗利(連結) | 7,417 | 千円 | |||
一人あたり年間販管費(連結) | 6,052 | 千円 | |||
シー・エス・ランバー(7808)上場までの資本政策 | |||||
発行日 | 株数 | 発行価格 | 分割考慮 | 割当先 | |
設立~ | 4,995 | ||||
H29/4 | 1,493,505 | 300分割 | |||
IPO直前計 | 1,498,500 | ||||
IPO時 | 301,500 | 1,480 | ⇒想定発行価格 | ||
IPO後計 | 1,800,000 | 時価総額 | 2,664 | 百万円 | |
分割日 | 分割数 | ||||
H29/4 | 300 | ||||
類似上場会社指標(H29.10.12時点) | |||||
銘柄 | 銘柄コード | PER | PBR | ||
飯田グループHD | 3291 | 7.6 | 0.9 | ||
桧家HD | 1413 | 9.1 | 2.2 | ||
土屋HD | 1840 | 41.8 | 0.4 | ||
日本ハウスHD | 1873 | 9.2 | 1.5 |