【損益(過去2期+直近Q)の分析】
(売上、売上総利益)
売上:直近通年期前期比89%、直近四半期単純年換算前期比95%である。
売上高は減少傾向にあるが、NZドルが多少円高方向となっている点は原因として考慮すべきである。
売上の95%超をニュージーランド向けが占めている。
粗利率:前々期21%、前期22%、直近期Q23%で推移している。
海上輸送仕入高に対するトヨフジ海運株式会社の占める割合は8割近くを占め依存度が高い。
粗利率は20%程度で安定している。
売上総利益:直近通年期前期比93%、直近四半期単純年換算前期比99%である。
粗利率は安定しているものの、売上高の減少により粗利額は減少傾向にある。
(販管費、営業損益)
販管費:直近通年期前期比110%、直近四半期単純年換算前期比98%である。
H29.3期の販管費4461百万円のうち、給与が1,233百万円、業務委託費が787百万円、役員報酬が461百万円を占めている。
営業利益:直近通年期前期比65%、直近四半期単純年換算前期比103%である。
H29.3期は粗利減少、販管費増加により営業利益は大幅マイナスに陥った。H29.9期は販管費は抑えられ営業利益はプラス推移している。
(最終利益)
「最終利益÷営業利益」:前々期38%、前期87%、直近期Q78%で推移している。
ニュージーランド向け売上が大きいため、H28.3期は為替差損が1,026百万円、H29.3期は為替差益が435百万円と為替差損益が多額に計上されている。H29.9期2Qは為替差益が145百万円計上された。
【財政状態の分析】
(財務諸表の特徴)
直近決算における純有利子負債(マイナスは純キャッシュ)は3672百万円(IPO資金調達後は3247百万円)、自己資本比率は47%、有利子負債比率は91%である。
有利子負債の負担が比較的大きい、また、固定資産39億円のうち、土地、建物がそれぞれ10億円以上ある。
繰延税金資産についてH29.3期の一時差異(税額見合額)140百万円のうち貸倒引当金が29百万円を占めている。評価性引当額は4百万円と小さい。また、繰延税金負債として、減価償却費145百万円、海外子会社留保利益33百万円が計上されている。
(資本政策)
上場に当たっての当選枚数は16112枚である。
(ROAとROE)
直近決算期であるH29.9期の純資産と想定発行価格による増資と直近Q決算期の年度換算利益を前提としたROA、ROEはそれぞれ6%、13%である
また、上記純資産を基準として直近通期決算期の年度換算利益を前提としたROA、ROEはそれぞれ7%、14%である
ROEは安定して10%を超えている。
(IPO調達資金が自己資本へ与える影響)
想定発行価格と公募株式数に基づく調達資金は430百万円であり、直近純資産に対して5%の自己資本増加となる。
【株価の分析】
(将来見込み)
売上、利益は横ばいの印象であるが、ニュージーランドの日本中古車需要と為替の影響により業績が大きく左右されそうである。
(PER指標)
直近Q決算期であるH29.9期の利益の年換算額と想定発行価格を前提としたPER(希薄化株式考慮済)は7.7倍である
また、直近通年決算期であるH29.3期の利益と想定発行価格を前提としたPER(希薄化株式考慮済)は7.1倍である
10倍を下回っており非常に安い印象であるが為替差損益の影響が大きい点は留意すべき。
(PBR指標)
直近Q決算期であるH29.9期の純資産額と想定発行価格を前提としたIPO増資を前提としたPBR(希薄化株式考慮済)は1倍である
ROEは安定して10%を超えており、割安な印象である。
(類似会社比較)
ビジネスモデルが近い上場会社のPERは10.49~20.7倍、PBRは0.65~1.23倍である。
また類似会社のROEは6.1~9.1%、ROAは2~5.1%である。
他社と比べてROEの水準は高く、PERはやや低めの印象である。
(売上、売上総利益)
売上:直近通年期前期比89%、直近四半期単純年換算前期比95%である。
売上高は減少傾向にあるが、NZドルが多少円高方向となっている点は原因として考慮すべきである。
売上の95%超をニュージーランド向けが占めている。
粗利率:前々期21%、前期22%、直近期Q23%で推移している。
海上輸送仕入高に対するトヨフジ海運株式会社の占める割合は8割近くを占め依存度が高い。
粗利率は20%程度で安定している。
売上総利益:直近通年期前期比93%、直近四半期単純年換算前期比99%である。
粗利率は安定しているものの、売上高の減少により粗利額は減少傾向にある。
(販管費、営業損益)
販管費:直近通年期前期比110%、直近四半期単純年換算前期比98%である。
H29.3期の販管費4461百万円のうち、給与が1,233百万円、業務委託費が787百万円、役員報酬が461百万円を占めている。
営業利益:直近通年期前期比65%、直近四半期単純年換算前期比103%である。
H29.3期は粗利減少、販管費増加により営業利益は大幅マイナスに陥った。H29.9期は販管費は抑えられ営業利益はプラス推移している。
(最終利益)
「最終利益÷営業利益」:前々期38%、前期87%、直近期Q78%で推移している。
ニュージーランド向け売上が大きいため、H28.3期は為替差損が1,026百万円、H29.3期は為替差益が435百万円と為替差損益が多額に計上されている。H29.9期2Qは為替差益が145百万円計上された。
【財政状態の分析】
(財務諸表の特徴)
直近決算における純有利子負債(マイナスは純キャッシュ)は3672百万円(IPO資金調達後は3247百万円)、自己資本比率は47%、有利子負債比率は91%である。
有利子負債の負担が比較的大きい、また、固定資産39億円のうち、土地、建物がそれぞれ10億円以上ある。
繰延税金資産についてH29.3期の一時差異(税額見合額)140百万円のうち貸倒引当金が29百万円を占めている。評価性引当額は4百万円と小さい。また、繰延税金負債として、減価償却費145百万円、海外子会社留保利益33百万円が計上されている。
(資本政策)
上場に当たっての当選枚数は16112枚である。
(ROAとROE)
直近決算期であるH29.9期の純資産と想定発行価格による増資と直近Q決算期の年度換算利益を前提としたROA、ROEはそれぞれ6%、13%である
また、上記純資産を基準として直近通期決算期の年度換算利益を前提としたROA、ROEはそれぞれ7%、14%である
ROEは安定して10%を超えている。
(IPO調達資金が自己資本へ与える影響)
想定発行価格と公募株式数に基づく調達資金は430百万円であり、直近純資産に対して5%の自己資本増加となる。
【株価の分析】
(将来見込み)
売上、利益は横ばいの印象であるが、ニュージーランドの日本中古車需要と為替の影響により業績が大きく左右されそうである。
(PER指標)
直近Q決算期であるH29.9期の利益の年換算額と想定発行価格を前提としたPER(希薄化株式考慮済)は7.7倍である
また、直近通年決算期であるH29.3期の利益と想定発行価格を前提としたPER(希薄化株式考慮済)は7.1倍である
10倍を下回っており非常に安い印象であるが為替差損益の影響が大きい点は留意すべき。
(PBR指標)
直近Q決算期であるH29.9期の純資産額と想定発行価格を前提としたIPO増資を前提としたPBR(希薄化株式考慮済)は1倍である
ROEは安定して10%を超えており、割安な印象である。
(類似会社比較)
ビジネスモデルが近い上場会社のPERは10.49~20.7倍、PBRは0.65~1.23倍である。
また類似会社のROEは6.1~9.1%、ROAは2~5.1%である。
他社と比べてROEの水準は高く、PERはやや低めの印象である。
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オプティマスグループ(9268) | |||||
想定発行価格の印象 | |||||
PE指標は非常に割安である。しかし、業績横ばい、為替リスクはあり。 | |||||
オプティマスグループ(9268)の概要 | |||||
項目 | 内容 | ||||
事業内容 | 海外自動車ディーラー向け中古自動車輸出ほか関連業務 | ||||
業種別分類 | 卸売業 | ||||
本店所在地 | 東京都港区芝 | ||||
監査法人 | 新日本 | ||||
主幹事 | 野村證券 | ||||
決算月 | 3月 | ||||
BB期間 | H29.12.8 | ~ | H29.12.14 | ||
上場日 | H29.12.26 | ||||
上場市場 | 市場2部 | ||||
大株主① | 山中信哉 | 2,204,190株 | 持株割合44% | うち売出 | 922,000株 |
大株主② | デイモン・スコット・ジャクソン | 911,460株 | 持株割合18% | うち売出 | 158,600株 |
社長 | 山中信哉、1960年生まれ、1988年当社設立 | ||||
オプティマスグループ(9268)の沿革 | |||||
時期 | 内容 | ||||
S63.4 | 当社代表取締役社長山中信哉が三重県度会郡小俣町(現 三重県伊勢市)において、水産食品の輸出入事業を目的として㈱日貿・ジャパントレーディング(現 ㈱日貿)を設立 | ||||
H1.5 | 日本の中古自動車を輸出するビジネスを開始 | ||||
H27.1 | ㈱日貿の単独株式移転により純粋持株会社である当社を設立 | ||||
オプティマスグループ(9268)が実施する事業内容 | |||||
項目 | 内容 | ||||
貿易 | 62名、中古自動車の仕入れ及び販売、国内オークションで仕入れ海外現地ディーラーへ販売 | ||||
(販売実績) | H29.3⇒ | 17,333百万円 | H29.9⇒ | 7,870百万円 | 進捗率45% |
(利益実績) | H29.3⇒ | 379百万円 | H29.9⇒ | 59百万円 | 進捗率16% |
物流 | 16名、中古自動車の輸出に付随する物流業務 | ||||
(販売実績) | H29.3⇒ | 4,709百万円 | H29.9⇒ | 2,318百万円 | 進捗率49% |
(利益実績) | H29.3⇒ | 792百万円 | H29.9⇒ | 376百万円 | 進捗率47% |
サービス | 91名、ニュージーランドのディーラーなど事業者向け及び一般消費者向け事業(債権回収補助業務、自動車ローン事業など)を実施 | ||||
(販売実績) | H29.3⇒ | 3,746百万円 | H29.9⇒ | 2,204百万円 | 進捗率59% |
(利益実績) | H29.3⇒ | -62百万円 | H29.9⇒ | 45百万円 | |
検査 | 246名、中古自動車の輸出に必要な検査業務を行っていると同時に、当社グループ外の顧客からも受託 | ||||
(販売実績) | H29.3⇒ | 3,963百万円 | H29.9⇒ | 1,959百万円 | 進捗率49% |
(利益実績) | H29.3⇒ | 626百万円 | H29.9⇒ | 342百万円 | 進捗率55% |
オプティマスグループ(9268)過去5年間の指標(単体)推移 | |||||
項目 | 5年前 | ⇒ | 直近H29.3期 | ||
売上高 | 9,962百万円 | ⇒ | 17,333百万円 | ||
当期利益 | 123百万円 | ⇒ | 257百万円 | ||
総資産 | 6,901百万円 | ⇒ | 8,909百万円 | ||
純資産 | 942百万円 | ⇒ | 1,049百万円 | ||
従業員数 | 51人 | ⇒ | 60人 | ||
オプティマスグループ(9268)の業績推移分析 | |||||
(単位:百万円) | H28.3 | H29.3 | 増減 | H29.9 | Q進捗 |
売上高 | 30,420 | 27,093 | △3,328 | 12,898 | 48% |
年間予想 | 25,796 | 50% | |||
売上総利益 | 6,491 | 6,038 | △453 | 2,999 | 50% |
販管費 | 4,067 | 4,461 | 394 | 2,190 | 49% |
営業利益 | 2,424 | 1,577 | △847 | 809 | 51% |
年間予想 | 1,617 | 50% | |||
減価償却費 | 177 | 191 | 14 | 111 | 58% |
EBITDA | 2,601 | 1,768 | △833 | 920 | 52% |
支配株主帰属利益 | 922 | 1,368 | 446 | 634 | 46% |
年間予想 | 1,268 | 50% | |||
簡易営業キャッシュフロー | 1,098 | 1,558 | 460 | 745 | |
年間予想 | 1,490 | ||||
※年間予想はQ数値を年次に単純換算した金額 | |||||
H28.3 | H29.3 | H29.9 | 予想 | ||
売上総利益率 | 21.3% | 22.3% | 23.2% | ||
営業利益率 | 8.0% | 5.8% | 6.3% | 6.3% | |
支配株主帰属利益率 | 3.0% | 5.0% | 4.9% | 4.9% | |
最終利益÷営業利益 | 38.0% | 86.7% | 78.4% | 78.4% | |
オプティマスグループ(9268)の財政状態 | |||||
BS項目 | H29.9 | ||||
現預金等 | 4,559 | ||||
流動資産 | 15,240 | ||||
流動負債 | 8,163 | ||||
流動資産ー流動負債 | 7,077 | ||||
うち現金短借以外 | 9,123 | ||||
有利子負債(流動) | 6,604 | ||||
有利子負債(固定) | 1,627 | ||||
有利子負債計 | 8,231 | ||||
ネット有利子負債 | 3,672 | ||||
固定資産 | 3,934 | ||||
固定負債 | 1,951 | ||||
純資産 | 9,060 | ||||
非支配株主持分 | 0 | ||||
親会社所有者持分 | 9,060 | ||||
流動比率 | 187% | ||||
固定長期適合率 | 36% | ||||
自己資本比率 | 47% | ||||
有利子負債比率 | 91% | ||||
オプティマスグループ(9268)の利益指標 | |||||
H29.3 | H29.9 | 予想 | |||
ROE | 14.4% | 13.4% | 13.4% | ||
ROA | 7.0% | 6.5% | 6.5% | ||
オプティマスグループ(9268)の株式数,時価総額の見込み | |||||
上場前発行済株式 | 5,022,525 | 自己株除く | |||
うち売出株数 | 1,340,600 | 当選枚数 | |||
上場時発行株式 | 270,600 | OA含む | 16,112 | ||
引受価額 | 1,573.2 | 円 | |||
上場時調達見込額 | 425,708 | 千円 | |||
調達後親会社所有者持分 | 9,485,330 | ||||
上場時増資額/直近純資産 | 5% | ||||
直近株価 | 1,710 | 想定発行価格 | |||
時価総額 | 9,051,244 | 千円 | |||
非支配株主持分 | 0 | ||||
純有利子負債(ipo資金受入後) | 3,246,509 | ||||
事業価値 | 12,297,753 | ||||
潜在株 | 389,480 | 7.4% | ←潜在株割合 | ||
オプティマスグループ(9268)の株価指標 | |||||
指標 | H29.3 | H29.9 | 予想 | ||
EBIT倍率 | 7.8 | 7.6 | 7.6 | ||
EBITDA倍率 | 7.0 | 6.7 | |||
営業利益PER | 6.2 | 6.0 | 6.0 | ||
PER | 7.1 | 7.7 | 7.7 | ||
PBR | 1.0 | ||||
オプティマスグループ(9268)における従業員の状況 | |||||
H29.10 | |||||
連結人員 | 437 | 人 | |||
親会社単体人員 | 22 | 人 | |||
親会社単体平均年齢 | 41.9 | 才 | |||
親会社単体平均年収 | 8,787 | 千円 | |||
一人あたり年間粗利(連結) | 13,724 | 千円 | |||
一人あたり年間販管費(連結) | 10,024 | 千円 | |||
オプティマスグループ(9268)上場までの資本政策 | |||||
発行日 | 株数 | 発行価格 | 分割考慮 | 割当先 | |
H27/1 | 657,292 | 株式移転により設立 | |||
H27/3 | 332,770 | 7,717 | 1,543 | 子会社役員 | |
H28/3 | 14,443 | 8,008 | 1,602 | 子会社役員 | |
H29/6 | 4,018,020 | 5分割 | |||
IPO直前計 | 5,022,525 | ||||
IPO時 | 270,600 | 1,710 | ⇒想定発行価格 | ||
IPO後計 | 5,293,125 | 時価総額 | 9,051 | 百万円 | |
分割日 | 分割数 | 売買月 | 分割考慮単価 | 買受人 | |
H29/6 | 5 | H27/6 | 368 | 熊谷 裕之 | |
類似上場会社指標(H29.11.22時点) | |||||
銘柄 | 銘柄コード | PER | PBR | ROE | ROA |
トラスト | 3347 | 20.7 | 1.2 | 9.1 | 2.0 |
アップルインターナショナル | 2788 | 10.5 | 0.7 | 6.1 | 5.1 |
オプティマスグループ(9268) | 7.1 | 1.0 | 14.4 | 7.0 | |
銘柄 | 売上(百万) | 営業利益(百万) | 特徴 | ||
トラスト | 17,082 | 1,453 | ネット経由で海外個人向け中古車輸出 | ||
アップルインターナショナル | 14,808 | 489 | 東南アジア向け中古車輸出 | ||
オプティマスグループ(9268) | 27,093 | 1,577 |