【損益(過去2期+直近Q)の分析】
(売上、売上総利益)
売上:直近通年期前期比99%、直近四半期単純年換算前期比103%でありほぼ横ばい。
本田技研グループ向けの依存度が大きく売上の約6割を占める。特に樹脂加工製品セグメントにおいては売上の90%以上を占める。
海外売上割合が高く65%が海外であり、北米、アジア向けが大部分である。
粗利率:前々期12%、前期12%、直近期Q12%で低めであるが安定して推移している。
売上総利益:直近通年期前期比100%、直近四半期単純年換算前期比102%である。
売上、粗利率が安定しているため粗利額も安定して推移している。
(販管費、営業損益)
販管費:直近通年期前期比100%、直近四半期単純年換算前期比101%である。
H29.3期の販管費14468百万円のうち、給与が4,092百万円、運賃保管料が3,037百万円、研究開発費が1,929百万円を占めている。なお、製造費用まで含めた研究開発費総額は2,461百万円と多額である。
営業利益:直近通年期前期比100%、直近四半期単純年換算前期比105%である。
営業利益もほぼ横ばいと見て良い。
(最終利益)
「最終利益÷営業利益」:前々期53%、前期16%、直近期Q77%で推移している。
H29.3期に減損損失1,996百万円を計上した。森六テクノロジーの鈴鹿工場が赤字であったことによる減損処理が主な内容である。
H29.9期は為替差益276百万円の計上があり、また、税前利益に対する税金費用割合が28%と低めである。
【財政状態の分析】
(財務諸表の特徴)
直近決算における純有利子負債(マイナスは純キャッシュ)は1639百万円(IPO資金調達後は-2535百万円)、自己資本比率は47%、有利子負債比率は20%である。
有形固定資産44,716百万円のほか投資有価証券を18,838百万円保有しており、上場会社株を多額に保有している。本田技研3,849百万円、マキタ2,200百万円、関西ペイント2,204百万円、三井物産903百万円などである。時価評価有価証券の取得価格は6十億円で時価が16十億円であり10十億円の含み益を保有している。
繰延税金資産についてH29.3期の一時差異(税額見合額)3,315百万円のうち繰越欠損金が918百万円を占めている。なお、評価性引当額は1,988百万円である。
(資本政策)
上場に当たっての当選枚数は39100枚である。
(ROAとROE)
直近決算期であるH29.9期の純資産と想定発行価格による増資と直近Q決算期の年度換算利益を前提としたROA、ROEはそれぞれ4%、9%である
また、上記純資産を基準として直近通期決算期の年度換算利益を前提としたROA、ROEはそれぞれ1%、2%である
(IPO調達資金が自己資本へ与える影響)
想定発行価格と公募株式数に基づく調達資金は4170百万円であり、直近純資産に対して7%の自己資本増加となる。
【株価の分析】
(将来見込み)
業績はほぼ横ばいである。本田技研向けの樹脂加工事業よりもケミカル事業に期待がかかる。
(PER指標)
直近Q決算期であるH29.9期の利益の年換算額と想定発行価格を前提としたPER(希薄化株式考慮済)は8.4倍である
また、直近通年決算期であるH29.3期の利益と想定発行価格を前提としたPER(希薄化株式考慮済)は42.1倍である
(PBR指標)
直近Q決算期であるH29.9期の純資産額と想定発行価格を前提としたIPO増資を前提としたPBR(希薄化株式考慮済)は0.7倍である
(類似会社比較)
ビジネスモデルが近い上場会社のPERは9.15~26.34倍、PBRは0.75~0.84倍である。
また類似会社のROEは3.2~10.4%、ROAは1~7.1%である。
減損ないH29.9期ベースでみると、PERは10倍未満、PBRも0.7倍でありやや割安感がある。
(売上、売上総利益)
売上:直近通年期前期比99%、直近四半期単純年換算前期比103%でありほぼ横ばい。
本田技研グループ向けの依存度が大きく売上の約6割を占める。特に樹脂加工製品セグメントにおいては売上の90%以上を占める。
海外売上割合が高く65%が海外であり、北米、アジア向けが大部分である。
粗利率:前々期12%、前期12%、直近期Q12%で低めであるが安定して推移している。
売上総利益:直近通年期前期比100%、直近四半期単純年換算前期比102%である。
売上、粗利率が安定しているため粗利額も安定して推移している。
(販管費、営業損益)
販管費:直近通年期前期比100%、直近四半期単純年換算前期比101%である。
H29.3期の販管費14468百万円のうち、給与が4,092百万円、運賃保管料が3,037百万円、研究開発費が1,929百万円を占めている。なお、製造費用まで含めた研究開発費総額は2,461百万円と多額である。
営業利益:直近通年期前期比100%、直近四半期単純年換算前期比105%である。
営業利益もほぼ横ばいと見て良い。
(最終利益)
「最終利益÷営業利益」:前々期53%、前期16%、直近期Q77%で推移している。
H29.3期に減損損失1,996百万円を計上した。森六テクノロジーの鈴鹿工場が赤字であったことによる減損処理が主な内容である。
H29.9期は為替差益276百万円の計上があり、また、税前利益に対する税金費用割合が28%と低めである。
【財政状態の分析】
(財務諸表の特徴)
直近決算における純有利子負債(マイナスは純キャッシュ)は1639百万円(IPO資金調達後は-2535百万円)、自己資本比率は47%、有利子負債比率は20%である。
有形固定資産44,716百万円のほか投資有価証券を18,838百万円保有しており、上場会社株を多額に保有している。本田技研3,849百万円、マキタ2,200百万円、関西ペイント2,204百万円、三井物産903百万円などである。時価評価有価証券の取得価格は6十億円で時価が16十億円であり10十億円の含み益を保有している。
繰延税金資産についてH29.3期の一時差異(税額見合額)3,315百万円のうち繰越欠損金が918百万円を占めている。なお、評価性引当額は1,988百万円である。
(資本政策)
上場に当たっての当選枚数は39100枚である。
(ROAとROE)
直近決算期であるH29.9期の純資産と想定発行価格による増資と直近Q決算期の年度換算利益を前提としたROA、ROEはそれぞれ4%、9%である
また、上記純資産を基準として直近通期決算期の年度換算利益を前提としたROA、ROEはそれぞれ1%、2%である
(IPO調達資金が自己資本へ与える影響)
想定発行価格と公募株式数に基づく調達資金は4170百万円であり、直近純資産に対して7%の自己資本増加となる。
【株価の分析】
(将来見込み)
業績はほぼ横ばいである。本田技研向けの樹脂加工事業よりもケミカル事業に期待がかかる。
(PER指標)
直近Q決算期であるH29.9期の利益の年換算額と想定発行価格を前提としたPER(希薄化株式考慮済)は8.4倍である
また、直近通年決算期であるH29.3期の利益と想定発行価格を前提としたPER(希薄化株式考慮済)は42.1倍である
(PBR指標)
直近Q決算期であるH29.9期の純資産額と想定発行価格を前提としたIPO増資を前提としたPBR(希薄化株式考慮済)は0.7倍である
(類似会社比較)
ビジネスモデルが近い上場会社のPERは9.15~26.34倍、PBRは0.75~0.84倍である。
また類似会社のROEは3.2~10.4%、ROAは1~7.1%である。
減損ないH29.9期ベースでみると、PERは10倍未満、PBRも0.7倍でありやや割安感がある。
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森六ホールディングス(4249) | |||||
想定発行価格の印象 | |||||
業績横ばいであり同業他社とのPER,PBR指標も大きくは変わらない。ケミカル事業の伸びに期待。 | |||||
森六ホールディングス(4249)の概要 | |||||
項目 | 内容 | ||||
事業内容 | 化学製品先般の販売を行なうケミカル事業と自動車、バイク向け樹脂加工製品事業 | ||||
業種別分類 | 化学 | ||||
本店所在地 | 東京都港区南青山 | ||||
監査法人 | あずさ監査法人 | ||||
主幹事 | 野村證券 | ||||
決算月 | 3月 | ||||
BB期間 | H29.12.4 | ~ | H29.12.8 | ||
上場日 | H29.12.20 | ||||
上場市場 | 市場1部 or 2部 | ||||
大株主① | 森六従業員持株会 | 1,815,006株 | うち売出 | 0株 | |
大株主② | 三井化学 | 1,416,000株 | うち売出 | 0株 | |
社長 | 三輪 繁信、昭和23年うまれ、昭和48年に当社入社 | ||||
森六ホールディングス(4249)の沿革 | |||||
時期 | 内容 | ||||
T5.3 | 資本金100万円で㈱森六商店を設立 | ||||
H24/7 | Moriroku Technology De Mexico S.A. DE C.V.をメキシコに設立 | ||||
H28/4 | 群馬県に新しい関東工 場を竣工 |
||||
H28/9 | M&C Tech Indiana Corporationをアメリカに設立 | ||||
H28/10 | PT. Moriroku Chemicals Indonesiaをインドネシアに設立 | ||||
H29/5 | Moriroku Technology De Mexico S.A. DE C.V.(メキシコ)自動四輪車 部品の量産開始 |
||||
森六ホールディングス(4249)が実施する事業内容 | |||||
項目 | 内容 | ||||
ケミカル事業 | 森六ケミカルズ㈱を中核として、電機・電子材料、自動車材料、コーティング、ファインケミカル、生活材料及び樹脂加工製品分野において、化学品・合成樹脂製品の販売・製造ならびに輸出入を実施、536名 | ||||
(販売実績) | H29.3⇒ | 67,499百万円 | H29.9⇒ | 34,554百万円 | |
(営業利益) | H29.3⇒ | 1,137百万円 | H29.9⇒ | 616百万円 | |
樹脂加工製品事業 | 森六テクノロジー㈱を中核として、主に自動車四輪部品(内装樹脂部品、外装樹脂部品等)の製造・販売を実施、3,729名 | ||||
(販売実績) | H29.3⇒ | 104,998百万円 | H29.9⇒ | 54,221百万円 | |
(営業利益) | H29.3⇒ | 5,163百万円 | H29.9⇒ | 2,675百万円 | |
森六ホールディングス(4249)過去5年間の指標(単体)推移 | |||||
項目 | 5年前 | ⇒ | 直近H29.3期 | ||
売上高 | 1,094百万円 | ⇒ | 1,395百万円 | ||
当期利益 | 233百万円 | ⇒ | 701百万円 | ||
総資産 | 31,903百万円 | ⇒ | 40,451百万円 | ||
純資産 | 19,584百万円 | ⇒ | 24,126百万円 | ||
従業員数 | 46人 | ⇒ | 46人 | ||
森六ホールディングス(4249)の業績推移分析 | |||||
(単位:百万円) | H28.3 | H29.3 | 増減 | H29.9 | Q進捗 |
売上高 | 172,224 | 170,005 | △2,219 | 87,335 | 51% |
年間予想 | 174,670 | 50% | |||
売上総利益 | 20,788 | 20,792 | 4 | 10,611 | 51% |
販管費 | 14,485 | 14,468 | △17 | 7,280 | 50% |
営業利益 | 6,303 | 6,324 | 21 | 3,331 | 53% |
年間予想 | 6,662 | 50% | |||
減価償却費 | 7,750 | 7,591 | △159 | 3,504 | 46% |
EBITDA | 14,053 | 13,915 | △138 | 6,835 | 49% |
支配株主帰属利益 | 3,320 | 1,026 | △2,294 | 2,571 | 251% |
年間予想 | 5,142 | 50% | |||
簡易営業キャッシュフロー | 11,070 | 8,617 | △2,453 | 6,075 | |
年間予想 | 12,150 | ||||
※年間予想はQ数値を年次に単純換算した金額 | |||||
H28.3 | H29.3 | H29.9 | 予想 | ||
売上総利益率 | 12.1% | 12.2% | 12.1% | ||
営業利益率 | 3.7% | 3.7% | 3.8% | 3.8% | |
支配株主帰属利益率 | 1.9% | 0.6% | 2.9% | 2.9% | |
最終利益÷営業利益 | 52.7% | 16.2% | 77.2% | 77.2% | |
森六ホールディングス(4249)の財政状態 | |||||
BS項目 | H29.9 | ||||
現預金等 | 9,948 | ||||
流動資産 | 56,472 | ||||
流動負債 | 46,344 | ||||
流動資産ー流動負債 | 10,128 | ||||
うち現金短借以外 | 194 | ||||
有利子負債(流動) | 14 | ||||
有利子負債(固定) | 11,573 | ||||
有利子負債計 | 11,587 | ||||
ネット有利子負債 | 1,639 | ||||
固定資産 | 65,818 | ||||
固定負債 | 18,555 | ||||
純資産 | 57,391 | ||||
非支配株主持分 | 1,239 | ||||
親会社所有者持分 | 56,152 | ||||
流動比率 | 122% | ||||
固定長期適合率 | 87% | ||||
自己資本比率 | 47% | ||||
有利子負債比率 | 20% | ||||
森六ホールディングス(4249)の利益指標 | |||||
H29.3 | H29.9 | 予想 | |||
ROE | 1.7% | 8.5% | 8.5% | ||
ROA | 0.8% | 4.1% | 4.1% | ||
森六ホールディングス(4249)の株式数,時価総額の見込み | |||||
上場前発行済株式 | 14,807,298 | 自己株除く | |||
うち売出株数 | 2,172,000 | 当選枚数 | |||
上場時発行株式 | 1,738,000 | OA含む | 39,100 | ||
引受価額 | 2,401.2 | 円 | |||
上場時調達見込額 | 4,173,286 | 千円 | |||
調達後親会社所有者持分 | 60,325,286 | ||||
上場時増資額/直近純資産 | 7% | ||||
直近株価 | 2,610 | 想定発行価格 | |||
時価総額 | 43,183,228 | 千円 | |||
非支配株主持分 | 1,239,000 | ||||
純有利子負債(ipo資金受入後) | △2,534,667 | ||||
事業価値 | 41,887,561 | ||||
潜在株 | 0.0% | ←潜在株割合 | |||
森六ホールディングス(4249)の株価指標 | |||||
指標 | H29.3 | H29.9 | 予想 | ||
EBIT倍率 | 6.6 | 6.3 | 6.3 | ||
EBITDA倍率 | 3.0 | 3.1 | |||
営業利益PER | 6.8 | 6.5 | 6.5 | ||
PER | 42.1 | 8.4 | 8.4 | ||
PBR | 0.7 | ||||
森六ホールディングス(4249)における従業員の状況 | |||||
H29.10 | |||||
連結人員 | 4,311 | 人 | |||
親会社単体人員 | 46 | 人 | |||
親会社単体平均年齢 | 41.6 | 才 | |||
親会社単体平均年収 | 7,259 | 千円 | |||
一人あたり年間粗利(連結) | 4,923 | 千円 | |||
一人あたり年間販管費(連結) | 3,377 | 千円 | |||
森六ホールディングス(4249)上場までの資本政策 | |||||
発行日 | 株数 | 発行価格 | 分割考慮 | 割当先 | |
~H29/10 | 8,480,000 | 設立時~ | |||
H29/10 | 8,480,000 | 2分割 | |||
-2,152,702 | 自己株除く | ||||
IPO直前計 | 14,807,298 | ||||
IPO時 | 1,738,000 | 2,610 | ⇒想定発行価格 | ||
IPO後計 | 16,545,298 | 時価総額 | 43,183 | 百万円 | |
分割日 | 分割数 | ||||
H29/10 | 2 | ||||
類似上場会社指標(H29.11.16時点) | |||||
銘柄 | 銘柄コード | PER | PBR | ROE | ROA |
三桜工業 | 6584 | 15.5 | 0.8 | 3.2 | 1.0 |
大豊工業 | 6470 | 11.7 | 0.8 | 7.5 | 3.9 |
ファルテック | 7215 | 26.3 | 0.8 | 5.0 | 1.5 |
村上開明堂 | 7292 | 9.2 | 0.8 | 10.4 | 7.1 |
森六ホールディングス(4249) | 42.1 | 0.7 | 1.7 | 0.8 | |
銘柄 | 売上(百万) | 営業利益(百万) | 特徴 | ||
三桜工業 | 133,794 | 6,004 | 自動車用の各種チューブ、世界に工場多数 | ||
大豊工業 | 108,953 | 6,357 | トヨタ系中堅、すべり軸受け | ||
ファルテック | 83,551 | 2,232 | 自動車外装部品 | ||
村上開明堂 | 69,906 | 7,261 | 自動車ミラー | ||
森六ホールディングス(4249) | 170,005 | 6,324 |