【損益(過去2期+直近Q)の分析】
(売上、売上総利益)
売上:直近通年期前期比134%、直近四半期単純年換算前期比107%であり順調に売上は伸長している。
主な売り先は海外の公共的施設、大学向けが多い。
粗利率:前々期72%、前期79%、直近期Q74%と安定して推移している。
売上原価は、材料費42%、労務費41%、経費(大部分はDEP)が16%を占める。
売上総利益:直近通年期前期比148%、直近四半期単純年換算前期比101%である。
売上の増加と安定した粗利率により粗利も増加傾向にある。ただし、直近29.12期は鈍化した印象。
(販管費、営業損益)
販管費:直近通年期前期比130%、直近四半期単純年換算前期比92%である。
H29.6期の販管費468百万円のうち、研究費が161百万円、給与が53百万円、販売手数料が50百万円を占めている。
営業利益:直近通年期前期比236%、直近四半期単純年換算前期比125%である。
直近Qは売上が伸びない分販管費の削減により営業利益は増加傾向にある。
(最終利益)
「最終利益÷営業利益」:前々期119%、前期78%、直近期Q61%で推移している。
H28.9期は利益に占める補助金、株売却益の割合が大きかったため119%と高い水準となった。
【財政状態の分析】
(財務諸表の特徴)
直近決算における純有利子負債(マイナスは純キャッシュ)は-81百万円(IPO資金調達後は-1379百万円)、自己資本比率は60%、有利子負債比率は36%である。
ネットキャッシュであり財務内容はそこそこ安定している。
繰延税金資産についてH29.6期の一時差異(税額見合額)25百万円のうち繰越欠損金が20百万円を占めているが、評価性引当額の計上はない。
(資本政策)
上場に当たっての当選枚数は11500枚である。
(ROAとROE)
直近決算期であるH29.12期の純資産と想定発行価格による増資と直近Q決算期の年度換算利益を前提としたROA、ROEはそれぞれ5%、7%である
また、上記純資産を基準として直近通期決算期の年度換算利益を前提としたROA、ROEはそれぞれ5%、7%である
ROEは10%をきっており現時点では投資効率は良好ではない。
(IPO調達資金が自己資本へ与える影響)
想定発行価格と公募株式数に基づく調達資金は1300百万円であり、直近純資産に対して200%の自己資本増加となる。
IPO資金全額を設備資金に充当するとのこと。
【株価の分析】
(将来見込み)
売上は増加傾向にあるが、H29.9末時点での受注残が同年6月と比較して2セグメントともに下落している点が気になる。
(PER指標)
直近Q決算期であるH29.12期の利益の年換算額と想定発行価格を前提としたPER(希薄化株式考慮済)は100.2倍である
また、直近通年決算期であるH29.6期の利益と想定発行価格を前提としたPER(希薄化株式考慮済)は98.1倍である
想定発行価格前提で100倍を超えておりやや強気である。
(PBR指標)
直近Q決算期であるH29.12期の純資産額と想定発行価格を前提としたIPO増資を前提としたPBR(希薄化株式考慮済)は6.5倍である
(類似会社比較)
ビジネスモデルが近い上場会社のPERは18.46~62倍、PBRは0.86~4.86倍である。
また類似会社のROEは3.4~17.1%、ROAは2.1~13.9%である。
対象会社はRO指標が低めであるにも関わらずPERは高めであり将来期待が大きいことが伺える。
(売上、売上総利益)
売上:直近通年期前期比134%、直近四半期単純年換算前期比107%であり順調に売上は伸長している。
主な売り先は海外の公共的施設、大学向けが多い。
粗利率:前々期72%、前期79%、直近期Q74%と安定して推移している。
売上原価は、材料費42%、労務費41%、経費(大部分はDEP)が16%を占める。
売上総利益:直近通年期前期比148%、直近四半期単純年換算前期比101%である。
売上の増加と安定した粗利率により粗利も増加傾向にある。ただし、直近29.12期は鈍化した印象。
(販管費、営業損益)
販管費:直近通年期前期比130%、直近四半期単純年換算前期比92%である。
H29.6期の販管費468百万円のうち、研究費が161百万円、給与が53百万円、販売手数料が50百万円を占めている。
営業利益:直近通年期前期比236%、直近四半期単純年換算前期比125%である。
直近Qは売上が伸びない分販管費の削減により営業利益は増加傾向にある。
(最終利益)
「最終利益÷営業利益」:前々期119%、前期78%、直近期Q61%で推移している。
H28.9期は利益に占める補助金、株売却益の割合が大きかったため119%と高い水準となった。
【財政状態の分析】
(財務諸表の特徴)
直近決算における純有利子負債(マイナスは純キャッシュ)は-81百万円(IPO資金調達後は-1379百万円)、自己資本比率は60%、有利子負債比率は36%である。
ネットキャッシュであり財務内容はそこそこ安定している。
繰延税金資産についてH29.6期の一時差異(税額見合額)25百万円のうち繰越欠損金が20百万円を占めているが、評価性引当額の計上はない。
(資本政策)
上場に当たっての当選枚数は11500枚である。
(ROAとROE)
直近決算期であるH29.12期の純資産と想定発行価格による増資と直近Q決算期の年度換算利益を前提としたROA、ROEはそれぞれ5%、7%である
また、上記純資産を基準として直近通期決算期の年度換算利益を前提としたROA、ROEはそれぞれ5%、7%である
ROEは10%をきっており現時点では投資効率は良好ではない。
(IPO調達資金が自己資本へ与える影響)
想定発行価格と公募株式数に基づく調達資金は1300百万円であり、直近純資産に対して200%の自己資本増加となる。
IPO資金全額を設備資金に充当するとのこと。
【株価の分析】
(将来見込み)
売上は増加傾向にあるが、H29.9末時点での受注残が同年6月と比較して2セグメントともに下落している点が気になる。
(PER指標)
直近Q決算期であるH29.12期の利益の年換算額と想定発行価格を前提としたPER(希薄化株式考慮済)は100.2倍である
また、直近通年決算期であるH29.6期の利益と想定発行価格を前提としたPER(希薄化株式考慮済)は98.1倍である
想定発行価格前提で100倍を超えておりやや強気である。
(PBR指標)
直近Q決算期であるH29.12期の純資産額と想定発行価格を前提としたIPO増資を前提としたPBR(希薄化株式考慮済)は6.5倍である
(類似会社比較)
ビジネスモデルが近い上場会社のPERは18.46~62倍、PBRは0.86~4.86倍である。
また類似会社のROEは3.4~17.1%、ROAは2.1~13.9%である。
対象会社はRO指標が低めであるにも関わらずPERは高めであり将来期待が大きいことが伺える。
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ジェイテックコーポレーション(3446) | |||||
想定発行価格の印象 | |||||
増収増益傾向は続くものの高PERであり売先の中心が公共施設、大学等であり受注の安定性に注意すべき。 | |||||
ジェイテックコーポレーション(3446)の概要 | |||||
項目 | 内容 | ||||
事業内容 | X線ナノ集光ミラーの開発・製造・販売、児童細胞培養装置等の開発販売 | ||||
業種別分類 | 金属製品 | ||||
本店所在地 | 大阪府茨木市彩都やまぶき | ||||
監査法人 | トーマツ | ||||
主幹事 | SMBC日興 | ||||
決算月 | 6月 | ||||
BB期間 | H30.2.13 | ~ | H30.2.19 | ||
上場日 | H30.2.28 | ||||
上場市場 | マザーズ | ||||
大株主① | 津村尚史 | 3,887,000株 | 持株割合76% | うち売出 | 290,000株 |
大株主② | 大阪コンピュータ | 360,000株 | 持株割合7% | うち売出 | |
社長 | 津村尚史、昭和32年生まれ、倉敷紡績出身 | ||||
ジェイテックコーポレーション(3446)の沿革 | |||||
時期 | 内容 | ||||
H5/12 | 当社設立 | ||||
H6/7 | バイオ自動機器(自動細胞培養装置、薬効評価装置)を開発 | ||||
H9/7 | 「完全表面創成のための高濃度スラリー精製システムの研究開発」を大阪大学と共同で実施 | ||||
H27/12 | OUVC1号投資事業有限責任組合<通称:OUVC1号ファンド>(無限責任組合員:大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社)及びバイオ・サイト・キャピタル株式会社より出資を受け、資本金 を139,240千円に増資 |
||||
ジェイテックコーポレーション(3446)が実施する事業内容 | |||||
項目 | 内容 | ||||
オプティカル事業 | 反射表面の形状精度が1ナノメートル(10億分の1メートル、以下nmと表記。)以下の超高精度のX線ナノ集光ミラー等の設計開発・製造・販売 | ||||
(販売実績) | H29.6⇒ | 705百万円 | H29.9⇒ | 314百万円 | 進捗率45% |
(受注残) | H29.6⇒ | 534百万円 | H29.9⇒ | 334百万円 | |
売上 | H28.6⇒ | 481百万円 | H29.6⇒ | 705百万円 | |
営業利益 | H28.6⇒ | 243百万円 | H29.6⇒ | 386百万円 | |
ライフサイエンス・機器開発事業 | 独自のCell Float技術を用いた3次元培養装置をコアにした再生医療向け3次元細胞培養システムの研究、また再生医療や創薬へ製品を展開 | ||||
(販売実績) | H29.6⇒ | 96百万円 | H29.9⇒ | 53百万円 | 進捗率55% |
(受注残) | H29.6⇒ | 37百万円 | H29.9⇒ | 6百万円 | |
売上 | H28.6⇒ | 115百万円 | H29.6⇒ | 96百万円 | |
営業利益 | H28.6⇒ | -31百万円 | H29.6⇒ | -60百万円 | |
ジェイテックコーポレーション(3446)過去5年間の指標(単体)推移 | |||||
項目 | 5年前 | ⇒ | 直近H29.6期 | ||
売上高 | 334百万円 | ⇒ | 801百万円 | ||
当期利益 | 22百万円 | ⇒ | 129百万円 | ||
総資産 | 360百万円 | ⇒ | 1,122百万円 | ||
純資産 | 138百万円 | ⇒ | 584百万円 | ||
従業員数 | 11人 | ⇒ | 27人 | ||
ジェイテックコーポレーション(3446)の業績推移分析 | |||||
(単位:百万円) | H28.6 | H29.6 | 増減 | H29.12 | Q進捗 |
売上高 | 597 | 802 | 205 | 431 | 54% |
年間予想 | 862 | 50% | |||
売上総利益 | 429 | 634 | 205 | 319 | 50% |
販管費 | 359 | 468 | 109 | 215 | 46% |
営業利益 | 70 | 166 | 96 | 104 | 63% |
年間予想 | 208 | 50% | |||
減価償却費 | 54 | 70 | 16 | 28 | 40% |
EBITDA | 124 | 236 | 112 | 132 | 56% |
支配株主帰属利益 | 84 | 130 | 46 | 64 | 49% |
年間予想 | 127 | 50% | |||
簡易営業キャッシュフロー | 138 | 200 | 63 | 92 | |
年間予想 | 184 | ||||
※年間予想はQ数値を年次に単純換算した金額 | |||||
H28.6 | H29.6 | H29.12 | 予想 | ||
売上総利益率 | 71.9% | 79.0% | 74.0% | ||
営業利益率 | 11.8% | 20.7% | 24.1% | 24.1% | |
支配株主帰属利益率 | 14.0% | 16.2% | 14.8% | 14.8% | |
最終利益÷営業利益 | 119.4% | 78.4% | 61.3% | 61.3% | |
ジェイテックコーポレーション(3446)の財政状態 | |||||
BS項目 | H29.12 | ||||
現預金等 | 314 | ||||
流動資産 | 480 | ||||
流動負債 | 209 | ||||
流動資産ー流動負債 | 271 | ||||
うち現金短借以外 | △1 | ||||
有利子負債(流動) | 41 | ||||
有利子負債(固定) | 191 | ||||
有利子負債計 | 233 | ||||
ネット有利子負債 | △81 | ||||
固定資産 | 593 | ||||
固定負債 | 216 | ||||
純資産 | 648 | ||||
非支配株主持分 | 0 | ||||
親会社所有者持分 | 648 | ||||
流動比率 | 230% | ||||
固定長期適合率 | 69% | ||||
自己資本比率 | 60% | ||||
有利子負債比率 | 36% | ||||
ジェイテックコーポレーション(3446)の利益指標 | |||||
H29.6 | H29.12 | 予想 | |||
ROE | 6.7% | 6.5% | 6.5% | ||
ROA | 5.5% | 5.4% | 5.4% | ||
ジェイテックコーポレーション(3446)の株式数,時価総額の見込み | |||||
上場前発行済株式 | 5,120,000 | 自己株除く | |||
うち売出株数 | 500,000 | 当選枚数 | |||
上場時発行株式 | 650,000 | OA含む | 11,500 | ||
引受価額 | 1,996.4 | 円 | |||
上場時調達見込額 | 1,297,660 | 千円 | |||
調達後親会社所有者持分 | 1,946,067 | ||||
上場時増資額/直近純資産 | 200% | ||||
直近株価 | 2,170 | 想定発行価格 | |||
時価総額 | 12,520,900 | 千円 | |||
非支配株主持分 | 0 | ||||
純有利子負債(ipo資金受入後) | △1,378,843 | ||||
事業価値 | 11,142,057 | ||||
潜在株 | 103,000 | 1.8% | ←潜在株割合 | ||
ジェイテックコーポレーション(3446)の株価指標 | |||||
指標 | H29.6 | H29.12 | 予想 | ||
EBIT倍率 | 67.2 | 53.6 | 53.6 | ||
EBITDA倍率 | 47.2 | 42.2 | |||
営業利益PER | 76.9 | 61.4 | 61.4 | ||
PER | 98.1 | 100.2 | 100.2 | ||
PBR | 6.5 | ||||
ジェイテックコーポレーション(3446)における従業員の状況 | |||||
H29.12 | |||||
連結人員 | 30 | 人 | |||
親会社単体人員 | 30 | 人 | |||
親会社単体平均年齢 | 43.4 | 才 | |||
親会社単体平均年収 | 5,696 | 千円 | |||
一人あたり年間粗利(連結) | 21,247 | 千円 | |||
一人あたり年間販管費(連結) | 14,324 | 千円 | |||
ジェイテックコーポレーション(3446)上場までの資本政策 | |||||
発行日 | 株数 | 発行価格 | 分割考慮 | 割当先 | |
~H26/11 | 1,200 | 設立時~ | |||
H26/11 | 3,600 | 4分割 | |||
H27/12 | 320 | 464,000 | 464 | OUVC1号投資事業有限責任組合、バイオサイトキャピタル | |
H28/11 | 506,880 | 100分割 | |||
H29/12 | 4,608,000 | 10分割 | |||
IPO直前計 | 5,120,000 | ||||
IPO時 | 650,000 | 2,170 | ⇒想定発行価格 | ||
IPO後計 | 5,770,000 | 時価総額 | 12,521 | 百万円 | |
分割日 | 分割数 | 売買月 | 分割考慮単価 | 買受人 | |
H28/11 | 100 | H28/5 | 464 | 取締役、従業員 | |
H29/12 | 10 | H29/6 | 464 | 取締役、従業員 | |
類似上場会社指標(H30.1.27時点) | |||||
銘柄 | 銘柄コード | PER | PBR | ROE | ROA |
オハラ | 5218 | 62.0 | 2.3 | 3.4 | 2.5 |
岡本工 | 6125 | 20.6 | 2.2 | 11.4 | 3.9 |
浜井産 | 6131 | 18.5 | 0.9 | 4.7 | 2.1 |
ディスコ | 6146 | 28.5 | 4.9 | 17.1 | 13.9 |
タムロン | 7740 | 24.1 | 1.3 | 5.4 | 4.2 |
ジェイテックコーポレーション(3446) | 98.1 | 6.5 | 6.7 | 5.5 | |
銘柄 | 売上(百万) | 営業利益(百万) | 特徴 | ||
オハラ | 24,200 | 1,450 | 光学ガラス老舗メーカー。生産量は国内トップ。 | ||
岡本工 | 28,500 | 1,700 | 平面研削盤で国内首位 | ||
浜井産 | 9,700 | 480 | 総合超硬工具メーカー上位 | ||
ディスコ | 158,300 | 45,600 | 半導体、電子部品向け切断、研削、研磨装置で世界首位 | ||
タムロン | 62,500 | 3,600 | 一眼レフ用交換レンズで世界的 | ||
ジェイテックコーポレーション(3446) | 802 | 166 |